第511話 行列の出来る土建屋 その2
再三の駄目押しや脅しが功を奏したのか、いい加減に理解したのかは不明だが、再設置に向かった先でのトラブルはほぼ皆無で、何とかゲートの設置工事が続けられたのであった。
と言っても多くの州内の各都市の工事も残っており、ここからの工事長い事長い事。
流石に各州内の工事は1人で出来る事では無いので、向く数人で手分けする様にして居るが、1つの州が我が国と同程度なので位の期間や広さはご推察の通りである。
結果1つの州を終わらせるのに丸々1年掛かる所も出てしまう程であった。その殆どが移動時間であるのでこれは旅行工事と言うか旅行部隊?っと自虐的に建築部隊の子らが呟いていたのであった。
流石に当初に人数では長期化しそうなので途中で本隊の魔法部隊から人員を引っ張って来て増員し、旅行部隊(笑)の効率化を謀ったのであった。
今回の案件も基本移動に無駄に時間を割いて居るだ嫌悪案件である。 しかし、これを馬車や馬と行った通常の交通機関を使った場合完成は次世代に持ち越されるかも知れない。
まあだからこそゲート網を設置しようと言う国家プロジェクトに発展したんだろうけどな・・・。と1人でアングレーグ小国連合の空を飛びながら無理矢理納得する俺だった。
増員した事もあって、いくつかの州を同時並行で取りかかれる事となったのは大きかった。
こうして、我が国10個分のアングレーグ小国連合の工事は進んで行くのであった。
その後各地での設置時のトラブルは無く予定した設置全箇所に設置し終わったのは着工から3年が経った頃であった。
これでも増員のお陰もあって当初の見積もり工数よりかなりペースが早かった様に思う。
尤も2度手間の分はキッチリお金で解決して貰ったので良いけど、義父の方にはこう言うブラックな案件をホイホイと請けないでくれとキツく行って置いたのであった。
と言った傍から申し訳無さそうに俺に声を掛ける宰相閣下としての義父は
「もう既に次の依頼が我が国の方に打診と言う形で入って来ておるのじゃ。」と冷淡な現実を告白するのであった。
やっと終わったと思ったら、飛び回って居る間に、行列が出来て居たでござると言う訳である。
俺は愕然としながらそのオファーのあった内容の詳細を恐る恐る聞いてみるのであった。
今度の王国も我がアインツブルク王国と比べるとやや大きいアーデンバック王国と言う国で我が国とは直接面してしてないものの中な大きく強い国家だそうだ。
ここも友好国としての同盟を餌にゲート網の設置を望んでおり、王宮では俺に対してGOを掛けたいらしい。
俺は連続となる工事を避ける為建築部隊に半年の休暇を与えているので、工事を請けるにしてもその休暇明けからだと年を推して工事を請ける事にしたのであった。
俺が他国の工事を請け負うと、窓口となったアインツブルク王国が上前を刎ねてホクホクすると言う構図になっている。
まあそれ自体は良いと言うかしょうがないのだがその上前の為にホイホイ請ける様な無茶振りをして来る様であれば今後の事を考えて工事拒否をしなくてはならないと考える俺であった。
いい加減にして貰わないと建築部隊の生活リズムまでおかしくされてしまう。魔法部隊もそうであるが、建築部隊も同様に新婚さんや新生児を抱えた家庭が多いのである。
ただでさえ育児が大変なのに、育児に拘わる時間が取れないとか悲惨すぎるので断固として彼等の生活を守らねばと心に決めるのであった。
そんな俺の毛ちぃを知ってか知らずかは判らないが、義父は半年後からの休暇明けで構わないと建築部隊の『労を労いつつ』俺に下手にお願いして来るのであった。
子供等の半年の休暇中、俺は1人先行してアーデンバック王国へと旅立っていた。
このアーデンバック王国はマグレブ帝国に面した九人で有る為、マグレブ帝国を経由して国境を目指すのであった。
アーデンバック王国の王都に到着すると、そのまま城門から好待遇を受け馬車で王宮まで招かれて国王陛下との謁見がスムーズに行われたのだった。
つい最近までの何処かの国とは大違いのl好待遇っぷりである。
そしてざくくりとした金額や大凡の工期等の話も終わり、休暇が明け次第工事に着工することを約束して、アーデンバック王国の王宮をお暇するのであった。
数ヶ月が経って休暇が明けたら、建築部隊を引き連れてアーデンバック王国にゲートで移動して、事前打ち合わせの通りに全員が一斉に書く持ち場の地へと飛び立ったのであった。
さてこのアーデンバック王国の工事は我が国での工事同様に問題無く進められて工期も7ヵ月と言うハイペースで終わったのであった。
そして国に戻って来ると『またしても』義父経由で次のゲート工事の依頼が入って居たのであった。
今この大陸ではアインツブルク王国を中心とする『ゲート網』が商業の中心となっており、これに加わるのと加わらないのとで、国の発展の度合いが大きく変わると言う実例が幾つかある為に皆こぞって、その傘下に入ろうと躍起だそうだ。
と何も王宮が俺達を使い倒して居る訳じゃ無いと言い訳をして来たのであった。
そんな訳で、アインツブルク王国の工事が終わった後も更に近くはない『知らない』国の工事を着工してまわって、俺達建築部隊は大忙しの日々を送るのであった。
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