第518話 何気無い日常 その2

穏やかな5年の時が流れてマークは10歳となりギフトの儀を経て無事に王立魔法騎士学校に入学した。


マークは剣術も魔法の実力も素晴らしく、歴代の我が家の子供同様に入学試験は首席であった。


可愛いマールは5歳となって言葉も理解する様になって魔法の訓練も受け始めてメキメキと実力を伸ばしている。


ケンジの所にも男の子の子供が生まれてケンドリックと名付けられた。それを機会ににサリューさんは現役の冒険者を引退したのであった。



さてこれまでアインツブルク王国は平和と言えば平和だったのだが、非常に残念な事に国王陛下の持病が悪化してしまい王太子に生前譲位すると言う話が出てしまっている。


まさかの国王の健康面による不安要素が出るとは思わずに皆から親しまれた国王陛下だっただけに非常に惜しまれたのだった。



譲位もおわって新国王陛下に替わった後も義父が宰相を勤め王国の体制は揺るぎない物となっている。


と言うのも、これまでに周辺各国とは同盟を結んでおり、運命共同体となっており、一国に何か不測の事態があれば同盟国各国が救援の手を差し伸べる強靱な仕組みが既に出来て居るからである。



なので自然災害等やスタンピード等の有事には俺の築いたゲート網でいち早く救援部隊や物資の輸送が出来る様になっているのだ。


こうして考えると俺って何気にアインツブルク王国だけで無く周辺国にも大きく貢献しているよなと改めて思うのであった。


アインツブルク王国では近年連鎖的な大規模スタンピードが起こったが、国外では珍しい現象らしく、しょがいこくでは単発のスタンピードでさえ手を焼く程らしい。




のほほんとマールと過ごす午後の一時、その至福の時を壊す様に義父経由で急遽王宮への呼び出しがあったのだった。


過去に俺がゲート網を設置しに行ったマグレブ帝国に面した国であるアーデンバック王国でダンジョンのスタンピードが起きたらしい。

ハッキリ言って余りに多くを廻りすぎたのでどんな国だったのかの記憶が無いが・・・。



既に我が国からは王宮魔法師団が向かったらしいのだが、魔法師団よりも強力な俺の所の魔法部隊にも応援要請が来たと言う事らしい。


俺は直ぐ様魔法部隊のコーエンさんに連絡を取って出動準備に取り掛かって貰ったのだった。


準備が整った所で、王宮魔法師団の先行部隊が現地に到着したとの事で俺達を迎えにゲートを繋いで貰ったが、既に混戦状態でそのダンジョンを管理している領主の領軍には壊滅的な被害が出ており目を覆い炊くなる様な惨状であった。


取り敢えず、何時の戦法を実行すべくバリケードを築き始めて強引に魔物を言ったん押し戻そうとするもそれ処では無い現状に悪戦苦闘する王宮魔法師団と我が魔法部隊。


そこで一旦戦線を交代させて其処にバルケードを築かせてその間に全身に簡単な爆風を抑え込める程度の城壁をサクっと築く。


そして誰も味方を取り残して無いのを確認してから小規模のミスト・バーンを爆発させたのであった。


チュッドーンと言う何時もの規模よりやや控え目な爆発音と共に俺のレベルが上がったのであった。


ステータスは下記の通りとなったのであったである。

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名前:マルク・フォン・オオサワ

レベル:30

HP:535/535

MP:9256/9356


ギフト:異常耐性 物理耐性 魔法耐性 頑強 魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 剣術 投擲 魔力超回復 偽装 錬金 料理


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これでいよいよ念願のレベル30台である。



あんな中途半端な規模のミスト・バーンでレベルアップするとは思っても見なかったので少し不謹慎ではあるが口角が上に上がってしまうのであった。


うしれを振り返ると何時もの漏斗状のバリケードが完成して居り準備万端となっていた。


俺は、先程でミスト・バーンで吹き飛んだ爆風避けの城壁を急いで魔法を解除して撤去し、後方に下がったのであった。


ここからはいつも通り、みんなでローテーションしてチクチクと順番に攻撃して行くのみである。


後方に領軍の皆さんの治療も終わり生き残った負傷者も生還しているが、精神的な物までは回復出来なので多くの者がPTSDになってそうであった・・・。

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