第515話 ケンジの判断
ケンジを呼んでそれとなく将来の事を聞いてみたのだが、本人現在悩んで居る所らしい。
本人としては冒険者でみを建てる事を考えて居るらしいのだが、筒業までに決めるからと早々に逃げられてしまった。
本人曰く柵の多い帰貴族社会に残りたいと言う未練はほぼ無く婿養子云々も相手次第だとニヤリしながら言ってから行ってしまったのだった。
そんな訳でこれ以上の深い追いも出来ずに一回目の『将来会議』は物の5分も掛からずに終わってしまったのだった。
まあ追い詰める気もないので深追いはしなかったのだが、子育てとは何とも難しい物である。
それから数ヶ月が経った頃、件の嫡男の居ないガトー侯爵家よりの縁談の話が正式に舞い込んで来たのであった。
ハトーリさんの話では、ガトー侯爵家は堅実な運営を行っておりパッと調べた限りでは評判も良い所で特に文句の付けようが無い家柄だった。
俺はホッと一息付いてケンジの意見を聞く事にする。
乗り気になるかと予想していた居俺の思惑は外れ、得に今急いで1人に絞って先を決めたく無いと言う。ケンジの返事に少し頭が痛くなる俺であった。
折角の良い話なのに断るつもりか?と俺は最終てきな返事を先延ばしにしてケンジの正式な決断をヤンワリ伝えるかで頭を悩ますのであった。
そんな俺の頭を悩ませた3日間を無にするようにケンジは学校で直接侯爵家令嬢に「君の事が嫌いと言う訳ではないが婿養子に収まる気は無い。冒険者として独り立ちしてやって行く予定だ。」とキッパリお断りの返事をしてしまったらしい・・・。
そんな身も蓋もない返事をしかも本人に直接してしまうだなんて、もうカドカドで角が立ちまくりである。
それを聞いて、おれは慌てて侯爵家に連絡を入れ、平身低頭でフォローを入れまくるのであった。
そしてケンジをキツく叱り貴族間の事は諍いの種になって禍根を残しやすいので安直な行動は慎みなさいと厳重に言い含めたのであった。
こうして、ケンジの将来については一応、冒険者と言う事で決着は付き了承はしたのだが、それでも残り2人のご令嬢は1人競争相手が減ったとばかりに今も尚ケンジに言い寄って居る様子であった。
あまり安心出来る状態ではない物の、ハトーリさんに引き続きケンジの周囲の
さてケンジが学校を卒業するまであと数ヶ月である。
何も慌てて家を出て行く必要は無いが、本人は卒業と同時に言えを出て冒険者で食って行く予定にして居る様だ。
そんな本人のやる気を削ぐような事を言わない様に温かく見守って行こうと思う俺であった。
■■■
アッと言う間に数ヶ月が経って王立魔法騎士学校の卒業の日がやって来てしまった。
この国の13歳の成人カウントはやや時期尚早だと思うのだが、文句を言っても始まらないのでしょうがない。
日本も義務教育が中学までと言う事を考えると無理矢理納得せざるを得ないのかもしれないが、我が事の時をすこし少しでも長く保ちたいと思ってしまう俺にとっては厳しい現実である。
卒業式を終えて家に帰り着くと、
「お父様お母様、長らくお世話になりました。本日家を出て独り立ちしたいと思います。」と畏まったケンジが行って来たのだった。
「え?そんな今日の今日はなんて急がなくても良いんじゃないか?」と俺が止めるも、
「いえ、予定して居た事で、既に部屋も用意してますので。」と言って取り付く島もない状態であった。
ケリーは突然の別れにに涙しており、俺も動揺が隠せない。
そして、止める間も無くケンジが行ってしまったのだった。
ケンジが去った後、ケンジの産まれた日からの各イベント事の様子などを頭の中で反芻し、人知れず涙する俺であった。
その後のケンジの様子はハトーリさん経由で報告が上がって来るので取り敢えずは安心しているが、王立魔法騎士学校の卒業生の数人とパーティーを組んで王都のダンジョンを捥ぐ言って居るらしい。
あの日からパーティーハウスに拠点を移してパーティーで活動している様である。
『駆け出し』の冒険者パーティーが既にパーティーハウスを持って居る事にボンボン臭や甘ちゃん臭を感じ無くも無いが今の所皆で美味くやって居る様子である。
まあケンジはあれで、既にBランクまで上がっているから、本腰を入れて冒険者をヤって居ればパーティーハウスだろうが手に入れるのは容易い蓮である。
問題は他のメンツがどの程度なのかが重要で在るが、実力が大きく乖離してない事を祈るしか無いだろう。
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