第3話 ネバーランド

申し送りが済んで、師長からのオリエンテーションが始まる。

小児科独特のルール。体制。病棟全体の配置。

ざっと入院患者さんの説明。

そして、病棟回り。

ひとつ、ひとつの病室へ挨拶に行く。


はーい、みんな、新しい看護師さんが

来たのよー。

一声師長が声を掛けると。

ワラワラと病室やらトイレ、遊戯室から

かくれんぼをしてたのかと思うくらい

子供達が現れた。


だあれ?

なんさい?

アイスクリームすき?

これね、わたしのともたちのアリスなの。


はい、はい。みんな、ありがとう。

みんなのお部屋に順番に行くわね。

さぁ、ベットで待ってられるかなぁ?

そう師長が言うとあっと言う間にいなくなった。


ふふふ。大人とは大違い。

新手の歓迎だわ。

リンコの気持ち一瞬、明るくなった。

いや、そうじゃないはず。

あの明るさの中の、それを見せてもらわなければ、、。

これは大人よりも難しいんだから。


さあ、落ち着いていきましょう、森野さん。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る