第568話 振り出しに戻る

暫く大人しくなったローデッシュ王国陣営であるがまだまだ全滅にはほど遠くヤル気だけは残って居る様であった。


士気を下げるまでに至らなかったのは残念であるが、先程の攻撃でかなりの損害を与えた事は事実。


このまま押せ押せ!で行けば良いのでは無いかと言う気もするが、敵はそんな攻撃を回避する為か密集隊形を解除してしまい、適度に分散してしまったのだった。


これでは先の様に効果的に重攻撃魔法を使って掃討する事が出来ない。


この戦いは長引きそうな気がする俺であった・・・。




しょうがないので夜中に無作為なポイントに出て極光のレーザーサーベルで不意打ちを掛けてなぎ払うを数回繰り返し、夜襲で落ち着いて寝られない様に仕向ける俺。


それを1週間以上続けた頃には敵の動きに見る見る精細さが欠け明らかに疲れが垣間見えるのであった。



開戦当初3万を越えた敵陣営の軍勢だが、俺達がチクチクと削った結果いまでは、1万5000位までに減って居る。


ここまで削られても尚降伏も撤退もしないのは愚かに思えるのだが全滅をご所望ならば致し方無い。


俺達助っ人軍勢は今日も敵兵を削りまくるのであった。


敵兵を半減させて喜んでいた我が方であったが、ある日にローデッシュ王国軍の増援軍2万程が届いてしまい、また振り出しに戻ってしまったのだった。


少しは士気が低下して居た手器具が行きを吹き返し逆にこちら側は士気が下がり気落ちしてしまった感じさえある。


そんな我が軍を盛り返す為に日々夜中に極光のレーザーサーベルで削ったり、敵の兵站を叩く為に調べさせたりと細々動くのであった。


漸く敵の兵站部隊を見つけたとの報告を受けて王宮魔法師団と連携し、陽動の夜襲を掛けて、その直後にその物資を全て頂いたのであった。


この兵站を狙った作戦は思った以上に効果を発揮し、日を追う毎に敵軍から生気が抜けて行き、その攻撃の頻度もガッタリと落ちるのであった。


更に追い打ちを掛ける様に夜中に先日のミストバーンよりさらに規模の大きな広範囲攻撃を仕掛けて夜空を焦がし、敵兵を戦慄させたのであった。


その結果、またもレベルが望まぬ形でアップしてしまい苦笑いするのであった。


そして俺のステータスは下記の様になったのだった。

*************************************************


名前:トージ・フォン・オオサワ

レベル:19

HP:210/210

MP:1125/1565

力:290

知能:1116

器用:1116

俊敏:1116

運:20

スキル:魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 気配察知 剣術 投擲 魔力超回復 (偽装) 錬金 料理

    気配察知

加護:(創造神ロキシーの加護)


*************************************************


このままこの戦場で殺戮を続けて居るとレベルだけは上がりそうであるが、そんな上がり方は嬉しく無いのである。



そしてミストバーンによる攻撃の翌日の朝・・・つまり兵站を奪取して6日目に漸く諦めたローデッシュ王国全軍が殿を残して退却して行くのであった。


そして俺達はその殿を一掃した後、本隊を追って敗走するローデッシュ王国の先回りをしてゲートを使って大部隊を送り込んで、ここで2万近い本隊に壊滅的な損害を与え勝利したのであった。



これにて、3ヵ月の長きに渡ったローデッシュ王国との戦争は決着が付いてホッと一息付いて我がオオサワ組は全員無事に母国に戻るのであった。


勿論ユキちゃんも無事であるが、彼らは王国軍と一緒にタキオン王国の王都に凱旋せねばならずに帰りは別々である。


こうして俺は一先ず先に我が国の王宮に戦勝の報告を入れて子供らや騎士団と無事に邸宅に戻るのであった。



邸宅に戻った俺達は翌日慰労を兼ねたお疲れ様会を開いて参戦した全員の労を労うのであった。



そして久々に家族とユックリ至福の時を過ごすのであった。



ローデッシュ王国との大戦から1ヵ月が過ぎた頃、王宮から呼び出しを受けて、改めて戦争の報奨金を頂いたのであった。


本来斟酌戦争の功績であれば占領した国の領土を貰ったりするのだろうけど、今回は防衛戦・・・しかも同盟国の戦である。得られる物は大義名分による名誉だけ。


我が国は何も特になる物はなかった為に、この報奨金でさえも赤字だろう。俺もこれを頂いても特に黒字にはならなかったけれど、ありがたく気持ちを頂くのであった。



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