第553話 バレた所業とその後のゴーダ帝国等

ゴーダ帝国の崩壊の全容が明らかになるにつれてその爆散した皇城の在り方から必然的に俺との結び付きを示唆する見方が強くなり、俺は再度王宮に呼ばれ、宰相閣下に洗い浚い所業の全容を吐かせられたのであった。


そしてバレてしまった事で身も心も身軽になりたいと思った俺は『時空間庫』に仕舞ったまなになっているゴーダ帝国の皇城から奪取した宝物庫の財宝や武器庫の武器類等の品々を我が国に献上する事にしたのであった。


これには戦費の負債が王国の財政を圧迫して居た為減ると宰相閣下も大喜びしていたが、保管場所に困るほどの量に驚いて居たのであった。


そうなると俺の残した戦果に対する褒賞が釣り合わないとして、再度俺の爵位が急遽見直される事になってしまったのだった。


そしてその結果、男爵になって僅か数ヶ月もしない内に子爵位を叙爵したのであった。



今回も一番喜んでくれたのは子供等とチェリー嬢で、無邪気に祝ってくれたのであった。


ただ一つ困ったのは爵位も上がり成人した事もあって、フォーセント辺境伯から当初来年位を想定していた具体的な結婚の儀の日程の日程を前倒しにしようと迫らされた事であった。


フォーセント辺境伯曰く、これで先に結婚の儀を執り行っておけば避けな貴族連中からの縁談攻勢やその他を防止出来ると言う理由であった。


なる程、それは一理あるなと納得して子爵位を授かって半年もしない内にチェリー嬢と正式に結婚し夫婦となったのであった。


アインランド王国の結婚の儀は教会でロキシー様の像に夫婦になる者が誓いを立てて祈りを捧げる形で正式な夫婦となる。


そしておその際俺だけ神界に呼ばれて、

「トージよ、思ったよりも早い結婚であったな。末永く幸せに暮らすが良いぞ。」とロキシー様に祝福を受けて下界に戻されたのであった。


結婚の儀の後には貴族を呼んでの披露宴を子爵位の品格に沿って執り行って皆様にお披露目をするのである。



この際に俺と子供等総出で作ったトージ飯やスィーツが大好評となって、アンテナショップとスィーツショップを開く事になるのだが、それはもう少し先の話である。




■■■



結婚して数ヶ月が経つ頃には漸く俺がぶっ潰したゴーダ帝国のその後の話がポツポツ入って来たが、それは悲惨の一語に尽きた。


前皇帝の血筋はおれの攻撃によって死に絶えて、前皇帝の弟である公爵が皇帝に即位したものの、それを是としない貴族の勢力争いが国内で勃発し、帝国内は内乱の真っ只中らしい。


しかも誰の所為だか幾ら皇城の跡地を捜索しても国庫のお金が全く発見されず国を多々治そうにも資金も無い状態らしい。


そうそれは俺が奪取して、既に我が国の増築した国庫におさめられているので幾ら探そうとももう無いお金である。あの時怒りに任せて攻撃優先せず冷静に回収した俺、ナイス!である。



そんな訳でこの大陸でも強力な国として有名だったゴーダ帝国はその地位を脱落させて復活の目処すらたっていないのであった。正にザマァ~である。



さて、スタッフである子供等の人数も良い感じに増えて行き、漸く貴族連中からの圧の凄かったアンテナショップとスィーツショップを王都に出せる様になった。



本当は焼肉屋のミノ亭も出したいのだが今だミノタウロスに王都ダンジョンでであって無いので当面は焼肉屋はお預けである。まあオーク肉で豚系の焼肉屋と言う手もあるがここは正統派のミノタウロスの肉で行きたい。


そして庶民派アンテナショップである『トージ飯』がオープンしたら、庶民だけで無く何故か場違いな貴族共も来店する様になって人気を博するのであった。


尤もスィーツショップの方は材料が材料の為に単価が高過ぎて貴族オンリーと鳴ってしまっているがそれでも毎日満員御礼売り切れ御免状態である。




この頃になると、目敏い貴族らが自分の娘を側室や第二夫人へと話を持って来始めて、先に結婚の儀をして置いて正解だったと思いながら、その全てを断るのであった。



結婚して1年が経つ頃になると、チェリーが懐妊した。


一応、身体は同年代なので、合法の筈である。この頃になると、チェリーに対して好きとか愛と言うよりも家族としての情とが湧いてきており、普通に愛おしいと思って日々接している。


さて今度は男女何方が産まれるか、日々お腹に向かって話し掛けては楽しみにしている。




義父であるフォーセント辺境伯に孫が生まれた時の第一報を入れてやれる様にと考えた俺は、錬金術工房の担当スタッフの子供等もかなり手慣れて来た事もあるり、ここらで今世でも魔動電話の製造を始める事とした。


まずは試作品を10台程作って、フォーセント辺境伯領にゲートで移動して、前触れも無く突然やって来た俺に驚く義父に魔動電話を1台に手渡して使い方を伝授してから王都の邸宅までトンボ返りをしたのであった。


え?ゲートが使える事を知られて良いのかって? まあ今となっては義理とは言え家族だし、悪い様にはしないだろうと言う信用の元にそう言う魔法の能力があることも今回序でにカミングアウトしたのであった。


そしてて、数分もせずにチェリーに渡した魔動電話にフォーセント辺境伯からの電話が掛かって来たのであった。





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