第554話 魔動電話のプレゼンと誕生
魔動電話の製産を始めて魔動電話のストック分が十分に揃った頃、俺は魔動電話を持って応急に赴き、宰相閣下にお目通りおを申し出た。
そう、十分に作り置き出来て居る魔動電話のプレゼンを行おうと言うのである。
「これはオオサワ卿、本日は何用で?」と執務室で尋ねて来る宰相閣下。
「お忙しい所をお時間を割いて頂き誠にありがとうございます。本日は是非ともご覧頂きたい物を持参してございます。」と言って懐から2代の魔動電話を取りだしようとや使い方を一通り説明する俺。
そうして、実用例ちとして、先日既に手渡してあるフォーセント辺境伯に電話を掛けてみせる俺。
リアルタイムにフォーセント辺境伯と通話出来た事を大変驚きつつ、直ぐにその有用性に気付いた宰相閣下によって話は一気に加速する。
そう、我が国はゴーダ帝国だけに接して居る訳では無く他にもヤバイ国はあるのである。
魔動電話があれば敵国の新緑の第一報が従来の早馬なんかに頼らなくともより安全に素早く確実に行えるのである。
と言う事で、1台当たり一億シリーと言う高額にも拘わらず在庫分は一気に王宮に収める事となりそれ以降の分もバックオーダーとして抑えられる事となったのであった。
最後に
「マジックバックと言い今回の魔動電話と言い、オオサワ卿には本当に脅かされるのぉ。」と言いながら俺の事を見送ってくれたのであった。
結局今回の大戦でマジックバックによる兵站の輸送の有用性も明らかになった為マジックバックも一緒にご注文となり、プレゼンは思った以上の成果を収め大成功となったのだった。
こうして大量のバックオーダーを抱えた俺は毎日工房に通って子供等に混じって精力的に魔動電話の製作を指揮するのであった。
バックオーダー分も全部納品出来た頃にはチェリーが臨月となってイヨイヨ何時産気付いてもおかしく無い頃合いとなった。
そしてここ王都では珍しく大雪の降った日の午後、チェリーの陣痛が始まったのであった。
連絡を受けた俺は直ぐにやや指揮にも度って産婆の手配をしつつ、分娩室の準備を冷静に指示する。
だが大雪の為に産婆の到着はやや遅れてしまってヤキモキする一面があったものの1時間位でなんとか到着したのであった。
産婆のオバサンが分娩室に入ってから5時間が経った頃ドア越しに聞こえるチェリーの苦痛な声が日地際大きくなった後バタバタと忙しそうな気配となってその暫く後、オギャーと言う可愛い泣き声が聞こえたのであった。
どうやら無事に生まれたらしい。分娩室のなかでは相変わらずバタバタして居る。
俺は早めに回復魔法を掛けてやろうと、半ば強引に分娩室に入ってグッタリしながらも嬉し気に赤ん坊を抱いてるチェリーと赤ん坊の両名にクリーンと回復魔法を掛けてやるのであった。
「おめでとうございます。女の子のご誕生です。」と行って来る産婆のオバサンにお礼を言って労を労う俺。
そしてチェリーに
「よく無事に元気な子を産んでくれた。ありがとう。チェリーに似て美人さんになりそうだな。」と小さい我が子を腕に抱きながら顔を覗き込むのであった。
さて名前は何にしよう? チェリーの娘か・・・ケンジの所に生まれた孫と被るけどサクラは悪く無いな。と思いつつつも前世で別人に使ったな名前は可哀想な気がして大雪の日に生まれたと言う事もあって日本語のユキから取ってユキと名付ける事に落ち着いたのであった。
因みにこの世界の言語で雪のことは待った別の言葉となるのでこの世界でユキを雪と理解出来るのは俺くらいの物だろう。
そして名前も無事に決まった事でホッと一息付いた俺はチェリーが休める様にと乳母の手配をスタッフにお願いするのであった。
当初心配していたのだが、産後の肥立ちも良くチェリーは1ヵ月位で本来同様に動き廻れる様になったのであった。
母乳の出も良くユキが大人しい事もあって乳母も雇ったものの必要無かったかも知れないと言われる程であったが、ユキが大人しかったのは生後2ヵ月くらいまでで、3ヵ月になる頃には、夜泣きも凄く飲みっぷりも良くなりかなり激しくなったのだった。
それに伴って廻りの大人は振り回されて3人の交代制にして子守やなんかの面倒を見る様にしていたが割と振り回されて仕舞うのであった。
こうして1年が経った頃には片言の言葉を話し自分の足でヨチヨチ歩ける様になったユキが可愛く、「とーたん」と俺の事を呼んでくれてデレデレになるのであった。
ユキはサチちゃんと同じく魔法の才能が在るらしく、教えも無いクリーンを自分で掛ける事で、生後6ヵ月くらいからは非常にに手が掛からなくなったのだった。
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