21 完成に向けて
ハーブティーは意外とおいしかった。
薬草関連はミシャがかなり詳しいらしく、この森に生えている野草の中からハーブティーとして飲むことができるものを選別してくれている。
前はそれほど好みではなかったのだが、こちらで飲むハーブティーは今まで飲んだことのあるものよりもだいぶおいしく感じた。
今回使った薬草はこの前食事に使ったルリグラスという野草と同じく、一般的に高級なものとして扱われているサフィラという薬草らしい。
これほど高級な野草が無造作に生えているこの森の植生が気になるとミシャはつぶやいていたが、このあたりの知識は俺にはないのでどのあたりに気になる部分があるのかわからない。
植生と言っていたので、この2つは本来同じ場所に生えるような植物ではないのかもしれない。
レナもアンジェもとりあえず食べられれば飲めればという食生活を送っていたので、本当にこの手の知識はミシャ頼りだ。頼りにしているのが4人の中で一番年の若いミシャというのが少々情けないところだが、俺はこちらの世界の知識は本当にないので仕方がない。今後、いろいろ試しながら覚えていくとしよう。
休憩を終え作業に戻り、先ほど切り出した木材のうちまだ加工していなかったものを削っていく。
そして加工が終わったら、確認のため作った木材の│
いくつかサイズが合わなかったため修正を入れつつ、加工が荒かった部分を整えていく。
加工する際なるべく穴が大きくなり過ぎないように気を付けていたので、はめ込んだ時にゆるくなってしまっているものはなかったので安堵した。
多少歪になってしまったものもあるが、初めての加工にしては十分うまくできたのではと思う。
修正を終えたので基礎の上に木材を並べていく。
今回の家のサイズは今使っている家が少々手狭に感じていたので倍のサイズにした。もう少しサイズを上げることもできると思うが、使わない場所を作るのは木材と労力の無駄になると判断して、今回のサイズにした。
それに今回の構造であれば後から部屋を後付けで追加することも可能なので、後々必要に応じて部屋を増やしたいと思っても問題はないはずだ。
基礎の上に並べた木材の穴に柱として加工した木材を立てていく。
ただ立てたままでは揺れに弱いので、隣り合った柱どうしを筋交いで固定していく。
筋交いに関しては柱を立てた後に加工し、アンジェに手伝ってもらいながら木釘もどきで固定する。
そうして今回用意した木材を使い、家の骨組みをざっくり完成させたところで周囲が暗くなり始めたので今日の作業を終えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます