第507話 連鎖 その6
ケンイチと王宮魔法師団がシュナイダーダンジョンのスタンピードの制圧に苦心している頃、俺達はオースチンダンジョンのスタンピードを収束させて2時間程つかの間の休息を取ってから、まだ援軍の居ないゲンバラ伯爵のゲンバラ・ダンジョンの制圧に向けて出発したのであった。
結局このゲンバラ・ダンジョンのスタンピードは意外に早く3日で片付き、当初5箇所だった筈の連鎖スタンピード・・・蓋を開ければ結果として更に増えてしまい、7箇所を王宮魔法師団+ケンイチと俺と魔法部隊のチームとで半々に分ける形で収束させたのであった。
ケンイチ曰く、なかなかに地獄の制圧戦だったらしく、直ぐに魔力枯渇を起こす王宮魔法師団から現場の舵取りを何故か任せられつつ必死に自分自身の魔力枯渇との戦いだったらしい。
危ない場面も1度や2度ではなかったとか・・・。
ケンイチは小さい頃から何度も魔力枯渇で鍛えて来たお陰で通常の人よりも魔力の回復量が多い様で最後まで粘って頑張ったらしい。
長かった連鎖スタンピードは後始末まで入れると2ヵ月もの爪痕を王国に付けたのであった。
結果として何とか全員無事に終わった物の今回の教訓として、王宮魔法師団にも家の魔法部隊と同じ水準の魔法を伝授する事が必須と判り、後日その特別講師として、ケンイチが日参する事になってしまったのだった。
今回の活躍でケンイチを叙爵すると言う話もでたのだが元々侯爵家の嫡男と言う事で俺と同じく勲章を叙勲される事になったのだった。
これが次男のケンジであれば良い話であったのだが、まだ幼いケンジは今回のスタンピードでは出番は無かったでしょうがない。
まあ俺は勲章なんかよりも嬉しいレベルアップを最後の2つのダンジョンの制圧時に果たしており、
ステータスは下記の通りとなったのであったである。
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名前:マルク・フォン・オオサワ
レベル:29
HP:475/475
MP:8756/8756
ギフト:異常耐性 物理耐性 魔法耐性 頑強 魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 剣術 投擲 魔力超回復 偽装 錬金 料理
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このままスタンピードが続けばワンチャンレベル30も夢ではなかった様におもえて若干不服であるが、しかし一般の平民にとっては平和が一番であるからそうも言ってられない。
ケンイチもホクホク顔していたのでそれなりにレベルアップを果たしたのであろう。
こうしてアインツブルク王国に漸く平穏な時が訪れたのであった。
尤も王宮魔法師団には新たなる試練の時期が到来した事になるのだが・・・。
ケンイチによる王宮魔法師団の特訓は4ヵ月にも及び時々俺が交代して指導しに行くのであった。
半年や1年と言った期間を拘束されなかっただけ王宮魔法師団が優秀だったと言う事だろうか・・・。
これは全員が習得出来なくとも最悪役割分担して複数人が習得出来れば良いと言った教育方針にして、後は魔法師団内でお好きに学習してねと言った方法を採用したからだが・・・結局俺とケンイチの講習が終わった後、程無くして全員が今回教えた魔法を全て習得したらしい。
そう言うところは流石は王宮魔法師団と言ったところだろう。
事魔法に関しては良くも悪くも妥協を許さない者が集まっているらしい。
その後、ケンイチは王宮魔法師団から、『教官』とその後も引き続き呼ばれる事となる。
これで漸くケンイチはユックリ息子のマークとの日々を過ごす事が出来る様になるのだった。
久し振りに日中にお父さんが居る事にキャッキャと喜ぶマークをあやして居るケンイチ。
俺はケンジの魔法の修練に付き合っている。魔法部隊も交代で長期休暇を与えてここまでの長丁場のブラックな戦場から命の洗濯をして貰って居るところである。
今回の一件もあった所為か、魔法部隊の子供等の中で結婚する者が増えている。
まさかとは思おうが「俺、これが終わったらあの子と結婚するんだ!」とかフラグを建てて居た者が少なからず居たのかも知れない。
折角の結婚よ言う事で俺もケリーと一緒にお代わりとして結婚の儀に出席して、結婚した者の披露パーティーを盛大に開いてやるのであった。
この休暇を境にデキ婚の者も増えたので先に結婚の儀を挙げる様に苦言を呈する俺であった。
言い換えれば孤児院を卒園した頃はあんなに幼かった子供等も今や立派な一人前の大人になったと言う事である。
今夏のスタンピードで誰一人欠ける右事無く無事に生還出来た事を心より嬉しく思う俺であった。
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