第552話 論功行賞
俺が王都に戻ってから1ヵ月が経つ頃、今回戦った国軍が王都に戻って来て更にフォーセント辺境伯や兄上を含む今回参戦した寄子の貴族の当主等が王宮に集まった。
そうである論功行賞を行おうと言う事であった。
斯く言う俺も兄上経由で呼び出しを食らっており、王宮の謁見の間へと赴いたのであった。
初めて入る謁見の間。そして初めてご尊顔を拝する見る国王陛下とに緊張しつつ居並ぶ貴族に紛れて場違い感が半端無い。
結構ガチガチに緊張していると、気付かぬ内に厳かなな式が始まっていたのだった。
何と言っても第一功は国境を守り切った総指揮官のフォーセント辺境伯である。
褒美の発表があって、盛り上がる中、拍手が謁見の間に鳴り響く。
そして第二功の発表が始まると急激に
「トージ・フォン・バルケッタ殿!!」と突然名前を呼ばれて驚く俺。
しかも褒美であまり嬉しくない男爵位と、を叙爵されてしまったのだった。更に貴族にとっては大変栄誉のある、『スターライト戦功章』と言う勲章まで授与してしまったのだった。
良く知らなかったのだがこの『スターライト戦功章』は戦で一番手柄を上げた如きでは授与されない戦に特化した勲章の中では我が国最高位の勲章らしい。
そしてここ100年同『スターライト戦功章』を授与された者は居無いと言う事であった。
これは爵位を自体したい所であるが、そうもいかないので「はっ。ありがたき幸せ。」と決められた台詞を述べて頭を下げておいたのだった。
無事に爵位と勲章の授与が居って兄上の元に戻ると微笑む兄が我が事の様に喜んでくれたのであった。
そして次々と論功行賞の発表が終わって、戦勝慰労の立食パーティーが行われ、俺は隅の方で大人しくして潜んで居ようと思って居たら、フォーセント辺境伯やその他の貴族に次々と挨拶されて断り切れずに談笑をするのであった。
転生してよかった事は前世である程度貴族の付き合い方や躱し方がこんな不器用な俺にでも身に付いた事である。
そして、この場で何とフォーセント辺境伯から、再度チェリー嬢との縁談の打診を直で受けてしまって、今まで平民になる事を最大の言い訳に使っていたものの、男爵位を受けて当主となった今ではそれも通用せずに断り切れず、結局ズルズルと承諾せざるをえなくなったのだった。
まあそもそもであるが、チェリー嬢の事を嫌っている訳でも不満がある分けでも無いのである。たた、俺の精神年齢で考えると孫どころか曾孫でもおかしくない歳の差なのである。
その為素直に恋愛感情等持てる訳も無く・・・とは言えこれまで防波堤になってくれていたお父様の亡き今は上手く躱す事も無碍にも出来ず、結局流されるままにその婚約の申し出を『ありがたく』受ける事にしたのであった。
後でこれまでの経緯を知っている兄上に心配されたけど、ぎごちない笑顔で返すのが精一杯であった。
こうして今回の戦争で男爵となった俺は姓をバルケッタから、独自のオオサワ家とする事とし、トージ・フォン・オオサワと名乗る事となったのだった。
そうするとステータスも自動的に姓が変わって下記の様になったのであった。
*************************************************
名前:トージ・フォン・オオサワ
レベル:15
HP:170/170
MP:1425/1425
力:250
知能:1076
器用:1076
俊敏:1076
運:20
スキル:魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 気配察知 剣術 投擲 魔力超回復 (偽装) 錬金 料理
気配察知
加護:(創造神ロキシーの加護)
*************************************************
こうしてチェリー嬢の婚約者となった俺は喜んだチェリー嬢に頻繁にお茶会に呼び出される事になるのだが、その度に俺の作ったスィーツを楽しみにされている様なので思わず期待に添うべく新作作りに励むのであった。
長い休学も終えて漸く学園に戻って数ヶ月もしないと言うのに今度は慌ただしく王立学園の卒業の時期である。
俺としては本来冒険者と商会で身を立てる予定であったが望まぬ男爵位を授かった為に多少面倒事や義務も増えるがそこはしょうがない。
まあ考え方を変えると、男爵位を得た事でより子供等を守り易くなったと善意に考えるとしよう。
何より俺より叙爵した事を一番喜んでくれたのは他ならない子供達であった。
今回叙爵した副賞で王都に屋敷を頂いたのであるが、丁度現在の所が手狭になっていたので丁度良かったのかも知れない。
■■■
そして俺もチェリー嬢も王立学園を卒業し、論功行賞から半年が経った頃、我が国と友好関係にある他国を経由してゴーダ帝国の皇城爆散と事実上帝国の崩壊のニュースが我が国に入って来るのであった。
そして、帝都や皇城だけで亡く幾つかの都市にも大きな被害が出て居ることが知れ渡り改めて大騒ぎになるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます