第535話 貴族の子息としての使命
3年の月日が流れ妹のプリシラも3歳となって可愛い盛りとなっている。
俺を含む家族全員がプリシラにメロメロになっているが家の子らの様に魔法を自然と使う様子も無くて、これが通常の幼児なのかと改めて理解した今日この頃である。
俺は順調に戦闘力や魔法を訓練して既にゲートや重力制御魔法まで使える様になっている。
近所の森には大した魔物が出ないので最近では少しウィングスーツによる滑空とゲートを使って遠征する様にしてこっそりと大物の出る森に通っていたりしている。
勿論親には内緒なので遅くならない時間に毎日帰って居るが・・・。
お陰オーク程度の魔物との戦闘も体験出来ている。
最初の頃の10歳の身体と違って日々鍛えた13歳の身体の動きは良くてこの調子ならオーガ辺りが来ても恐らく問題が無いだろう。
現在のステータスは下記の通りである。
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名前:トージ・フォン・バルケッタ
レベル:8
HP:100/100
MP:1175/1175
力:80
知能:1006
器用:1006
俊敏:1006
運:20
スキル:魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 剣術 投擲 魔力超回復 (偽装) 錬金 料理
気配察知
加護:(創造神ロキシーの加護)
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特に新規のスキルは無い物の、レベル8になって、大幅にステータスのパラメータに補正が入っていいるのが判る。
レベル1の頃の直ぐに死にそうなHPに比べ随分と100にまでなったので随分と頑丈になった物である。
最近では森に行く序でに薬草を採取して来て、自分でポーションを作ったりと錬金術にも手を出して居たりする。
スキルと鑑定EXによる知識を素に作ったポジションは非常に出来が良くて鑑定すると下記の様に表示される。
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【ハイポーション】:非常に優れた手法で作られた効果の高い高濃度のポーションである。
欠損部位の修復は出来ないが欠損部位をくっつける効果はある。
備考:
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ご覧頂いた様に非常に効果の高いハイポーションができあがるのである。
本人としてはなんら難しい事をやってるつもりがないのにである。
恐らくではあるが薬草を溶かす際につかっている俺の魔法水の効果が高いのと、濾す際に使っている、スパイダー・シルクの効果じゃないかと睨んでいるのだが。
今では森にコッソリと錬金小屋を作ってそこでセッセと2日に1度くらいの割合で錬金を行う様にして糸の火か必要になるだろうポーションを作成しているのであった。
この様に日々好き勝手にしていた俺だがついに貴族の子息の定めで在る、王立学園への入学の為に王都に行く様にとお父様よりの命がでたのであった。
日々遊び歩いていた俺であるが、これでも貴族の子息として王立学園に受かるだけのの最低限度の勉強はしており、生まれ変わった優秀な頭の中に叩き込んであるのであった。
俺としては完全に王立学園の剣は失念して居たのでこのまま面倒だしバックレたいのが本音であるが、俺がそれをやると、家族に迷惑が掛かるので出来ないのであった。
この王立学園は事実上『全て』の貴族の子息が13歳から15歳まで通う事になるのである。
更に勉強したい殊勝な者には王立大学なる物もあるのだがそこに進学するのはほんの数%のみである。
先に述べた様に我が家はどちらかと言うと脳筋一家なのでそこまで進学しろという様な圧は皆無なので安心である。
なので最低限きぞくの子息としての責務である王立学園だけは卒業しておかねばならないのであった。
我が家の領地かっら王都まで馬車で向かうと2週間は掛かってしまう。
そこで俺は身体強化が出来る事等を理由に両親を説き伏せて、単身で向かう事をなんとか交渉の末に勝ち取ってウィングスーツによる滑空で王都を目指す事になったのであった。
俺は鼻歌交じりで王都行きの準備を行い前世でも使って居た親にも内緒のマジックに着替え等の一色を詰め込んで、早く自由を満喫しようと当初の予定より早めに屋敷を出発したのであった。
懐かれていたこともあって出発の際に見送ってくれたプリシラに泣かれたのにはちょっと心に来る物があったが、なんとか宥めて出発したのであった。
街を離れて森に紛れた所で何時もの様にゲートを使った上空へと飛び出して、ウィングスーツによる滑空を始める俺。
冒険者登録をして普段から稼いで居るので本当は不要と辞退したのだがそれでもと無理矢理渡されたシコし多めの路銀のお陰で王都では物見遊山が出来そうである。
この世界にも冒険者ギルドがあって、我が領の街にも支部があったので登録し、俺は既にEランク冒険者だったりする。
本当は余所の森で買った魔物を提出すればランクは亜があるのだが問題になりそうなので『時空間庫』に放り込んだままとなって居る。
そして親としては馬車代が省けた分を加算しただけと言って居たが、ありがたい事である。
そんな親の下に生まれ育った事もあって早めに着いたら必ず教会に行ってロキシー様に順調な滑り出しのお礼を言おうと思う俺であった。
本当は毎日ゲートで帰って部屋でん眠れば宿代すら要らないのであるが流石にゲートの存在は親にもばらせなくて隠し事の多いのを『ロキシー様の加護』の所為にしてしまっている。
こうして順調に空から王都を目指す俺であった。
途中要所要所の街によって飯や宿泊をしつつ順調に旅を続ける俺。
既に4泊しているが、流石に風呂付きの宿に泊まるのは贅沢過ぎるので、クリーンでサッパリして余り柔らかく無いベッドで1日の疲れを取る俺。
前世では早めに成り上がりってしまった為に、体験した事のないチープさに新鮮味を感じる俺であった。
一晩経って痛む背中をストレッチして伸ばしながらチェックアウトして次の街を目指す俺。
来る日も来る日も空の旅を続けていると、眼下の街道上に止まっている白い馬車。
その目の前には木が斬り倒されており街道を塞いでいる。
護衛の騎士は4名が付いているものの木をどかすには人数が足らずに立ち往生をしている様である。
どうしようかと考えたが気配察知で良く無い輩が15人程街道脇の雑木林から窺っているのを確認し、手助けをする事に決めたのであった。
俺が減速を開始して高度を落とし始めると同時位に様子を窺っていた怪しい奴らが街道に踊り出たのであった。
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