第504話 連鎖 その3

魔力の枯渇は無いので良いのだが満腹になると、ハードな1日の疲れもあってドッと睡魔が押し寄せて来るが、明日の日の出までは何とかこの戦線を支えなければならない。


今、連戦した魔法部隊の子達はローテーションで魔力回復の為の休息に入って居るので、俺とサーベールース侯爵家の領軍の踏ん張りで時間稼ぎをしなければならない。

幸いな事に今のところ均衡は保たれており、此方側が押し込まれている事は無い。


長い長い夜・・・酷い睡魔に悩まされながら歯を食いしばり我慢して極光を打っ放す。その度に魔物達の断末魔の絶叫が聞こえて来るのだが何時しかそれが心地良い子守歌に聞こえて来るから不思議である。



途中、義父の宰相閣下から此方の状況を確認する電話が掛かって来たので正直に王都より魔物の数が多く不利なことを伝えつつ何とか現状の戦力で踏ん張って居る事を報告したのであった。



尚、義父によるとスタンピードが新たに5箇所のダンジョンでその兆候が見え始めており、王宮魔法師団が援軍に派遣された事を教えてくれたのであった。



途中から魔力の回復した魔法部隊の子らが再度復帰し始めて、その間に夜中の3時から約1時間程の仮眠を取って精神的な鋭気を養った。


そして、サーベールース侯爵家の領軍と冒険者を言ったん下がらせ休息を取らせた俺がその間フル稼働して戦線を魔法部隊と支え合うのであった。

そして長い夜は朝の5時なって西の地平線から顔を出す朝日によって終わりを告げる。


暗闇から明るい日差しによって映し出される地獄絵図は酷い物であった。


迎撃に使用した通路は嘗て魔物であった何かが飛散したグチャグチャのミンチや飛沫で赤や緑色に染まって居て通路の壁にこびり付いていた。


しして俺は今も毎分1発のペースで極光レーザーを携帯食を片手に通路のど真ん中に撃ち続け殲滅し続けている。


そうそう、夜中の間に久し振りにレベルアップしたのである


チマチマダンジョンを攻略するのも言いのだが、レベルアップという麺で見た場合、有る意味スタンピードは美味しいのかも知れない。


因みに現在のステータスは下記の通りである。

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名前:マルク・フォン・オオサワ

レベル:26

HP:435/435

MP:8308/8456


ギフト:異常耐性 物理耐性 魔法耐性 頑強 魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 剣術 投擲 魔力超回復 偽装 錬金 料理


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ホクホクしながらステータスを確認してスタンピードを好機と考える俺は異端者か人格破綻者なのかも知れない。


尤もかみんを取った物の完全に疲れは取れて居らず、疲れ過ぎてランナーズハイになって居るのかも知れないけど・・・ステータスの向上は素直に嬉しいのであった。


まあこんかいの活躍の秘訣は偏に、女神フェザー様に頂いた『魔力超回復』ギフトの賜である。さしもの俺も魔力が枯渇したら前世の様にジリ貧になってしまうからな。



ちょっとした休憩時間に炊き出しの朝食のおにぎりを食べて鋭気を養い気合を入れ直す俺。




山場の無い戦況が続く中12時を過ぎた頃に群れの後方から、恐竜の様な四足歩行の魔物が強烈な重低音の鳴き声と共に姿を現す。

遠目ではあるが鑑定EXで鑑定してみると

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【アース・ドラゴン】:サーベールース・ダンジョンの40階層のボス今回のスタンピードの切っ掛けである。

これを狩る事でスタンピードは収束する。

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と出て来た。思った通り今回のスタンピードのボスである。


「彼奴が今回のスタンピードの原因のボスアース・ドラゴンだ!あと一息!!」と大声で全員に通達して、


俺は昨日から何百発目になるか判らない渾身の極光レーザーの一撃をアース・ドラゴンにお見舞いするのであった。



ギャガーーーという雄叫びと共に胴体に大穴を空けてその場に倒れ伏すアース・ドラゴン


その瞬間、その場に居る全ての兵士や魔法部隊、冒険者達から歓声がワァーーと湧き起こるのであった。


更にアース・ドラゴンを足した事でまたしても俺のレベルが上がったのだった。


因みに今回のレベルアップでステータスは下記の通りである。

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名前:マルク・フォン・オオサワ

レベル:27

HP:450/455

MP:8476/8556


ギフト:異常耐性 物理耐性 魔法耐性 頑強 魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 剣術 投擲 魔力超回復 偽装 錬金 料理


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疲労によってちょっとHPが減って居るが体調は万全である。



こうして、長きに渡ったサーベールース・ダンジョンのスタンピードは終焉を迎えたのであった。


俺は一旦義父に電話を入れてサーベールース・ダンジョンの収束を報告し次のスタンピードの箇所を確かめるのであった。


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