第537話 王都での散策 その1

冒険者ギルドを後にした俺は屋台で上手そうな匂いを放って居る肉串を2本購入して食いながら初めてのブラブラと王都を散策する。


しかし、冒険者ギルドを出た辺りから俺の気配感知に良く無い輩の気配がチラチラとして居る。


こんな女の子と見間違えられる様な容姿なので地方出身のチョロいカモと思われて居るのかも知れない。



俺は食べ終わった肉串の串を棄てずに手に持ったまま人気の無い裏路地へと曲がり込んで、重力制御魔法で3程上に上がって2人の男が慌てて路地に入って来るのを上から見下ろして居た。


そして何食わぬ顔で地上にソッと降りたって態と音を立てると、俺の存在に気付いた男2人は慌ててナイフを抜いて俺に恫喝をする。

「おい、命が惜しくば、有り金全部だせ!」と言う。


其処でおれは食い終わった肉串の串を魔力で覆って1本を片方の男の太股に指で弾いて刺してやり、その男が呻くより早くもう片方の男両肩、両足を魔力で覆って補強した串で突き挿して廻り


最後の仕上げに最初の男の両肩にも突き挿してやったのであった。


暗器など今まで使った事は無かったが、意外ではあっったが簡単に無力化するのに手軽で良いかも知れないと思う俺であった。



5秒も掛からず無力化された男ども2人をそのまま地面に棄てて置いて俺は呻き声の聞こえる裏路地から出て教会を目指す事にするのであった。



通行人や屋台のオッチャンに聞きながら漸く教会へと辿り着いた俺は、クリーンを掛けてから教会の扉を飛来て中に入り祭壇の前へと近付いて片膝を付いて祈りを捧げる。


『ロキシー様、ありがとうございます。トージです。』と心の中で呼び掛けると、嘗ての女神同様に次の瞬間神界へと招かれていた。


「トージよ、久しいのぉ。楽しく暮らしておるようじゃな。」と目の前に創造神ロキシー様が現れて温和な笑みで語り掛けて来たのであった。


「ロキシー様のお陰で、ノンビリ楽しく過ごさせていただいております。」と頭を下げる俺に、微笑みながら、


「良い事じゃ。もし何か困った事があったら何時でも合いに来なさい。」と言ってくれて下界へと戻ったのであった。


気になっていたお礼も言えた事でスッキリした俺は、教会の裏手に廻って孤児院があるのを確認してから、先日の盗賊のアジトで頂いた現金の一部白金貨1枚を取り出して、子供等に孤児院の院長を呼んで貰ってに寄付したのであった。


「こんんあにご寄付をいただいて宜しいのでしょうか?」と恐縮しする院長に「大丈夫」と念を押して孤児院を後にしたのであった。


徐々に日が傾き始めたので急いで貴族街まで小走りに駆けていって、お父様に書いて貰ったバルケッタ家の王都邸への地図を片手に道を急ぐのであった。



何とか夕闇に包まれる前にバルケッタ家の王都邸に到着した俺は、王都邸の家令であるアンデッセンさんに挨拶をすませてこれからの3年間のお世話をお願いするのであった。


王都邸で久々の風呂を満喫した俺は旅の疲れも吹っ飛んで用意して貰った夕食を美味しくお頂き筒この世界でもお米ってあるのかな?と思いを馳せるのであった。


翌日から2日間は暫くぶりに入試用の勉強をして忘れかけていた国史や近隣各国の内様を復習した。


上がった知能の数値の恩恵か、一度ミッチリ勉強した物は意外に覚えて居る物でちょっと読み返しただけでもすらすらと出て来るのには自分でも驚いたのであった。


入試前の勉強も終えてスッカリ自信を付けた俺は勉強もソコソコに身体が鈍らない様に依頼を熟しに冒険者ギルドへと向かうのであった。


冒険者ギルドに俺が入ると、ザワついていたのがシーンとなって、前回の様に絡んで来る者も出てこずにユックリと依頼内様を吟味して結局は1つ上のランクのDランクの依頼であるゴブリンの小規模の群れの殲滅の依頼を取って受付女王の元に持って行ったのであった。


1つ上のランクの依頼と言う事と、俺がソロと言う事でなかなか受付嬢に受理して貰えなかったのだが、先日『お世話』?になったギルドマスターのマクサーガさんの一声で無事に受理されたのであった。


「お前さんなら大丈夫だと思うけど、討伐証明部位の左耳を取って来るのを忘れるなよ?」と笑いながら忠告して送り出してくれたのであった。


城門までの途中雑貨屋で討伐証明部位を入れる為布袋を1袋購入して鼻歌交じりに城門を目指した。


城門を出ると、身体強化を使って、軽く掛けて依頼書に指示森中へと入って北東方向に4km程進んだのであった。


指示通りに進んで居るが一向に魔物の気配は感じずまさか既に討伐されて居るのでは?と言う嫌な考えが頭を過る。


一応隠密モードで姿臭い音を隠してドンドンと森の意口へと入って行く事1時間、漸く感知範囲ギリギリに複数の魔物の反応が検知されたのであった。


恐らくこれだろうとほくそ笑んで重力制御魔法を併用したホバー移動で拾った反応の箇所へと急ぐ俺。


現場が見える位置までとちゃいくすると、其処にはザッと見積もって25匹程の通常のゴブリンと、一位廻り大きな個体・・・鑑定してみたら

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【ゴブリン・リーダー】:ゴブリン小隊のリーダー

レベル:7

スキル:婚棒術 統率

通常5匹程度のゴブリンを統率する能力がある。

備考:通常のゴブリンより大きな魔石が取れる。

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と表示されたのであった。

どうしようか?ここで一気に殲滅しないとバラバラになって逃げられてしまう。


俺は頭を悩ませて考えた挙げ句に土魔法のストーンウォールで奴らを大きな石壁でグルッと取り囲む事にしたのであった。

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