第569話 後処理をし忘れる
ローデッシュ王国との大戦が終わって4ヵ月が経った頃、我が国の王宮にタキオン王国からヘルプコールが再び入る。
また性懲りもなくローデッシュ王国が出兵して来たのかと思ったら、何と先の大戦のローデッシュ王国軍兵の亡骸をマトモに処理しなかった所為でゾンビやレイスにスケルトンと言った類いの成れの果ての魔物が大量に発生してしまい、タキオン王国軍だけでは処理仕切れなくなってしまったと言う事であった。
「ああ、そう言われて見れば死体の後処理して無かったな。」とそれを聞いて呟く俺。あの時は一刻も早くケリを付ける事のみ考えて居て誰もあの数万単位の軍勢の死体の後処理なんて思いも就かなかったのであった。
人は誰しも面倒な事には首を突っ込み宅無い物である。俺も今回は知らぬ振りを決め込もうと思って居たのだが、王宮皮はそうはいかぬとばかりに俺を名指しで呼び出して、
「オオサワ卿よ、大変ごくろうじゃが、魔法や戦闘力に関して我が国随一の卿の所の配下と共にご苦労じゃが後処理に協力して貰えんだろうか?」と低姿勢に国王陛下にお伺いを立てられてしまい断り切れずに了承したのであった。
尚、今回の作戦は俺達だけで無く王宮魔法師団やタキオン王国軍との連携となる。
そんな訳で折角家族の元でユックリしていた俺達はまたタキオン王国へと逆戻りとなってしまったのだった。
今回は戦争では無く割と安全な魔物化した屍の処理であるので先の50名の魔法組より増員して100名の大所帯での参加としたのであった。
現地は
俺達は風魔法の気密シールドを張って匂いを遮断しつつ浄化をしたり或いは焼き払ったりと大活躍を果たすのであった。
まあ俺達魔法組はまだマシな方で一番悲惨だったのは各国の一般兵などで未処理の屍を言っていの場所に移動して小山状に山積みにして魔法組に焼却して貰う為に蛆の湧く半ば腐敗した屍に直接触れねばならず虎梅物になりそうな惨さであった。
こうしてこの悲惨な現場での作業は数日なんかで終わる訳も無く3週間もこの臭い現場に足繁く通う羽目にあうのであった。
ここでの作業の悲惨なのは、1日作業をすると鼻に屍の腐敗臭が染み付き食欲が丸っきり湧かなく鳴る事である。
なので、昼飯休みの前と仕事上がりの両方で作業に携わった全員にクリーンを掛けてやって身体に染み付いた匂いを払拭してやってから、食事に就かせたり宿舎に戻らせたりして居た為に、兵士達からは大変感謝されたのであった。
尤もこれは半分以上自分らの為にやった様な物で、1人でも匂いの取れてない奴が混じって仕舞うと台無しになってしまって意味がないからである。
せめて食事くらい真っ当な美味しい匂いを嗅ぎながら食べたいと言う事からの行動であった。
こうして地獄の様な3週間が過ぎて漸く俺達が派手に殲滅して置き去りに放置していた亡骸も魔物化した物も全て丸っと浄化出来たのであった。
やっとこれで解放されて自国に戻れると思って居たのだが、前回のユキちゃん達がタキオン王国の王都で戦勝記念のパレードに引っ張り出された様に今回魑魅魍魎掃討作戦に参加した俺達も慰労の式典を開くとかで、拒否権も無くドナドナされるのであった。
まあ尤も作戦参加の人数が多い為に利っしょk受け意識の祝賀パーティーとなるらしいので片隅で人知れず時間を潰す事にしてタキオン王国の王都へと移動したのであった。
■■■
片隅で目立たぬ様にヒッソリとして居るつもりだったのだが、何故か戦法の国王陛下には俺の素性がバレて居り、固定式ゲートの件から全てのお礼を改めて言われるのであった。
こうして素直に感謝の気持ちを述べられると悪い気はしないのだがむず痒い・・・なんて思って居ると、徐に国王陛下から相談を持ちかけられたのであった。
今回の一件でゲート網の有用性が骨身に浸みたタキオン王国の王宮としては、我が国同様に自国にもゲート網で繋げたいのだそうで・・・。
なる程、先程のお礼はここに反しを持って来るための呼び水であったのか!?とすこしガックリするのであった。
とは言え、まあゲート網を設置するのが嫌な訳でも無く、魔法組の連中だけで上手く廻せる事なので我が国の王宮経由で許可を貰った上で承る事にしたのであった。
一応、同盟国と言えど、軍事利用可能な魔動具なので念には念を入れた形になる。
こうして、この場での独断での回答は避けて後日我が国の王宮のからGOサインが出て改めてタキオン王国へと魔法組と出向きゲート網の打ち合わせを行うのであった。
タキオン王国のゲート網は我が国のそれより繋ぐ都市数が多く、俺も参加して手伝いつつ数ヶ月掛かりで設置して廻るのであった。
尤も嘗てあった様に設置しに言った先の貴族と揉めて・・・なんて事は無くて終始円滑に設置出来たのは先の大戦でのゲート網の有用性の実証があったからかもしれない。
俺だけでなく子供らが廻ったさきでもスムーズに設置できて居たのでお国柄か、若しくは王宮からの事前の根回しが良く利いて居たのかも知れない。
さてこのタキオン王国のゲート網であるがタキオン王国の通貨での支払いとなってしまい一気に大量の使いもしないタキオン通貨が家にはいってしまって両替に一苦労するのであった。
しょうがないので、醤油や味噌を作る原材料となる大豆をタキオン王国内で仕入れたりして通貨をタキオン王国内で流通させたりと、辺に気を遣う事になったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます