カボチャ虹たんけん

 すっごい通り雨だった。

 カボチャ売りの女の子の髪もビショビショ。シャツなんか、絞れば、雑巾みたいに水が出るくらいまで濡れてしまった。


「やーねー」


 雨も去って、青空の中なのに、カボチャ売りの顔は曇りがち。


 だったのが、パッと晴れた。ダイダイ、イエローを光らせた虹が空にかかっているのだ。


 女の子はある日、老婆からこんな伝説を聞いていた。

 虹の根元には、虹のカボチャが眠っている。掘り出すと宝石のように輝き、食べると不老長寿になるそうな。

 チョージュには興味ないけど、虹色のカボチャスープを作ってみたいと、女の子は思った。それで、みんなでゴチソウなんて。


 そこで探検だ!


 まずは食糧。豆カボチャをぶつ切りにして、生カボチャサラダを作る。

 次は山登りグッズ。近くのクマおじさんから借りようとしてみたが、「子供用のは無いね」と一断り。

 しょげて、でも、「自力でなんとかなるわ。まだ若いんだから」と気合を入れ直して、空をきりりと見つめる。

 するとそこにあった筈の虹は、キレイサッパリ消えていた。


 タイムオーバー。


 虹は儚く消え、夕焼けが迫っている。

 女の子は「次こそはー」なんて考えて。

 すると、あれだけ嫌だったはずの雨が、もう楽しみに思えてしまうから不思議だ。

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