第594話 いきなりの修羅場

普通に考えると全くレベル差で話にならない相手だが、退路は断たれてゲートを繋げて退避する間もないので腹を括ってドラゴンと対峙する俺。


鑑定EXにあった様に人語を喋る個体かもしれないので一応声を掛けてみる。

「えーっと、話は出来るか?」と問い掛けるもギャォーーと言う咆哮が帰って来て、一瞬だけ俺の身体が強張ったが直ぐに平常状態に戻ったのだった。

これが恐慌状態と言う物だったのかも知れない。

そして挨拶代わりに太く長い尻尾を横薙ぎに振って俺を吹っ飛ばしに掛かって来た。

油断していた訳では無いのだが予想以上に速い一振りをモロに食らって仕舞い壁際まで吹っ飛ばされて仕舞ったのだった。

幸い魔装を貫通する事はなかった物の激しい衝撃とGにサエラされた事によって肋骨が折れて内臓にまで損傷がでたらしく、血反吐を吐いてしまった。


転がった先で慌てて、回復魔法を掛けて損傷を治し魔力を増量して魔装をより強固な物にしたのであった。


やられてばかりでは気が済まないのでここは一発かましてやろうとフラッシュバーンを発動して目眩ましをした後高周波ブレード化した黄金丸で奴の首筋に渾身の一撃をお見舞いしたが、僅かにあたった鱗に傷が入っただけであった。


そして異変を察知した奴の爪による一撃を空中で受けてしまいまたしても地面に叩き付けられたのであった。


しかし今度は魔装で十分に衝撃を抑えられたので内臓にダメージを負う事は無かった。


今度はもっと驚かせてやろうとミストバーンを用意して発動したのであった。


チュッドーーン!と言う爆音と衝撃波がドラゴンを中心に室内に響いた。

俺は張ったシールドで自分のミストバーンの衝撃波を何とか防ぎ切って次の攻撃に移る。


今の俺の持つ小動きの中で一番の攻撃と言う事で空間斬を奴の尻尾を目掛けて放った。

バシュと言う音と共に尻尾が切り離されてその苦痛にギャゴーーと悲痛な叫び声を上げるドラゴンの身体が一瞬膨らんで光り、

次の瞬間俺の方を向かって灼熱のブレを放ったのであった。


俺は咄嗟に、ストーン・ウォールを使って目の前に遮蔽物を構築し難を逃れたのであった。



何十秒か続くブレスを防ぎ切った俺は、空間斬が有効であったのを内心ほくそ笑んで次の一手に掛ける事にしたのであった。


再度フラッシュバーンを発動して視界を奪った俺は、次の一手で奴の首筋を狙って空間斬をおみまいしたのであった。


ザシュと言う鈍い音と共にドラゴンの太い首に亀裂が入って、一鳴きも為ずにそのまま首が静かににスライドして床にドシンと落ちてのであった。


俺は何とか生きてこの世界でもドラゴンを討伐する事に成功した様だ。


次の瞬間念願のレベルアップを果たしたのであった。


そして下記のステータスになった。


*************************************************


名前:トージ・フォン・オオサワ

レベル:41

HP:340/340

MP:1375/1485

力:420

知能:1246

器用:1246

俊敏:1246

運:20

スキル:魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 気配察知 剣術 投擲 魔力超回復 (偽装) 錬金 料理 異常状態無効

    気配察知

加護:(第創造神ロキシーの加護)


*************************************************

ドラゴンは相当の経験値を持って居た様で一挙に10もレベルがアップしたのは僥倖であった。


そして、ドラゴンの咆哮による恐慌状態にレジスト出来たお陰か、新たに『異常状態無効』スキルhが追加されていたのであった。



やっと討伐出来た事で気が緩み、ヘナ寝なと床に座って、飲み物を飲んでホッと一息着いた後、ドラゴンの亡骸をエッサホイサと『時空間庫』に回収するのであった。


前世では絶品であったドラゴンの肉だ。この世界のドラゴンの肉は如何な物かと想像するだけでも涎が零れる。


こうして回収が終わった後、俺は開いた扉を潜って先へと進み疲れた事もあって早めに切り上げて王都の冒険者ギルドにドラゴンの亡骸の解体に持って行くのであった。



冒険者ギルドの解体場には当然入りきらない大物なので浦の訓練場に臨時の解体場を設けて初めて見るドラゴンの巨体に圧倒されつつつ解体が始まるのであった。


尤も解体場の解体のオッチャンのヘルプ要請に従って、ドラゴンの身体を空間斬で何分割かに切り分けてマジックバックに入る大きさにしてやったのだった。


そして、取り敢えず首回りの肉を数ブロック貰って帰って、ドラゴンの肉によりBBQパーティーをすることに決めたのであった。


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