第582話 ベビーラッシュ
穏やかな3年の月日が流れ可愛いアルス君は自然と身に付けた身体強化を駆使して活発に動き丸3歳児に育っていた。
「ジイジ、高い高いしゅるー」と、俺にフォース・フィールドの足場で高い高いをお強請りする様は思わず蕩けて仕舞いそうになって仕舞う。
舌っ足らずな所はあるが、言葉自体は殆ど理解している様で流石は我が孫と言ったところだろう。
実際、フォース・フィールドの足場はアルス君自身でも使える様になってしまっているので、敢えて俺にお強請りする必要がないのに俺に構って攻撃をして来るあたりは小さいのになかなかの策士である。
そんな3年の月日の間にユキちゃんがが妊娠出産して、外孫が1人増えて居る。彼方も男の子で、ゲイル君と名付けられた。
ゲイル君の誕生に俺とチェリーは勿論大はしゃぎしたが、ユキちゃんの婚家のご両親が侯爵家の跡取りが出来たと孫フィーバーで大喜びして居たのだった。
この世界では通常家督は男系男子に相続されて行く事が常であるので、その喜び様はひとしおである。
我が家の場合特に家名を継ぐとかには重きを置いていないのでそこら辺は緩く考えて居たのだが、敢えて言うのであれば我が商会等に所属する多くの家臣やスタッフの為に存続し続ける事が重要と考えて居る位である。
なので、出来れば男の子が良いのだろうが、我が家としては跡取りが女のでであっても問題では無い。
話はユキちゃんの事に戻るが、出産と同時に王宮魔法師団を休職して現在も尚休職中である。
当初退職しようとしたのだがその類い希な魔法の資質故に引き留められて『特別』に求職制度が設けられたのであった。
よって現在も産休中の様な扱いで非常勤の様な緩い状態で魔法師団に所属しているのである。
■■■
我が家も孫の可愛い姿を写真に収め様と前世で作った魔動カメラで何枚もベストショットを収めて居たが、ユキちゃんの婚家でもゲイル君の写真が大いに喜ばれたのは言うまでも無い。
そして俺はこれを機会に今世でも『魔動カメラ』の製産と販売を行う事としたのであった。
久々の新商品ではあるものの、最近では熟練工並に上達した工房のスタッフによって順調に製産されて行く魔動カメラ。
魔動カメラにはオプションで魔動ディスプレイがあってこれによって撮った画像を表示することが出来るのである。
魔動プリンタの販売はして居らず、記憶媒体を持参すれば、オオサワ商会の店舗にてプリント出来る様になっている。
こうして発売した魔動金良は爆発的に貴族連中に売れて行き、工房のスタッフがフル稼働状態となるのであった。
とは言ってもブラックにならない様な勤務態勢に気を配っているので安心して欲しい。
そして丁度第一王子が生まれたばかりの王家からもご注文を頂き魔動カメラを収めるのであった。
第一王子のご誕生に王国は喜びムードに溢れて居り、ご誕生から2年程の間貴族の間では何故かベビーラッシュが起きたのであった。
まあ理由は何となくすいそくがつくが・・・。
恐らく、次期王妃の座かご学友の座や取り巻きの座を子供に狙わせる為であろうと推察されるが、また禄でも無い取り巻きが侍ってきたら俺が一掃するしか無いのだろうと密かに思う俺であった。
そんなベビーラッシュもあって、更に魔動カメラの需要は増えて、台数こそ魔動電話に劣るもののかなりの一気に相当な台数が捌けたのであった。
別に我が家も狙った訳では無いが、ジュンペイの妻であるマリシアが第二子目を身籠もり、安定期に入るまで安静にしてしているのであった。
アルス君は徐々に習っていない魔法を自然と使う様になって、安全の為に魔法訓練場で使う様にジュンペイか俺か若しくは魔法部隊の者が持ち回りで付き添うようになったのだった。
こうして魔法訓練場で魔法をほんかくてきに使う様になってから益々アルス君は魔法の才能を伸ばして行くのであった。
◇◇◇
そして月日が流れ漸く臨月となってジュンペイの第二子目の女の子が元気な産声を上げ、その名をジュリーと名付けられた。
俺としては明子とか明るく育ちそうで良いとおもったのだが、ここは産みの親であるジュンペイとマリシアさんに名付けの権利がある為にグッと口を挟まずに堪えたのであった。
ジュリーは生まれた時から元気が良くってよく飲みよく泣く活発な赤ちゃんであった。
なのでマリシアさんが参って仕舞わない様に乳母を2人組で雇って万全の体制を組むのであった。
こうしてオオサワ家が更に賑やかになり俺もまた女児の誕生に持病のデレデレ孫馬鹿が再発し、親のジュンペイ達には過干渉は悪いと知りつつも、ちょいちょい遠慮がちにジュリーに構って仕舞うのであった。
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