第577話 新国王との関係

国王陛下が崩御した(暗殺された)後再び国葬がしめやかに行われ王都民は何事も無かったかの様に新国王(元クラウツベルグ公爵)が国王となられた事を喜んだ。


それは取り分け前国王陛下が如何に民衆に慕われて無かったのかを示す様であった。


これには現国王陛下の就任と同時にゲート網が復旧し、税率が元に戻ったのも大きいだろう。



新しい国王陛下には変な取り巻きも無く下手な甘言に惑わされる事は無い。始めからこの第二王子を王太子に指名して置いてくれれば、俺も国民も無駄に辛い思いをしなくて済んだのにな。

嘗ての国王陛下は過去の前世の中で比べても賢王であったが、事後継者氏名の判断に於いてはダメダメだったと言わざるを得ない。そ思いつつ今回の騒動を振り返るおれであった。



話は変わるが、そんなドサクサに紛れて仕舞う形で俺の作ったゲート網の停止の一件も前国王の嘘臭い殺害現場を誰も怪しむ者も居らず、幸運な事に俺の事は皆の眼中からは慣れて居るのであった。


そして俺は平穏な毎日を取り戻したのであった。


新しい国王陛下は亡き父親である前国王陛下と同様に温厚で賢く、そして、俺の所の飯を気に入ってくれた様で原職復帰した宰相閣下と共にミノ亭や高級レストランの方にも足を運ぶ用になったのであった。



そんな国王陛下と新たな友好と信頼を築くべく俺は来店される際には例えダンジョンに潜って居ても出来る限り店に顔を出して対応する様にしたのであった。


その結果、新国王へいかとも非常に気さくに話せる様な関係を築けたのであった。




さて普段の俺はと言うと、表面上は焦臭い匂いが消えた事で気兼ね無くソロでダンジョンに潜って居る。


尤も固定ゲートを止めた事による損失は民間の細部に渡って莫大な影響と被害を出しており、その影響を受けた貴族連中からも相当の恨みを買って居る様ではあるが、引き続き諜報部門には念入りに情報収集をお願いして居るのであった。


そんな感じでダンジョン攻略は順調に進み現在第32階層まで到達している。


32階層は鬱陶しいゾンビやレイス、スケルトン等の死霊系が出て来るので魔石以外が得る物が無いのだ。

特にゾンビは最悪で、腐った身体の中に在る魔石なんか弄りたくもない・・・どうせ大した金額人もならないのだから放置がメインである。



最深階層を大幅に延長したのもあって、漸く俺の冒険者ランクもAランクからSランクにアップしたのであった。


新たに新調された金色に輝くオリハルコン製の冒険者カードはカッコ良くて俺の中二心を擽ってくれる。


さてレベルの方であるが、ダンジョンでチマチマと魔物を倒して居るのだが一向に上がるけはいはない。


不謹慎ではあるが、戦やスタンピードの様な大量虐殺の場面でないとサクサク効率良く上がってくれない物のようである。


こっちとしては早くレベルアップしたいのだけれど、もうちょっと下の階層で格上の魔物を相手にしないと駄目なのかも知れない。


スタンピードと言えばこの国にはダンジョンが幾つか在って前世の様にスタンピードの連鎖なんて事は歴史的に見ても起きない様なので、安心して良いらしい。



但し、ここ王都のダンジョンに関してで言えばスタンピードの周期は結構短く、毎回50年位のペースで起きて居るらしい。


ただこれも大凡の周期で早まったり逆に遅かったりする事も在るので当てにならない。


そして、毎回王都に大きな被害を及ぼして居るらしいのだった。


だが今の所俺が最深階層記録を更新して間引きをしているので次回のスタンピードは多少被害も少ないかも知れない。


この世界でダンジョンの最下層まで制覇した者の例は無くそれ故にダンジョンを最下層まで制覇したらスタンピードが起きなくなるのかの保証は無い。


なのでその前例となるべく、Sランクとなった俺は領主の仕事はソコソコにダンジョンアタック精を出すのであった。


決して領主の仕事をサボって居る訳では無い。最近ではジュンペイがその殆どを成り代わってやってくれるまでに成長したので、彼の為にも任せているのである。



■■■


そんなジュンペイも良い頃合いとなったのでバリントン侯爵家と話し合った結果、婚約者のマリシア嬢と正式に結婚の儀を執り行う事となったのであった。



そして教会で結婚の儀を執り行った後、盛大な披露宴を行ってマリシア嬢は正式に我が家の一員となったのであった。


これを機会にに代替わりこそしないものの、領主の仕事の約80%をジュンペイに押しつけ・・・お気楽な身分となるのであった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る