第593話 運が良いのかどうなのか?

半年が過ぎて、俺が王都ダンジョンの更に深い階層へと足を踏み入れて幾久しい。


現在では第98階層を廻って居て相も変わらず高レベルな魔物を相手に日々経験値を稼いで居る。


ここまで来れば3桁階層も目の前である。


果たしてここ王都ダンジョンは何階層まで在るのだろうか?逸る気持ちを抑えつつ一歩一歩着実に魔物を屠りつつ奥へと進むのであった。


そして3週間も経たずに、第99階層に辿り着いてその99階層も3ヵ月で制覇してイヨイヨ第100階層へと突入したのであった。


意気揚々と突入した第100階層は広い坑道型のフロアーで特に最下層と言う訳では無くてまだまだこのダンジョンが続く事を意味していたのであった。


そして俺はこの階層で広い坑道を塞ぐ様に現れる動きの鈍いゴーレムを相手に無双するのであった。


高周波ブレード化した黄金丸であれば、アイアンゴーレムでもはたまたミスリルゴーレムでも俺の敵ではなく、サクっと斬り捨てる事が出来るのである。


これがオリハルコンゴーレムだと話は別かもしれないが今の所まだオリハルコンゴーレムは出て来て居ない。


一応最悪斬れなかった場合に備えて空間斬で斬り捨てる心の準備をしているのであった。



斯くして先へと進んでいると、その出番は意外に早くやって来たのであった。

目の前に現れたのはこれまでとは違った黄金に輝くボディーのゴーレム。

鑑定EXで鑑定して見ると、


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【オリハルコン・ゴーレム】:オリハルコン製のボディーを持つ強固なゴーレーム

レベル:97

スキル:強固 指弾

指先を弾にして拘束で発射する攻撃を得意とするゴーレム種のなかでは最強のゴーレム。

強固スキルを発動中の攻撃はほぼダメージを与えられないので注意。

但し、強固スキルは来るタイムが長いので一度発動すると連続使用は出来ないのが狙い目。

備考:頭にあるコアを破壊されるか頭を胴体から切り離されると活動停止する。


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と出た。

つまり先に強固スキルを波動させた後でクールタイムに連撃するか、速攻で首チョンパか頭を破壊すのが正攻法と言う事だろう。

動き自体は他のゴーレム同様に鈍いが指弾の攻撃には注意が必要だろう。


おっと!!!言ってる傍から指弾を10本の指からショットガンの様に撃ち出してきやがった。

「あっぶねぇ~!」と思わず独り言が緊張で乾いた唇から漏れる漏れる。

もっと単発で撃って来るのかと思っていたので辛うじて避けた感じになった。


今のは本当に危なかったしかも散弾の様に広がって着弾するので、広範囲を避ける必要がある。


尤も1回発射すると次弾の準備で指先が生え揃う間で次弾が撃てないので今が狙い目である。



俺は今の内にと思って高周波ブレード化した黄金丸で頭を兜割の様に正眼に振り下ろしたが流石に幾ら黄金丸でもガキンと言う鈍い音と共に弾かれてしまった。


するとグオーーーと言う重低音の方向と共にオリハルコンゴーレムの身体が金色に輝き見た目から硬そうに変化する。


どうやら強固スキルを発動したらしい。

攻撃を無効化されると言うが、駄目元で空間斬を奴の首筋に向かって放って見ると、ガキンと言う鈍い音がして、首筋に生地が入った。幸いノーダメージではいられなかった様だ。

俺は続けて2回空間斬を放って首筋の傷をより深い物として行く。


そうしていると、強固スキルの効果タイムが終わった様で輝きがお割って元通りの色となった。

指を見るとその間に生え揃って居たので、指弾を発射される前に速攻で空間斬をお見舞いしてやり、スパンと、首を刎ねたのであった。


頭がゴトリと音を立てて落ちて行き、その一瞬後にオリハルコン製の巨体がグワシャンと轟音と共に床に崩れ落ちた。


これだけのオリハルコンがあれば一体何本の黄金丸を作れる事か。

孫の成長期が終わったら身体に合わせてまたオリハルコン製の剣を発注しにあのドワーフのオッチャンの所にこのオリハルコンを持って行こうとホクホクしながら回収する俺であった。


尤もこのゴーレムの姿のままでは加工し難いので、自宅に帰った後、自宅の中庭にこの巨体を引きずり出して、インゴットサイズに空間斬を使って細切れにして行ったのであった。


実際に戦闘で倒す寄りもこのじたくでのインゴット化の作業の方が大変であったのは言うまでも無い。



100階層台に入って数ヶ月が過ぎた頃、俺は第128階層を踏破して第129階層へと降りてきた。


それまでにレベルがあがって下記のステータスになった。


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名前:トージ・フォン・オオサワ

レベル:31

HP:330/330

MP:1455/1475

力:410

知能:1236

器用:1236

俊敏:1236

運:20

スキル:魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 気配察知 剣術 投擲 魔力超回復 (偽装) 錬金 料理

    気配察知

加護:(第創造神ロキシーの加護)


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相変わらず宝箱を発見しては中かアーティファクトっぽい物が出て来るのだが俺が飛び上がって喜ぶ様な物は出てきて居ない。


本当に運が良いのか疑わしい物である。



すると巨大なボス部屋に出て来てビックリ。



階段を降りるといきなりそこに有った魔方陣から巨大なドラゴンが呼び出されて出て来た。


急いで鑑定EXで鑑定して見ると、


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【ブラック・ドラゴン】:ドラゴン種の中でも強い種別のドゴンで硬い鱗とスエウドイ爪を持つ。

レベル:128

スキル:咆哮 ブレス

その咆哮は相手を萎縮させ恐慌状態にしてしまう。ブレスは灼熱の火炎ブレスで、オリハルコンをも溶かす。

但しブレスは体力を消耗するので余程の事で無いとブレス攻撃はしない。


備考:知能が高く人語を喋る個体も居る。


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とこれまでの魔物と一線を画すベラボウなレベルのドラゴンである。


これはかりヤバイ奴である。今の俺に行けるのか疑問である・・・。

そして素早く後ろの階段を確認すると既に扉で閉ざされており逃げ道は無かったのだった。

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