第562話 新たなるメニュー

シフト制でローテーションしながら満遍なく子供等と一緒にダンジョン攻略をしながら序でにパワーレベリングを行い子供等の防衛力を上げていく。


現在子供等の魔法は嘗ての魔法部隊と同等に近いがレベルの面では追い付いていないのが不安要素であったからである。


と言うのも先日のマブリン王国との小競り合いもあっていつまでも王国の平穏が続くとは限らないと思ったからである。


現在我が家に騎士は居らず、領地も無いので領軍も居ない。


なので守ってやる事も出来ないので一人一人の地力を上げて自己防衛をして貰おうと考えた訳である。



願わくば、嘗ての魔法部隊くらいの実力まで育って欲しい・・・と密かに思っていたのであった。



半年が過ぎた頃になると子供等だけでパーティーを組んで危なげ無くオーガの群れを倒せる程にまでに成長していて、安心して任せられる様になっていた。


そして俺はソロでダンジョンの階層を奥へと進めるのであった。

第33階層になると、巨大な鶏の魔物が現れてその鋭い嘴で攻撃を仕掛けて来る。


鑑定EXで確認して見ると、

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【ヒュージ・コッコー】:進化して巨大化したウーコッコーの亜種

レベル:22

スキル:咆哮 突嘴 

強靱な咆哮で超音波を発して相手の三半規管等にだめーじを与え、突嘴で仕留めるので注意が必要。

備考:肉は非常に美味い。


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と出て居た。


肉が美味いのは最高である。そう言えば、久々に焼き鳥が食いたくなって来たぞ。


兎に角超音波対策で、風魔法の無音シールドを強化して魔弾で仕留めようとするも器用な事に嘴による突嘴で魔弾を弾かれて仕舞ってダメージを与えられなかった。


俺は突嘴を躱しつつ接近して懐に潜り込んで、高周波ブレード化した黄金丸でその首を刎ねて倒したのであった。折角倒した美味しい肉なので丁寧に血抜きをして回収し、その日は早めに帰途について冒険者ギルドで解体して貰ったのであった。



冒険者ギルドで解体して貰った鶏肉をホクホクしながら持ち帰って手頃なサイズに切り分けて、子供らにも御手伝って貰い串を打って焼き鳥の準備を始める俺。予め容易して置いた焼き鳥のタレ壺を小脇に置いて魔動コンロに火を入れて、タレに沈めた焼き鳥の串を魔動コンロに並べて行く。

10分もせずにタレの焦げる甘く香ばしい匂いと肉の焼ける匂いが魔動コンロから立ち上って来る。

そして、もう一度串をタレ壺に漬けて再度焼き上げる。 この頃には、家の者はみんな庭に集まっていて、コンロをもう一つ出して、手分けしてバンバン焼き始めるのであった。


焼き鳥は家族にも子供らにも大好評で、もっとヒュージ・コッコーを狩ろうと言う事で意見が一致するのであった。


なので翌日からは俺が付き添って第33階層でヒュージ・コッコーの狩り方を伝授する為に時間を費やすのであった。



当初は危なっかしい場面もあった物のメキメキと慣れて行ってアッと言う間に危なげ無くヒュージ・コッコーを狩れる様になったのは流石は家の子供らと行ったところだろう。


尤も格上のヒュージ・コッコーを討伐する事によって多大な経験値が入り子供らのレベルが大きく上がったのは僥倖であった。



そして安泰してヒュージ・コッコーを狩れる様になった所で、焼き鳥丼をアンテナショップで出した所、大好評で行列が出来る程になるのであった。



それから暫くすると、王宮と言うより国王陛下から直に電話が掛かって、流石に庶民向けのアンテナショップに食べに行くのは憚られるので、王宮に焼き鳥丼をデリバリーしてくれないか?と言う懇願が在って思わず笑いそうになるのを必死で堪え了承したのであった。


俺が電話から程無く王宮に訪れると何時もよりスムーズにニコニコ顔の国王陛下の待つ食堂へと通されたのだった。


暫くすると慌ててやって来る宰相閣下が末席に着いて、まだ焼き鳥丼が出て無い事を確認してホッとしていたのであった。


どうやら2人共相当に焼き鳥丼が食べたい様子である。


ここまで来て焦らすのも可哀想なので直ぐにマジックバックから、熱々の湯気の立つ焼き鳥丼を2杯取り出して2人の前に配膳するのであった。


これは本来王宮においては異例な事で何の毒味役も介さずに直接湯気の立つ物を国王陛下が口にする等とあり得ない事なのだが、ミノ亭で散々お食べになって居るから今更なのかも知れない。


「さあ、どうぞ。お熱いのでご注意下さい。」と注意を促しつつ『待て』状態から解き放ったのであった。



お二人共に甘辛いタレ焼きにされたヒュージ・コッコーの肉に絡んだ白米とのコンビネーションが大層気に入った様子でお替わりを後消耗だったので、

「丼物が置きに召したのであれば、是非ともオークカツ丼を一度お試しされた方が宜しいかも。」と行って、アンテナショップの定番メニューとなっているオークカツ丼を2杯目の前に出して差し上げると、


これまたハフハフと嬉しそうに完食したのであった。


余りにも2人が美味しそうに食べたので少し可哀想になってアンテナショップトージ飯の高級版トージレストランを開く事にしたのだった。


これに真っ先に大喜びしたのは国王陛下で、直電を駆けて来てオープンの日時を問い合わせて来る程であった。



こうして今世の王宮とは良い距離感を築きつつ特に無茶を言われる事も無く過ごして行くのであった。

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