第526話
王宮からご注文の2機目の製造をケンイチと工房の子供等に任せて2年が経過して納品が終わったら直ぐ様我が家の新規事業向けの2機目の製造に入らせる。
そして並行して、オオサワ商会の『観光部門』を立ち上げて富裕層向けの遊覧飛行のプラン『ケリー号ツアー』売り出すことに決めた。
ケリー号の導体内部には360度のパロラマビューが愉しめる様になっていて、まるで空中に浮いてイルカの様な風景が愉しめるのである。
ケリー号を使って子供等にも飛行船の操縦を覚えさせて運行の訓練を開始させたのであった。
思った通り、この観光部門の遊覧飛行プランは大人気で、2年先まで予約がビッシリと埋まるほどであった。
早く現在製造中の2機目が就航になればこの大混雑も和らぐであろうと思うのであった。
ケリー号の中のレストランで注文出来る俺の作ったレシピによるスィーツや食事はそらの上からの景色と相まって大好評であった。
その結果、客からの要望に応えるべく、王都と領都にアンテナショップの第ニ弾として富裕層向けの上品な店『オオサワ・カフェ』を開く事となったのだった。
2つの新規事業はどちらも軌道に乗って繁盛しているのだが、以前の様に心が躍らないのは何故だろう・・・。と心の中で何処か冷めている自分がいるのであった。
さて、飛行船の方であるが、嘗てゲートを設置しに廻った周辺各国の同盟国より飛行船の注文が在って、順番待ちで切れ間無く製造を続けており工房の方も大忙しでケンイチもヒイヒイ言っている。
「お父様もたまにはお手伝いお願いしますよ。」と時々泣きが入って居るのであった。
その為最近ではマークまで担ぎ出してz製造工程を教え込み始めて居る様だ。
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ケリーの死後数年以上経つと言う現在、親子程歳の差がある若い女性を何故か後添えにと縁談を持ち込んで来る貴族連中がいるがそんな連中をピシャリとお断りして孫との日々を楽しむ。
やはり我が家の家系の子供は皆魔法への適応力が優れており、どの子も2~3歳位になると、最初の無属性魔法を発動して居る。
可愛い孫との一時と何かの没頭して居る時が俺に生きる活力を齎してくれる。
だがしかし、最近もう頭の中のアイデアを出し切ってしまったのか、以前の様に面白そうな新プランが出て来なくなった・・・。
もう十分に文明を進化させたので、フェザー様もこれ位で勘弁して貰えるだろうか?と思う俺であった。
俺には現jk応でもフェザー様の要望通りに相当に発展させてきたと言う自負がある。
こうして少し気力を失った生活を惰性で送るのであった。
2号機が完成した事で予約ギッシリだった遊覧飛行の方も正常と思える混雑具合に収まりつつある。
尤もそれでもケリー号もケリー2号も両方役1年予約が良い感じに埋まって居る。
飛行船の製造の工房の方では各国のオーダー分を日々忙しく作っているが最近では多少手慣れて来たお陰か作業がスムーズになって、以前ほどの激務では無くなって居るのは良い事である。
監督でもあるケンイチ達には決してブラックな現場にならない様にとキツく言い含めている。
製造現場がブラックになると事故の元なので余裕は重要である。
2年で1機の割合で製造を続けて納品を続ける事10年。欲しいと言う国のオーダーには王宮経由で堪えて来た。
その結果、今では我がオオサワ家は王宮よりも裕福である。
従業員全員で引退したとしても十分に一生食って行ける程のお金が溢れているのである。
だがしかし、そいんなオオサワ家の事を王宮が欲思う訳も無く最近当たりが強い気がするのであった。
しかも義父に至っては間に挟まれて辛い立場に立っている状況に見えるのである。
そんな微妙な状況に嫌気が刺した俺は王宮からの無茶振りを極力避ける様に振る舞うのであった。
そして、嫌な予感のする俺はこの頃からマギ鉱石を使った魔動兵器の開発に人知れず邁進するのであった。
狙って居るのは極光を撃ち出す、極光砲とミスト・バーン型爆弾と、防御結界型シールド発生機である。
飛行船の原材料と言う事もあって、市場に出て来るマギ鉱石はほぼ我がオオサワ商会で抑えて居るので問題がない。
別に反乱を起こす気は無いのだが、何かの際に最低限我が家と領民を守る為の備えをすべきと思ったのである。
実験は何れの国にも所属しない大陸の未開の地で行い何れの兵器も十分な威力と成果を得たのであった。
何れもスタンピード等では威力が出過ぎてしまって使い難い感じであったが、防御結界型シールド発生機は優秀で何れの攻撃兵器にも耐える物となっていたのだった。
俺はこの防御結界型シールド発生機を俺の全領地に設置して万が一の際には領民を守れる様にしたのであった。
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