あなたなら
定義の話はどうでもいい
どこからが浮気かなんて話はどうでもいい
結局、気持ちが離れてしまっている
重要なのはそこにしかない
ただそれだけの話
たぶん気づかなければ幸せなままだったのだろう
だけど気づいてしまった
だからもう数秒前以前の時間にはもう戻れない
純粋にあなたを好きだと思えていた時には
あなたは俺の思いを予測できなかった
こんなことをしたら哀しむ、と
だからあなたは定義の話をすることで、
俺を哀しませてなどいない、ということにしたがっている
あなたに対してこんなに冷たい瞳ができるなんて、
知らなかった 知りたくなかった
定義の話をし続けるあなた、その割には謝り続けるあなたを、
なぜかとても穏やかに眺める俺
そうか、もうどうでもよくなっているのか
あなたが口を開く度に
あなたを嫌う気持ちまでもが遠ざかっていく
ただただ心が遠ざかる あなたが遠くなっていく
きっとあなたを許すことができるのだとしたら
それこそあなたのことをまさにどうでもいい存在だと
そう感じるようになっているからなのだろう
俺があなたとずっと一緒にいたいと思う気持ち
あなたはそこまでのつもりではなかったみたい
なんだかやけに頭の中がすっきりしている
哀しい割にはあまりそんな雰囲気を感じない
ただとてつもなく虚しい、ああそうか、
たぶん哀しすぎて空っぽになってしまったんだ
あなたがいて俺がいて
それだけじゃダメだったみたい
どうしてあなたがわざわざ俺と一緒になったのか、
そこがよくわからない
他の誰かと関わるのなら、
それならむしろ俺はいない方が良かったのに
あなたは背徳感を覚えている
でもきっと罪悪感はなかったのだろう
もしもそれがあったなら
きっとあなたは途中でそれをやめていただろうから
だから、そしたら俺は気づかまないままでいられただろう
いつまでもあなたを大切に思えていられたのだろう
あなたは定義の話をしている
自分自身を許すために
その割には謝罪を繰り返している
それは俺に許されるためなのか
それともやっぱり、自分自身を許すためか
例えばもしも俺があなたと同じことをしたなら
あなたのように定義の話をし始めたなら
だからあなたを傷つけてなどいないと言ったなら
そしたらあなたは俺を許すのだろうか
もしもあなたなら、どうするのだろうか
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