第542話 ちょっと遠出

今世では余り自重無しで好きな様にやって行こうと気楽に考えて居る訳だが、そんな俺にも家族が居るので最低限家族に迷惑の掛からない程度となって仕舞う。


そうなると最近も何かと接点を持ちたがる我が家の寄親のご令嬢たるチェリー嬢が疎ましくなるのだが、これをどうしたのものかが非常に悩ましい。


まさかちょっと偶然に通りがかりで助けただけでこれ程懐かれる事になるとは思いもしなかった。


可愛い子だとは思うけど、それは俺の精神年齢から見た孫娘的な可愛さであって、恋愛感情てきな物は1mmも含まれて居ない。

幾ら俺の身体が同年代まで若返っているからと言ってもそれは無いのだ。


そんな訳で今日のホームルームの登校日で茶会に誘われたのだが、『冒険者ギルドの依頼』で長期に外出すると言う名目でヤンワリとお断りを入れたのであった。


まだ救い救いなのは『親の身分』を持ち出してだだを捏ねない所だろうか。


と言う事で学校帰りに冒険者ギルドによって既成事実となる多少遠方のBランク依頼依頼を請け負って王都邸に帰って来たのであった。



気を取り直して翌朝早朝から空路で3時間位掛かるとある村の方へと飛んで行く俺であった。



■■■


今回の依頼はとある村の近所の森の奥にオーガの群れが発見されたと言う物で本来ならBランクのパーティーで請けるべき依頼となっっている。


地元の冒険者ではランク的にも実力的にも歯が立たないとの事で王都の冒険者ギルドまで上がって来たと言う訳だ。


順調なウィングスーツによる空の旅は予想通り3時間で終了し、目的のむらへと到着する。



到着したのは小さな村で、村長に面会し、オーガ退治にやって来た冒険者と名乗ると若い少年が単身でやって来た事で目に見えてガックリされてしまったのだった。



まあ村長や村人達の気持ちは判る。


「こう見えて其処らのBランクよりも優秀なんでご心配無く。」と切り出して、オーガの群れの情報を聞き込むのであった。



森の入り口まで村人に案内して貰って群れの居る方向を教えて貰って、案内人の村人を帰して1人で森の中に踏み込んで村人の指差した方向へと進んで行く。



1時間程進んだ所で気配察知に感が合って調べて見たら只のオークであった。こんな魔物でも村人にとっては脅威なのでオークもストーン・ブリッドでヘッドショットをキメてやっつけて血抜きをして、『マジックバッグ』に回収して行く。


何故マジックバッグかと言うと、この世界にもダンジョン産のマジックバッグが存在するので『時空間庫』では無くマジックバッグの方を表に出して使って行こうと言う魂胆である。


亡骸を持ち帰った方が報酬面で美味しいので自重無しで行くのであれば小出しにせずとも良いかと腹を括った訳だ。


まあ、今後素材ビッグ・イーターかヒュージ・フロッグが手に入ればそれでこの世界でもマジックバッグを作って行こうと思っているので丁度良いだろう。



そうか・・・・そうなると早めの段階で商業ギルドに登録して置いた方が良いのかな? 等ととりとめの無い事を考えつつ更に奥へと進むのであった。


更に奥に進む事小一時間、俺は漸く強者の気配を察知して胸を踊らせるのであった。


隠密モードで木々の間を抜けて木の上の高所からけはいのする方を観察すると、居る居るゴリゴリの筋肉を身に纏ったオーガの群れその数18匹。


なかでも一際強そうな一回り大きいオーガを鑑定EXで鑑定して見ると、


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【オーガ・キング】:オーガの王様

レベル:22

スキル:婚棒術 剣術 統率 威圧 咆哮

通常種のオーガに比べ一際高い戦闘力と統率力を持つオーガ。

備考:通常のオーガより大きな魔石が取れその皮は防具等に最高である。

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と、これまで見た事が無い程なかなかに強敵であった。


経験上、通常オーガであれば、高速回転を加えたストーン・ブリッドで貫通するが、このキング種では弾かれそうな気がする。


本当ならまずはキングをヤルべきだろうが、黄金丸を用いた白兵戦となるので先に雑魚を始末すべきか迷って居るのが面倒になって、


高速回転を加えたストーン・ブリッドを放ってキングの周囲に群がって居る雑魚オーガの眉間を狙って撃ち込んで行くと、予想通りにヘッドショットが決まって、ドンドンと数を減らして行くオーガの群れ。



一方オーガ・キングはギャガーと慌てて咆哮を上げて注意を促すも少し初動が遅かった。


俺はキング以外の18匹を全て倒して駄目元で、オーガ・キングの眉間にもストーン・ブリッドを放ってみるも、予想通りに強固な皮膚とその頭部の骨に阻まれて弾かれて仕舞ったのだった。



俺は、木の上から地上に飛び降りて、黄金丸を構えると、高周波ブレード化して、キングと対峙する。

そして、奴が大剣を振り翳して雄叫びを上げながら隠密モードを解いた俺にグワーと気合を入れつつ横薙ぎに大剣を振って来るのを軽くジャンプして奴の首の高さで俺の黄金丸を横薙ぎに振り抜く。



まるでバターにホットナイフ以上のスムーズさで抵抗すら感じずに奴の首がスパンと斬れて赤い血の噴水が上がると同時に地面に頭が落ちたのであった。


そして久し振りにレベルアップを知らせるチャイムが頭の中で鳴ったのだった。


そしてステータスは下記の様になったのだった。


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名前:トージ・フォン・バルケッタ

レベル:10

HP:120/120

MP:1265/1285

力:100

知能:1026

器用:1026

俊敏:1026

運:20

スキル:魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 気配察知 剣術 投擲 魔力超回復 (偽装) 錬金 料理

    気配察知

加護:(創造神ロキシーの加護)


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漸くレベル10の2桁台である。これは何気に嬉しい。

俺は森の奥でただ1人オーガの惨殺死体に囲まれてほくそ笑むのであった。

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