第580話 初孫の誕生と親離れ

3人で潜るダンジョンはそれなりに賑やかで楽しく時が経つのもアッと言う間であった。


そして8ヵ月の時が流れ、イヨイヨ待ちに待った初孫が誕生した!


勿論母子共に健康で可愛い声で産声を上げてくれたのであった。


マリシアはツイ彼こそ見えるものの直ぐに回復魔法を掛けた事で顔色も良い。

俺は若夫婦の邪魔をしない様に、ソッとその場を離れて初孫の誕生の喜びを噛み締めるのであった。


産まれた子供は男の子で、ジュンペイ達によってアルスと名付けられた。


初孫のr誕生を喜んだのは俺ばかりではなくチェリーも大はしゃぎしてジュンペイが産まれた頃を思い出して目を潤ませて見ていた。


あの小さかったジュンペイが大きく立派になって子供を授かるようになったとは感慨もひとしおである。



まあ、玩具(オリハルコンの剣)を手に入れて大はしゃぎする様な所もあるが、もう1人の子を持つ大人の男である。


こうしてオオサワ家は喜びに包まれたのであった。



ナツキちゃんも可愛い甥の誕生にメロメロになって、ダンジョン処ではなくなり、暫くは毎日マルス君の可愛い顔を眺めてはニヤニヤする日々が続くのであった。



基本、子育てするのは若夫婦の楽しみなので俺達外野はその邪魔をしない様にきを付けるのだがどうしても構いたくて手が出てしまって自省するのであった。



そんな中俺とナツキちゃんは家に居るとどうしても可愛いアルス君に構いたくなって仕舞うので、仕方無く2人で日中はダンジョンに潜る事にしたのであった。



ダンジョンの中でナツキちゃんが、


「私も早く赤ちゃん欲しくなっちゃう。」とポソリと呟き、こっちがドッキリとしてしまうのだった。



ただでさえ今でもナツキちゃに対する縁談の申込みは非常に多く断るのが大変な位である。


何故断って居るかと言うと政略結婚等の柵無くナツキちゃん自身に好きな人を見つけて欲しいからである。


「ナツキは好きな男の人とかはまだ居ないのかな?」と俺が恐る恐る尋ねてみると、まだそんな人も気になる人も居ないとの事でホッと胸を撫で下ろす俺であった。


そんな箸をして居ると話の腰を折る様に魔物が現れこの話は強制終了となったのであった。




ナツキちゃんと日々ダンジョンに潜り魔物を屠っていたが、王立学園の時の友達の家でパーティーがあるからと、ダンジョンはお休みとなる日が度々続き、ちょっとヤキモキする俺であった。


そしてそんな1人で潜る日々が増えてしまうのであった。


そんなムシャクシャをぶつける様に俺はダンジョンでそのイライラを魔物にぶつけるのであった。


まだまだ子供のままで居て欲しいのに。

つまり、嘗てのユキちゃんがそうであった様に遅まきながらナツキちゃんにもお歳頃がやって来たと言う事だろう・・・。


有る意味自然と親離れが出来た方が健全と言えるのかもしれないが父親としては複雑な心境である。



そして俺は1人胸を締め付けられる思いでダンジョンに潜るのであった。




アルス君は順調に育って居り、産まれて早3ヵ月の時が経っていた。


ソロソロ目も見え始めたのか目で人を判別している様である。


俺も時々忘れられない様に控え目に顔を見せては抱かせて貰っている。


その甲斐あってか、今の所抱いても泣かれる事は無い。



■■■


1人でダンジョンに潜る様になってから経験値の入りが良くなったのか、それとも適正階層に入ったのか、漸く久々にレベルアップを果たした。


そして俺のステータスは下記の様になったのだった。

*************************************************


名前:トージ・フォン・オオサワ

レベル:20

HP:220/220

MP:1495/1575

力:300

知能:1126

器用:1126

俊敏:1126

運:20

スキル:魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 気配察知 剣術 投擲 魔力超回復 (偽装) 錬金 料理

    気配察知

加護:(創造神ロキシーの加護)


*************************************************

漸く念願のレベル2桁台である。


地味に積み上がってHPが増えたのも嬉しいし頼もしい。

これで簡単に死ぬような事は無いだろう。

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