第579話 重大なミス
それぞれがオリハルコン製の剣を手にして浮かれる子供達。
「お父様、このままダンジョンに潜りましょうよ!」とお誘いが入って本当に久々に親子3人でダンジョンに潜るのであった。
俺は殆ど手を出さずに2人が無双するのを温かく見守る。
新しい剣の斬れ味は最高の様でハイテンションのまま3時間の時が流れるのであった。
其処で俺はハッと気が付いた親子3人で最後にダンジョンに潜ったのはユキちゃんと一緒であった。
そう、おれは婚家に嫁いだ身とは言えユキちゃんの分の剣を作り忘れて居たのであった・・・。
3人でのダンジョンアタックを終えた後、俺はユキちゃんに電話してオリハルコンの剣の話をして謝り後日モンジャミン氏の工房に行く約束をしたのであった。
ほら、実際に使う者が行かないと身体にあったサイズの剣にならないからね。
そして俺は先にモンジャミン氏の工房に言ってもう1振り剣の発注をしたいとダダを捏ねたのであった。
今回も前回同様に申請から3ヵ月の期間を要してその間ユキちゃんに待って貰うのであった。
漸くバリント王国の王宮からの許可が下りてユキちゃんを連れてバリント王国のモンジャミン氏の工房へと訪れて入念にサイズは握りの太さを打ち合わせしてからユキちゃんは婚家へと帰って行くのであった。
こうして折角久し振りに会ってもアッと言う間に帰って仕舞うのが非常に悲しい俺であった。
え?剣を作る際に忘れておいてよく言うよ!って? それを言わないで欲しい・・・。
そんな訳でまた更に3ヵ月が経って漸くユキちゃんの剣が出来上がったのであった。
「お父様イヨイヨですわね。」と嬉し気に声を弾ませるユキちゃんと共にモンジャミン氏の工房へと赴くと、待ってましたとばかりにモンジャミン氏が笑顔で俺達を出迎えてくれたのであった。
出来上がったばかりの黄金に輝くオリハルコンの剣を受け取って裏庭で丸太の試し斬りをするユキちゃん。
結婚しても訓練を怠ってなかった様で剣筋も悪くなくサクっと丸太が斬れたのだった。
それを見たモンジャミン氏は「このお嬢ちゃんも凄腕なんじゃな。」と溜息交じりに感嘆の声を上げていたのであった。
ユキちゃんは普段は王宮魔法師団の為に剣はほぼ使わないのだが、毎朝30分程ではあるものの型の稽古をしたりして腕を維持しているらしい。
そんな訳で無事にユキちゃんにもオリハルコンの剣を渡せてこれで思い残す事は無くなったのであった。(別にだからと言って死なないけどね)
■■■
オリハルコン製の剣をてにいれてからのナツキちゃんとジュンペイは毎日の様にダンジョンに潜って居るが、そもそもジュンペイは結婚した身。
奥さんをほっぽり出しておいてはいけないと言う事でおれが注意をするぐらいに兄妹2人で日々一緒にダンジョンに潜っているのであった。
後で聞いたら、ジュンペイの奥さんはお目出度で、現在妊娠中で在る事を知ったのだった。
なのでストレス・フリーな生活を過ごして貰う様にジュンペイにダンジョン通いを少し控えてもっと奥さんとの時間を取る様に忠告したのであった。
そう言う意味では俺はオリハルコン製の剣を与える時期をミスったのかも知れない。
もう成人して数年経った大人な筈であるが、それでも在る面に於いては幼い所もあるジュンペイに拙い時期に拙い玩具を与えて仕舞った様である。
こうして俺は初孫フィーバータイムに人知れず突入するのであった。
そしてジュンペイは俺のちゅうこくを訊いてダンジョンを控え奥さんのマリシアに付き添い日々を大人しくすごすのであったが、マリシアの方が大人で理解力があり、
「貴方、無理して一緒に居なくても良いのよ?ダンジョンに行きたいのでしょ?」とジュンペイを送り出してしまったのであった。
ジュンペイもジュンペイで、これにホイホイと吊られてまた直ぐにナツキちゃんとダンジョン通いを再開してしまうのであった。
そして俺もそんな2人に吊られてダンジョンに潜る意思の弱い俺であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます