第550話 妨害工作と反撃
俺は来る日も来る日も毎晩の様に敵陣営に赴いてミスト・バーンを使って敵兵を削って行く。
しかし不思議名事に明くる朝になると何も無かったかの様に敵兵が補充されていて攻め込んで来る。
一度死の淵を彷徨った兄上には後方で様子を診て貰い変わりに俺がバルケッタ家を代表して先人を切って行く。
そして先人を斬る際には決まって極光のレーザーサーベルで、100m程の手前方の敵をなぎ払って居た。
それが1週間も続いた頃「バルケッタのトージ殿!」や閃光のトージ殿等皆に認識されてと呼ばれ始めるのであった。
そして毎晩続く敵陣での謎の爆発もいつの間にか俺の出現と同時に起こった事で結び付けられ始めたのであった。
いつまでも続く敵の攻撃、此方側の損害も大きくさらに困った事に兵站の補給が間に合わないと言う事態が起こっており、徐々に食料の備蓄が其処を突き始めた。
そこで、俺はフォーセント辺境伯に申し出て敵陣営から奪取した兵站部隊からの奪取品をマジックバックに入れて提供したのであった。
まあこれで独断専行して居たのがバレる事になるのだが、致し方無い。
これによって、一気に兵站の問題が解決し、我が陣営に士気がもどるのであった。
そんな折、フォーセント辺境伯から敵の兵站部隊をもっと叩く様にと打診される。
俺は了承して敵陣営奥深くの上空から観察するもののなかなかそれらしい物が発見出来ない。
何故だろう?此奴らは何処で補給を受けて居るんだ?と疑問を持ちながら悉に奴らの行動を見張るのであった。
夕方近くになると、各部隊から数人が走り出して天幕の無い旗印の下に集まって来る。
「あ!!!あれは俺の所のマジックバック!!」と思わず空中で人知れず声を上げる俺。
どうやら馬車での持ち運びを止めてマジックバックで持ち運んで直接配給している様である。これでは流石判らない筈である。
いつの間にか家のマジックバックが敵国に買われて居た様である。そうと判れば対応のしようもある。
俺はマジックバックの班つ魔力反応を探索してマジックバックを持つ兵站部隊の暗殺をしつつマジックバックごと回収して廻るのであった。
とは言ってもマジックバックの探査可能エリアはそれ程広く無いのでこれで全て狩り尽くしたとは思えないのが気掛かりである。
こうして夜にはマジックバック狩りをしつつ、ミストバーンによる後衛や中衛への無差別広範囲攻撃を重ねて行くのであった。
だがこうして地道な嫌がらせ攻撃を幾ら重ねてもゴーダ帝国の攻勢は止まる事を知らないのであった。
俺が戦地に赴いて早1ヵ月が過ぎている。
ゴーダ帝国軍は倒しても倒しても援軍を送り続けていて、一向に減る気配が見えない。
終わりの見えない戦況にイライラしつつ兄上とお父様の事や葬儀の段取りを話し合ったりしている為空気は重く苦しい。
さてそんな日々を過ごしているが、この世界では人を倒しても経験値が入るらしく、余り嬉しく無いが既に何度かレベルアップを果たしている。
そしてステータスは下記の様になったのだった。
*************************************************
名前:トージ・フォン・バルケッタ
レベル:13
HP:150/150
MP:1405/1405
力:230
知能:1056
器用:1056
俊敏:1056
運:20
スキル:魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 気配察知 剣術 投擲 魔力超回復 (偽装) 錬金 料理
気配察知
加護:(創造神ロキシーの加護)
*************************************************
相変わらず運だけは吐出して良い数値なのだが、こんな早くに父親をなくしてしまうとは、本当に運の数値が働いて居るのか怪しいものである・・・。
開戦から早くも2ヵ月が過ぎた。
我が軍の方にも援軍がゾクゾクと続いて入って来て居て。戦況を支えて居る。
この終わりの見えない状況にいい加減ウンザリした俺はフォーセント辺境伯に直談判して、前線寄りで大きな魔法を使う許可を得たのであった。
何時もの様に朝一番の極光のレーザーサーベルで前衛をなぎ払った後、メテオストライクを中衛の頭上から振らせて、更に魔法を連発して、最前線を押し上げて行く。
そして、仕上げにミスト・バーンを行って敵軍が怯んだ所に極光のレーザーサーベルでズンズンと斬り込んで行くのであった。
吐出した俺の後に続いて我が軍が進撃を続ける。
そんな中俺は後退為ずにファイヤーウォールやファイヤー・ストームを使って前線の兵を焼きながら前線のラインを1km程奥へと移動させたのであった。
この世界でも『魔力超回復』スキルのお陰で使っても使っても直ぐに魔力が補充されるので戦争と言う不本意ではあるもののその真価を遺憾なく発揮させて貰ったのであった。
流石のゴーダ帝国軍もこの攻勢には参ったらしく、暫くすると早めの退却の合図が鳴っていた。
何時もならここで一時退却するところであるが、俺は極光のレーザーサーベルで追い打ちを掛けてやって、更に前線を通り越して中盤でミストバーンを炸裂させていたのであった。
惨憺たる地獄絵図の戦場を後にして我が陣営側に戻って見ると、何故か味方からも畏怖の目で見られる始末であった。
これまで有耶無耶に誤魔化して来たつもりであったが、これで完全に夜中の不定期攻撃の主が俺だとバレた訳である。
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