自己完結型擬似恋愛至上主義

恋愛ってきっと誰もがするものなのさ

にも関わらずそんな風にはとても思えない

まるで選ばれし者にのみ許された資格のよう


だって恋人のいる者は格上で、じゃなきゃ格下

でもそれっていずれは収入の話になるのだろう

客観的指標はわかりやすいのが一番だ


「彼女が欲しい」とか「素敵な恋がしたい」とか

好きな人と付き合いたい、とは事情が違う


恋をするより先に彼氏ができた君

好きになったから向こうから告白させた


恋愛って恋愛感情って一体何なのかしら


彼女がいなくてとっても寂しい

誕生日までに彼氏を作らなきゃ

恋愛とは寂しさを埋めるためのもの

ああ求めしものは恋しい人ではなく“恋人さん”


「私のこと好き?」と相手の腹に探りを入れて、

しかし自分から「あなたのことが好き!」とは言わない

告白するのは相手で選ぶのは自分

つまり初めから相手に選択肢はないのである


正直言ってあなたといるのは疲れた

今やもう好きでも何でもない

だけどだからと言って今はまだ別れるわけにはいかない

だってもうすぐクリスマスなんだもの

そしたらお正月なんだもの


私は正しいのだ 私は悪くないのだ

だから私がモテないのは向こうのせいなのだ

だって私は何一つ間違ってなどいないのだから


恋愛をしなければならない

恋愛をすべきだ

だって恋愛は楽しいものなのだから

そう生命短し乙女その他も


うるせえ、そんなの人の勝手だろ


例えば俺は音楽が大好きなんだけど

他人に対して音楽はいいものだから音楽を好きになれとは思わない


好きな人もいないのになぜ恋愛をしなきゃいけないの

何のために? 誰のために? あるいは自分のために?

そのために恋愛をしなきゃいけないの

ていうかちょっと待って、好きな人もいないのに?


恋愛に臆病なのと関心がないのは全然違う

臆病な人は背中を押してあげるとして

関心がない人のことはどうか放っといてくれ

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