第583話 夏の新メニューと季節外れの不吉な知らせ
今の所王家も我が家も子宝に恵まれて順風満帆。
今日も王国と我が家は平和である。
そんな平和な中季節は変わって夏に入って王都もジリジリと暑くなって来た。
なのでアルス君が喜びそうな物を作ろうと、アイスクリームメーカーの魔動具を開発したのであった。
初めて食べる冷たく甘いアイスクリームに目を輝かせて喜ぶアルス君。
そんなアルス君の反応に気を良くした俺は更にスイッチが入って色々な味のアイスクリームを量産する体制を整えてしまった。
そして折角アイスクリームコーンやスクレイパーまで作ったので屋台用の冷凍魔動具を作って街中で販売する事にしたのであった。
こうしてオオサワ商会のスタッフが出したアイスクリーム屋の屋台は暑い夏と言う事もあって、王都でも領都カサンドラスでも一大ブームとなるのであった。
爺としてもアルス君に良い顔を見せた俺は大満足である。
調子付いた俺は夏の冷たい料理の充実も謀ろうと言う事で、冷やし中華やざる蕎麦にざるうどんもアンテナショップで始めてみた。
そんな冷たいメニューの中でも夏限定の甘酸っぱい味が決め手の冷やし中華が一番人気で、連日相当数のオーダーが入るのであった。
アルス君も自分で上手に箸を使って冷やし中華を喜んで食べてくれたので俺としても大満足である。
そして月日は流れ暑い夏が終わって過ごし易い秋がやって来て徐々に温かいメニューを追加する事にしたのであった。
前回は仏の定番の『おでん』を追加したが今回はラーメン・・・オーソドックスな中華そばを新規メニューとして開発することにしたのであった。
鶏ガラスープを作って醤油の返しで味を調え茹でた麺を丼に入れてチャーシューとメンマ擬きと刻み葱を添えたら出来上がりである。
ウーッコッコーの鶏ガラスープは良い出汁がでて実に美味しく出来て思わず自画自賛してしまう出来映えであった。
これまたアルス君がハフハフしながら「じいじ、美味しいよ!」と言ってくれた一品である。
尤もアンテナショップのメニューに追加したものの、材料の入荷量関係でそれ程多くの販売は無理で1日200杯までとしたところ、余計に人気が人気を呼んで連日中華そばを食べにくる客が列を作るのであった。
こうして徐々に気温の下がり秋が深まって行くのであった。
俺の料理を美味しい美味しいと食べてくれるアルス君に気を良くしてついつい張り切って料理を作りまくり、その年の秋から冬に掛けては新作のメニューが次々と発表されたのであった。
その料理はお忍びで高級レストランに訪れる国王陛下ご夫妻にも大好評で、より一層足繁く通ってくれるのであった。
■■■
さて国内はこの様に平穏であったのだが、嘗て我が国に攻めて来たローデッシュ王国がまた性懲りも無く大軍を率いて冬本番を前にした変な時期にその機動力を生かして国境に攻めて来たのであった。
ローデッシュ王国の軍勢は騎馬兵が主流の遊牧民族からなる多部族軍であり、前回もその機動力と戦闘能力で押され気味となった。
しかも質が悪いのはこれと言った指揮系統が存在しないのかなかなか指揮官を発見抹殺出来ずに戦いが長引いたのであった・・・。
その知らせはいち早く王宮に届けられて国王陛下の号令の元一斉に書く貴族と国軍に出陣の命が届くのであった。
斯く言う俺の所もオオサワ騎士団と魔法部隊の混成で500名構成で急遽出陣したのであった。
そして俺は久々にあの国境の砦に国王陛下より『総司令官』の任を任されて赴きローデッシュ王国軍に対峙したのであった。
まあアメーバみたいなつかみ所の無い奴らなので何れはまた出て来るだろうと思って居たがこうも短期間のインターバルでやってくるとは思いもしなかった。
暫くの間はに網愛が続き、その間に俺は魔法部隊に砦の城壁をより強固な物にするようにと改修を命じたのであった。
しかし、何故ローデッシュ王国軍はこの辺な時期に態々進軍して来たのだろうか?通常なら長期戦の事を考えて冬を避けるのが常識である。
なのでローデッシュ王国内で食糧不足等の不足の自体が起きたのでは無いかと勘ぐる俺であった。
仮にそう言う理由であれば的は単騎決戦を挑んでくる筈である・・・俺の読みは見事当たり、翌日~容赦の無い全力の総攻撃が始まったのであった。
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