16話 タイムスリップ
ワッカ、ドウシタノ?
セナカノオンナハ、ワジンカ?
ワッカの母親は血相を変え、家に帰って来た息子に尋ねた。
ヤマデ、キムイカムイニヤラレタ。
ナンダッテ?キムイカムイガ!
奥の部屋にいた父親子はあり得ないと言いたげにやってきた。
ナンテコトダ!ヤマニオンナハハイレナイ!
アア、キムイカムイ、、。
トニカク、オンナノテアテヲシナキャ。
ワッカの母親は手際良く傷口を酒で消毒し、
薬草を使って止血した。
そして、痛みが治るからと薬草を煎じ始めた。
ワッカと父親は山での出来事を話していた。
ワッカの家は大昔から村を治めるオサだった。
神の使いのヒグマを殺した事はアイヌにとって大事であった。
とにかく、村の男達を集めて話をすることになり、ふたりは出掛けて行った。
ううん、、。
ここは、どこ、、。
オンナ、キガツイタカ?
ひっ!ううっーー!
女は驚いて動こうとして、激しい痛みに貫かれて叫び声をあげた。
ネテロ、ウゴイタラダメ。
コワクナイ。
サア、コレヲノメ、ラクニナル。
ワッカの母親は女に薬草を煎じた汁を少しづつ飲ませてやった。
すると、女は落ち着きはじめてきた。
私を助けてくださったんですね。
ありがとうございます。
あのう、ここはもしかして、アイヌの方の?
ソウダ。オマエハワジンノオンナダネ?
ナマエハアルカ?
紅子と言います。
ベニ、、。
ドコニイル?
シラセニイカセル。
家の事ですか?
川を超えた所にあります。
小学校があって、その隣です。
ワカッタ。
ワッカニイカセル。
ワッカの母親はそう言うと出て行った。
私、確かヒグマに出くわしたんだった。
驚いて逃げようとしたら、、。
あっ足!
リンコは何とか上体を起こして足を見た。
ああ、、、。わたしのあし、、。
涙がポロポロとこぼれだした。
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