第4話 アデルと対戦2

「僕は1×3ダメージで体力は95。レベル・インクリメント置いた位置が悪いね。ここだとレベルアップした瞬間にプロセスが終わってレベル1に戻ってしまう」

「えー初めてだから手加減してよ」


「じゃあ、プロセスをサモン・ファイヤーエレメンタル→レベル・インクリメント→アタック→アタック→アタックにするね。これならレベルアップした状態で攻撃出来る。じゃあさっきの攻撃は2×3ダメージだ。さっきのは無しにして、改めて計算すると、僕の体力は92だね」

「えへへっ、着実に攻めてる。どうよ」

「僕はネームド:ファイヤーエレメンタルのバーニングウィプス。を先頭に置くよ。そして、アタックを最後に入れる。エンド。バーニングウィプスの攻撃力は4になって、レベルアップで攻撃力8。アデルのファイヤーエレメンタルは撃破された。そして特殊効果でレベル・インクリメントのカードを燃やす」


 バーニングウィプスは攻撃力4の防御力8だ。


 僕のプロセスは、ネームド:ファイヤーエレメンタルのバーニングウィプス→サモン・ファイヤーエレメンタル→レベル・インクリメント→アタック。

 アデルのプロセスから札を取り除いて、いまはアタック→アタック→アタックだ。


 二枚の使って、今の手持ちのカードはループ、ブレイク、ブランチでアタック二枚のカードを引いた。


「燃やすなんて、ずるい」

「ネームドは特殊能力持ちなんだ」

「私の番ね。ブランチってカードがあるけど」

「それはプロセスの中に選択肢を作れるんだ。流れが二つになる。どちらか片方しか選べないんだけど。2倍の働きをするんだ。ブランチに脇に2枚カードを置ける」

「やってみるね」


「ブランチ、アタック、ディフェンスか。いい置き方だね。相手の攻撃を防げそうならディフェンス。そうでない時は攻撃だ」

「エンド」

「防御と攻撃どっちを選ぶ?」

「攻撃」


 アデルのプロセスはアタック→アタック→アタック→ブランチとそれに付けられたアタックとディフェンス。


「アデルの攻撃で僕は1×3+2のダメージ。体力87だ。僕はアタックを追加。エンド」


 僕のプロセスは、ネームド:ファイヤーエレメンタルのバーニングウィプス→サモン・ファイヤーエレメンタル→レベル・インクリメント→アタック→アタック。

 手持ちのカードは、ループ、ブレイク、アタック、アタックで、ループエンドを引いた。


「うわっ強そう」

「レベル2のバーニングウィプスが2回攻撃。アデルは16ダメージの体力84だよ。2回攻撃だから、ブランチとアタックのカードを燃やす」


 アデルのプロセスはアタック→アタックのみ。


「えっ、ブランチのカードだけでなく付けられてたカード全部燃やされちゃうの?」

「まあね」

「もう勝てそうにないんだけど。まだまだよ。ネームド:ファイヤーエレメンタルのトーチシャークとサモン・ファイヤーエレメンタルを頭に置く。そしてアタック置くよ。エンド」


 アデルのプロセスはネームド:ファイヤーエレメンタルのトーチシャーク→サモン・ファイヤーエレメンタル→アタック→アタック→アタックだ。


「ええとトーチシャークの攻撃力は5だから、3回攻撃でダメージ15。バーニングウィプスレベル2の防御力16に届かないから攻撃は無効だ。トーチシャークの特殊能力は噛みつき出血。僕の体力は3ずつ減る。体力84だ」

「ええ、ずるいよ」


「ずるくないよ。ルール通りだ。僕はアタック2枚追加とループとループエンドを追加。エンド」


 ここが勝負どころ、アタックカードをありったけ追加した。

 僕のプロセスは、ネームド:ファイヤーエレメンタルのバーニングウィプス→ループ→サモン・ファイヤーエレメンタル→レベル・インクリメント→アタック→アタック→アタック→ループエンド。

 手持ちのカードはブレイクで、サモン・エレメンタル2枚と、ケース2枚を引いた。

 ケースカードはスイッチと一緒に使う。

 決まれば凄いコンボも出来るけど、今回は無理かな。


「うわ、凄い攻撃が来そう」

「アタック8×3だね。最初のアタックでトーチシャーク撃破。後の2回はアデルへの攻撃。アデルの体力は68だ。そしてアタックの札3枚を燃やす」

「ぐすん、プロセスが空になっちゃった」


「降参する?」

「うん、降参」


「ざっとこんなゲーム。とにかくコンボを作るのが難しいんだ」

「そうだね」

「それとネームドの使い方が勝敗を分ける。特にバーニングウィプスのカード燃やす攻撃は凶悪だ。ネームドのカードは同じ物は存在しないんだ。それがこのゲームのカードを集めてみたいってところ」


「へぇ、そうなんだ。ゲームの遊び方は分かった。じゃあ、カードで魔法やってみる。【サモン・ファイヤーエレメンタル】。出ないよ」

「呪文も日本語だったし、何が僕と違うんだろうな。細かい発音かな」


「おい、そろそろ行くぞ」


 ロックスさんが僕達に声を掛けた。


「はい」

「はーい」


 アデルがカードで魔法を使えなかった理由は何かあるんだと思うけど、ちょっと分からない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る