第595話 ドラゴンBBQパーティー

400kg程のドラゴンの肉のブロックを先に貰って帰って来た俺は、事の次第を皆に説明し、この世界初のドラゴン肉によるBBQパーティーの開催を高らかに宣言したのであった。

突然に降って湧いた前代未聞のドラゴン肉による全員参加のBBQパーティーに大喜びする我が家のスタッフ達。

どの魔物の肉もそうであるが、より魔力の高い魔物の肉ほど一般的には美味しいと言うのが暗黙の認識なので誰もそれを口にしなくとも皆の期待度が高まって行く。

俺?そいうお俺だけは元の世界のドラゴンの肉を嫌という程口にしているので、べつの意味でこの世界のドラゴンの肉に興味津々である。


なんなら、前世で仕留めたドラゴンもまだ『時空間庫』に死蔵してあるドラゴンもあるので贅沢に食べ比べ何かも出来たりするのだが、それをするには些か話せない事情まで公にしなきゃいけなくなるのでこのまま出せるタイミングが来るまで入れたままにして置く予定である。


こうして興奮する子供等やスタッフと共に準備に力を入れるのであった。



手が離せない者以外が全員王都邸に集まって広大な庭の一角にBBQコンロを100台程設置して炭に火を起こして号令と共に第一陣のドラゴン肉を一斉に焼き始める。


みんなで「頂きます。」を唱えた後は俺の号令なんか関係無く自動的に焼いて食べて唸ってを繰り返すループの始まりであった。


この世界のドラゴンの肉だが前世のドラゴンの肉と同等の美味さで、噛めばジューシーな肉汁が口の中に溢れて、解ける様に溶けて行く。


みんな「美味しい美味しい」と零れんばかりの笑みで肉を頬張って居る。焼くのが追い付かない勢いである。


我が家のメンバーも気が付けば結構な人数になったので十部に思えた400kgの肉があっと言う間にみんなの胃袋に消えて行き、流石にこれでお開きと言い難い状況になってしまったのだった。



パーティーと言って仕舞って盛り上がった所で食材が無いと言うのも締まらないじょうきょうなので思い悩んだ結果、前世で仕留めて解体してあったドラゴンの肉を急遽追加で出してその場を凌ぐ事にしたのであった。


何方にしても『ドラゴンの肉』である事は間違い無く嘘は言っていない。


やはり食べ比べると両方共に美味いのだが味わいに若干の違いがあり、みんなは違う部位の肉だと勘違いして大喜びして追加の肉を堪能していたのであった。

ミートスライサーでステーキカットしていたが、今度は焼肉用に大量にカットし、焼肉のタレを絡ませて焼いて食べたらこれがまた激ウマで、カットの方が間に合わない程の勢いで消費されるのであった。


コジー君からの提案で、これらドラゴンの肉の焼肉やステーキを数量限定で高級レストランの方で出してはどうか?と震源されて、冒険者ギルドの解体が終了してから検討することにしたのであった。



と言うのも、そもそも今回倒したのがフロアボスなのかまた直ぐにリポップするのかも踏めなので、供給がなければ需要だけあっても勿体無くて世に出せないと言う事である。


なので、解体後肉の取れ高を見てから、ダンジョンでドラゴンが復活しているかを調べないことには始まらないと言う事にしたのであった。


リポップしてると良いけどなぁ~と心で願う俺であった。


因みに、ジュンペイとアルス君は俺がドラゴンを倒したと聞いてその話を聞きたがり、如何にヤバかったかを語って聞かせたら目をキラキラさせて聞いていた。


まあ、正直な話ジュンペイだと危なかったかも知れない。


タイミング的にげーとを繋いで逃げる隙も無かったし、俺だってそう易々と倒せたわけでは無いのである。


しかい、も氏リポップするなら丁度良いレベリングの魔物になってくれるやも知れない。


ちょっとインターバルを置いて再度あの第129階層をチェックしてみないといけないと心に決める俺であった。



そんな訳でドラゴン肉のBBQパーティーは大盛況の内に終わって、みんな笑顔で後片付けもソコソコに余韻に浸って片付けを翌日に廻したのであった。



翌日になると俺は野次馬で賑わって居る冒険者ギルドに赴いて解体の状況を確認して、更に言われるままに、空間斬でドラゴンの部位をカットして解体を手伝った。


この調子なら完全に解体が終わるにはまだ2週間は掛かりそうである。


そうして解体の手伝いをしたりして冒険者ギルドに滞在して居ると、冒険者ギルドに王宮からの使者がやって来て、ギルドマスターに面会を求めて来て居た。


即座に踵を返して帰ろうかと思ったのだが時既に遅く、俺まで一緒にギルドマスター室に呼ばれて仕舞い、王宮からbの使者との話し合いに無理矢理参加させられてしまったのだった。


王宮からの視野の話を聞かずとも何となく察しては居たのだが、用件は思った通り、対価はは払うのでドラゴンの肉を分けて欲しい。と言った内様であった。


今の国王陛下も食いしん坊で我が家の高級レストランの常連である。


なのでそれを予測したコジー君から数量限定での提供の話も出ていたのであった。


なので、王宮からの使者にはまだ解体途中なのでもう暫く時間は掛かるが、準備が出来たら、我が家の高級レストランにご招待しますとお伝えをお願いしたのであった。


兎に角全体で何kgの肉になるのか、解体して見ないと何とも言えないので解体を頑張って貰うしか無いのである。


こうして、忙しなく2週間の時が流れ漸く解体が全部終わったのであった。


肉は全面的に俺が貰って、懐かし黒竜丸を再現出来るかの所為もあるので牙も売らずに俺が貰った。


肉の総量が判明してそれ相応に肉が取れたので、予告通りに国王陛下と宰相閣下を高級レストランにご招待して、ドラゴン料理を堪能した貰ったのであった。


お二人の感想は、予想通りに大絶賛。 立場上、食べ物を食べて大はしゃぎしたりするのは拙い筈なのだが童心に返った様にはしゃいで居られたのであった。

お二人でお替わりをご所望になってまるで若い子供等の様な勢いで食べていたのが印象的であった。


但し帰り際にこのコースは材料に限りが有る為、現時点では数量限定としているので次回入荷は不明と釘を刺して置いたのでかなりのショックを受けていたようであった。


美味しさに浮かれただけにその落差に愕然としたのかも知れない。



まあ、これも『リポップ』次第なのである。リポップする様ならガンガンに周回してレベル上げをして食材をゲットするのみである。

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