第563話 新たなる家族と新たなる部門
トージレストランが初っ端から軌道に乗って大成功を収めているが、これも一重に国王陛下がご贔屓にしてくれるお陰でもある。
俺の作った丼物に填まったよで、親子丼(卵のみウーコッコー)やうな丼等に嵌まってくれたお陰でちょくちょくお忍びで訪れる陛下目当てか貴族の予約も多く、高収益を叩き出して居る。
まあアンテナショップよりも高級食材を使って居るとは言え、そこは本来それ程アンテナショップと本来変わらないので、『高級』と言うフレーズだけで暴利を貪っているのである。
まあ、トージ飯との棲み分けと言う事でそこは許して貰うしかない・・・。
さてそんな穏やかな1年半が過ぎて、夏の暑い盛りに我が家に新たな女の子の家族が増えた。そう第三子の夏喜(ナツキ)ちゃんの誕生である。
大雪の日に生まれたユキちゃん同様に夏の暑い日に生まれて喜んだ事でナツキと安直に名付けたのだが俺が名付けたにしては可愛い名前だと思う。
ユキちゃんが親離れしてしまってちょっと寂しかった俺達夫婦と妹が出来たジュンペイは大喜びである。
それにナツキちゃん効果で王宮魔法師団の寮に入っていたユキちゃんもゲートでちょくちょく顔を見せてくれる様になって嬉しい限りである。
そうそう、ユキちゃんのゲートと言えば現在王宮魔法師団で唯一ゲートが使えるユキちゃんに王宮師団全員にゲートの指導を!と言う命がでているらしい。
俺から教わった時の様に説明してイメージを伝授して衣類らしいのだがなかなか誰も成功せずに困って居るとゆきちゃんが俺に相談して来たのであった。
そこで特別に俺が出張って特別講習会を開く事にしてやると喜んで帰って行ったのであった。
こうして俺が2ヵ月間特別講師として王宮魔法師団に通ってゲートと『時空間庫』を魔法師団員に教えたのであった。
部外者・・・それも侯爵の当主が講師と言う事で当初はぎごちなかった物の徐々にではあるが気さくに接してワーフト赤まりを取り除いてフランクな感じにしたのであった。
成長速度に個人差はあったものの、教え始めて2ヵ月が過ぎる頃には全員が時空属性の魔法のイメージを理解して無事にゲートも『時空間庫』も発動出来る様になったのだった。
尚ウィングスーツによる滑空はユキちゃんから言われなかったので教えて居ない。これを教えるとなれば、重力制御魔法や魔装も含むので多分半年がかりになっただろう。
余計な事を言わずに良い形で特別講習を終えたので良しとしよう・・・。
そして特別好手が終わった頃には魔法師団長を始め宰相閣下にまでお礼を言われたのであった。
これが終わって特に引き続き何かをするように強制される事も無く無事に離脱する事に成功したのであった。
■■■
さて人数の増えた我がオオサワ商会であるが、まだ一つ足り無い部門がある。そう、前世ではハートリさんにお願いしていた諜報部門である。今のところ我が国は安定しており不要に思えるが必要になってから組織を構築していたのでは間に合わない。
よって、平時の今こそその構築に動き出すべき時だろう。
子供らでも多少の隠密行動は隠密セットで出来るがここはその道のプロを組織事引き抜いた方が早いだろう。
と言う事で、王都にある情報ギルド(正規の表ギルドでは無い)へ秘密裏に接触し色々交渉した結果オオサワ商会の資金力と名前を隠れ蓑とすることでより相手の懐に潜入し易くなると言うメリットもあって、無事にオオサワ商会の傘下へと編入し諜報部門を設立する事に成功したのであった。
諜報部門の長は情報ギルドのギルドマスターであった50代のマーコスさんにそのままお願いする形でオオサワ商会の諜報部門を纏めて貰う事にしたのであった。
とは言え、特に現状中を調べると言う事は無いのだが不穏な動きが無い様に常時網を張る事にしたのであった。
これで万が一の際でも早々に情報が入って来て最悪の事態は避ける事が出来るだろう・・・。
そんな訳で1つ愁いが無くなってスッキリとした俺は、ナツキちゃんをあやしたり、ジュンペイの魔法の手解きや剣術の稽古を付けたりといそがしくしつつ、偶にダンジョンに潜る日々を過ごして居るのであった。
マーコスさんの待ってくる情報は、不穏な情報だけに留まらず、作物の不作や値上がりの予測等多岐に渡り商会を運営する我が家に執って非常に有益な物となっている。
しかも俺に取って必要な情報のみに取捨選択した後の物を教えてくれるので非常に判り易いのだ。
まあ中には知って置いてそんはない情報もあったかもしれないが、余り情報量が多過ぎてもかえって頭がパンクしてしまうので、非常に助かるのだ。
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