第586話 奇襲攻撃の後始末と勘違い
敵国の国王と思しき人物は拘束されて我が国の王都へと送還された。
周辺各国に交渉して言葉の通じる通訳を探す事にしたらしい。
まあ、通訳が仮に見つかったからと言って会話になるとも限らないのは前世の日本で嫌と言う程判って居る事。
しかし、当初5万人程集まって居た奴らをほぼ全滅させてしまったので、此奴が国王であっても国民が残って居るかは甚だ疑問である。
まあ国民が立った5万人ってことは無いだろうからきっと何処かに残って居ると思うけど・・・。
そして俺達は何万人もの遺体を平原に大穴を作って入れて魔法で火葬してを繰り返し、戦以上にキツイ思いをして居る最中である。
理由は最初にミスト・バーンでぶっ飛ばして仕舞った事による飛散した遺体の処置である。
まあ場所が他国だから知らんフリをしても良いのかも知れないが、放って置くと伝染病の元となったりゾンビになるかも知れない。元日本人の所為か、キッチリ火葬して埋葬しないと何となくスッキリしないのである。
なので面倒でもキッチリと出来る限り火葬して埋葬する方向で号令を掛けて居るのであった。
馬の分も含め遺体の処理が終わったのは丸々1ヵ月が過ぎた頃であった。
当初は丁寧にやって居たのだが段々と匂いを放つ様になって来たので、中盤からマスクで口と鼻を覆い雑な対応になってしまって、その分作業時間が短縮されたのであった。
後半ともなると殆どその場に穴を掘って燃やして埋めてをチャチャっとやって終わりにしてしまったのだった。
それでも全部埋め終わったので死者への弔いは出来たと思いたい。
こうして長い後始末を終えて全員が王都に戻ったのであった。
王宮に後始末の完了を報告して今度こそ愛する孫の居る自宅へと戻るのであった。
ジュンペイはやっと長期の任務から解放されて欠乏気味であったアルスとジュリーの成分補給を急いで居たのだった。
欠乏気味なのは俺も一緒であったが、実の親であるジュンペイに一番手を譲ってその分後で長めに構って貰ったのであった。
さて、件の捕虜としたローデッシュ王国の国王であるが漸く通訳の目処が立ち2つの言語を仲介しての通訳2人が我が国にやって来たのは奇襲戦から7ヵ月が過ぎた頃であった。
そうしてその通訳を介して判った事実であるが、基本放牧しかしてないローデッシュ王国では一箇所に定着する必要のある農業とかは難しく、農作物の入手が困難で提起的に馬賊として他国の領土をしんりゃくしたりしてその時々に応じて作物を入手していたと言う事であった。
そして偶々前回は我が国の肥沃な領土に侵略の魔の手を伸ばしたのだと言う事が判明したのであった。
件のローデッシュ王国国王は捕まって拘束されていると言う現状であっても鼻息が荒く、次は必ずお前らを撃破してやると息巻いているのであった。
もう既に5万人近い国民の惨死を招いたと言うのに本当に言葉が通じても尚何を考えてるのだか理解不能である。
そうした経緯もあって王宮ではこの話の通じぬ亡国の国王をサクっと処刑する事にしたらしい。
しかし、この時良く話が通訳出来て居なかった部分があったのがこの国王の処刑後数年経ってに判明するのであった。
後に判明した事はそもそもこの自称国王は一般的な国を代表して統治する国王とは違って一部族の族長であって、あの日に集まっていた5万人はその部族の分家に相当する者達であって、決してローデッシュ王国全国民ではなかったのであった。
◇◇◇
5年の歳月が過ぎ去って我が国は平穏な日々が続いていた。
我が国ではもう既にローデッシュ王国は亡国としてこころの片隅に忘れ去られていたのだが、何故か我が国と国交のある周辺国かローデッシュ王国からの襲撃の噂が流れて来て王宮は騒然となった。
ここで始めて前記の勘違いが判明しまだ同等クラスの部族長率いる軍勢が幾つか居る事が判明したのであった。
こうしてまた振り出しに戻った訳である。
周辺各国からの情報から我が国は国境線の砦を新規に5つ程増やして国防に備える事にしたのであった。
そしてその新規の5つの砦の建設を仰せつかったのは、魔法建築部隊を持つ我がオオサワ家であった。
当初部隊を五組に分けて手分けして進めようかと思ったがそうすると1箇所当たりの建設時間が長く掛かるので全力で一極集中で建設して廻る事にしたのであった。
そして、最初の砦の建設に2ヵ月が掛かって完成し、ゲートで王都と接続して国軍にその警備を任せて俺達は2箇所目の建設に取り掛かったのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます