第527話 行動を起こす
我がオオサワ家は王家に舐められているのだろうか?
正当な報酬として得た収益を事後法で徴収しようとするとは完全に常軌を逸してる。
自分達が欲した物の代金として得た正当な報酬である。
更に許しがたいのは家族同然の子供等である我が魔法部隊と建築部隊を王宮に提供せよとか言い出してそんなの飲める訳が無い。
直ぐ様抑えきれずに殺気を漏らしてしまってそれによってその場が固まったので、何か国王陛下が青い顔でゴニョゴニョと言って誤魔化していたが、俺の目はさぞかし吊り上がっていた事だろう。
これ以上この無茶苦茶な状況が続くなら次の手を考えて置かなければならないだろう。とその時の事を思い出してムカつきながら思うのであった。
これ以上の無茶は断じて看過出来ない。
じゃあどうするか?反乱でもおこして王家を滅ぼす? そして俺が王家を乗っ取る?イヤイヤ其処までの気力は無いし、全国王陛下の様に真っ当な国王なのであれば此方から何かを仕掛ける気はサラサラ無いのだが。
現国王陛下は第1王子であったが第2王子が即位すればもっと真面な内政に変わるんじゃないかと心の奥底で思う俺であった。
元第2王子は、現在、ロッキンガム公爵の当主として、領民から親しまれて居る。非常に温厚で賢いお方である。
国王としての資質を持つのはロッキンガム公爵の方だったのではないかと思って居るのであった。
最悪の場合我が家の安寧の為に国王陛下を廃位に追いやってロッキンガム公爵を担ぎ上げるか?と自分でも判る程に悪い笑みを浮かべるのであった。
どうやら気付かぬ内に相当にストレスになって居たらしい。
兎に角目立った動きを控えて、王宮からの過度な呼び出しや要求に対しては仲介に入って居る義父にピシャリと断りを入れていたのであった。
それから1ヶ月もすると怒った国王陛下が王命を強制する為に俺の屋敷へ国軍を送って寄越したのであった。
もはや理不尽に我慢するのももこれまでであろう・・・。
俺は屋敷や各都市のシールド結界のスイッチを入れた後、王国内の一般用固定ゲートのリモートシャットダウンを行って我が家専用以外の行き来を全てOFFにしたのであった。
これは、元々外敵が進行してきた際に懐に攻め込まれない様にする為に仕掛けておいたリモートシャットダウンスイッチである。
国軍と王宮魔法師団がここに来て居る以上この一団を制圧してしまえば第二陣は陸路から以外の手段と言えば王宮に2機ある飛行船ぐらいの物である。
俺は直ぐ様コック軍をパラライズで無力化して、王宮魔法師団に投降を呼び掛けて、武力による制圧後魔封じの手枷足枷を装着して完全制圧したのであった。
地下収容施設に連行した後、俺は義父に連絡して、現国王には従えない事を明確にした後正式な宣戦布告をしたのであった。
義父は既に固定式ゲート網が使え無い事を把握して居り焦っていた。
「オオサワ侯爵よ、何とか思い直してくれぬか?」と縋る様に問い掛けて来る義父にこれまでの無茶振りや挙げ句の果てに我が家族同然の部下達を接収しようとした事等を挙げて、
部下を守る為に立ち上がると理由を説明した。
そもそもだがなんで一時期以降我が家への当たりが強くなったり事後法で我が家にだけ正当な報酬として得た報酬を巻き上げる様な事を使用として居るのかが納得いかない事を怒りと共に吐露したのだった。
そんな俺の言葉に同情と共感をしつつも思い留まる様に言う義父に、
「義父様、貴方を手に欠けたくは無いので、王城が無くなる前に避難をして下さい。」と言うのが精一杯な俺であった。
俺はケンジ達に連絡して我が家へ来させ、ケンイチと共に状況を説明したのであった。
そして俺は今の内に王宮の国王陛下の自室へとゲートで飛んでマンマと国王陛下を攫って件のマギ鉱石の兵器をテストした無人の荒野につれて行き、試験監視用に作った小屋に監禁したのであった。
何やら色々騒いでいたがどうせ馬鹿が騒いで居るだけで意味が無いので聞いてはいない。
次に俺はロッキンガム公爵の元へゲートで訪れて、現国王陛下からの理不尽な嫌がらせや不法っぷりを訴えて、国王に即位して欲しい事を伝えたのであった。
更には現状我が家は王国と戦争状態となって居る事を伝えたのであった。
すると、全く知らされて無かったらしく大変驚かれると共に同情されて、「私の方から兄である国王陛下に諭してみよう。」と言ってくれたが、時既に遅しである。
国王陛下は王城にいない事を伝えると更に驚かれて残念そうな顔をするのであった。
国王陛下の失踪で王宮は蜂の巣をつついた様に大騒ぎとなって居たが、俺が反乱を起こした事は既に知られて居るので恐らく俺の犯行と済む日付けられたであろう。
更に混乱の元凶となって居るのはゲート網の停止と国内の最大戦力が我が領に討伐に出たっきりで行方知れずとなっているのである。
俺は別に王座が欲しい訳では無いので王座に就く事は無いが、現国王には子供がまだ居ないので第2王位継承権を持つロッキンガム公爵が臨時で王位に就く事になったのだった。
ロッキンガム公爵は暫定の摂政と言う立場を取って国王陛下が戻って来るまでの間、王国を支える事にした様である。
俺は摂政となったロッキンガム公爵に呼び出され王宮に何食わぬ顔で行き交渉を始めたのであった。
まず大前提として国の存続を願うのであれば、今回の俺の一件を不問とする事。 更に『前国王』が事後法で無理矢理接収しようとしていた全ての白紙撤回する事を強く要望したのであった。
途中近衛騎士が荒ぶる一面もあったりしたが、ロッキンガム公爵の一言で事なきを得た。
ちなみに、件の『前国王』であるがまだ荒野のど真ん中にある小屋の中で辛うじて生きては居る。現在の所、生かすかどうするかを悩んで居る最中である。
生かすとなると害悪でしか無いのでこのまま生かすのは難しいだろう。
一番良いのは発狂してくれて自我を失ってくれる事なのだがまだしぶとく正常?な精神状態を保って居るっぽい。
困ったと言えば捕虜として監禁中の国軍の兵士と王宮魔法師団の処遇にも困って居る。
これに関しては摂政であるロッキンガム公爵からの免罪の一筆と過去の命令の撤回を持って解放しようと思って居る所である。
俺の反乱から3ヵ月が過ぎて、無事に免罪の一筆と命令の撤回書をゲットした事によって、収容していた彼等を解放する事になったのだった。
そして狐につままれた様にキョトンとした面持ちの彼等は王宮からの命令撤回書を貰って、ゲートで王都に帰って行ったのだった。
そしてロッキンガム公爵との約束通りこの時点で漸くゲート網の復旧をリモートで行うのであった。
役3ヵ月間ゲート網が止まった事で大きな経済的損失を生んだ事になるが、これによって、『誰』が経済の鍵を握っているのかを知る良い機会になったのだった。
前国王のその後の処遇であるが、直接手を下すのはやはり憚れる為、そのまま食料も何も補給に行かずに放置する事にしたのであった。
ゲート網を復旧した頃件の小屋に行ったが其処には餓死した遺体が1体残って居たのであった。俺は小屋を完全に墓地変えてそのまま地面の下に封印したのであった・・・。
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