第502話 連鎖 その1
ケンイチとルージェ嬢の婚約が正式に終わって一安心。
残るはケンジだけなので、これで親としての役目もあともう少しである。
婚約から半年の準備期間を終えて漸く2人を結婚させてホッと一息。
これで徐々に俺の領主の仕事をケンイチにシフトして行けばおれも自由時間が増える。とほくそ笑むのであった。
尤も現実的には2人で分担しても結構忙しくて、結局あいも変わらぬ日々となるのであった。
忙しい理由の一つは一区切り付いたはずの建築部門の受託が多い事や、新人教育に力を入れて人員増強を謀っている所為でもある。
建築部門では主に拡張の依頼とセットで拡張エリアの道路整備が入って来て居る。
新婚夫婦の邪魔は余り良くないので従来通り俺がその工事担当の監督と言う事になってしまい、お陰でてんてこ舞いだったりするのだ。
ここは早くケンジに成長して貰って手伝って貰わないと・・・。まあ早く見積もってもあと数年以上は無理なのだけどな。
こうして日々忙しく過ごしていると、アッと言う間に月日が流れる。
そして、大望の初孫がマリアとケスラー君の所に生まれたのだった。
初孫は男の子で、跡取りが出来たとサーベールース侯爵が大喜び。
嬉しいのは俺も一緒で俺も孫会いたさにちょくちょく婚家にお邪魔してしまう有様で合った。
そんな日々を送って居ると、ケンイチの所も妊娠の報告をしてきて我が家はバラ色に包まれるのであった。
兎に角安定期に入るまで安静にして居る様にと注意しておいて、フワフワと浮き足立つケンイチを引き締めて置いたのだった。
こうして妊娠の期間を無事に終え、我が家にも男の子の孫がうまれたのであった。
男の子が生まれた事でルージェがホッとした様な顔をしていたので多少プレッシャーが掛かって居た様でじぶんの言動を反死した俺であった。
「無事に孫を産んでくれてありがとう。」と言うとルージェが嬉しそうな顔でホッとした様に頷いていたのだった。
ケンイチ達は孫の名前をマークと名付けてケンイチから始まる賢シリーズは終わりを告げたのだった。
ケリーも孫の誕生を大喜びしていて、自分の子育て時代を思い出すかの様に目を細めてマークとルージェの様子を見て居る。
義父も初曾孫の誕生右を喜び足繁く通って来て居る。
そんなのほほんとした日々に慣れきった頃、おうとのダンジョンにスタンピードの兆候が現れたのであった。
確かにここ1年程、俺もなにかと忙しくマトモに潜れて居ないのではあるが、それでも浅い階層では一般の冒険者が保美潜って居る筈である。
この国の歴史では1つのダンジョンのスタンピードが起こると連鎖的に他のダンジョンもスタンピードをおこしたと言う笑えない歴史の1ページがあるとかで、義父も不安そうにして居た。
もしスタンピードが起きた場合王都のダンジョンのスタンピードを最優先で鎮火させて地方のダンジョンのスタンピードに対応する事になると言う。
そう言えばマリアの婚家の領地にはダンジョンが在った筈。
マリアに連絡を取ったら、幸いな事に今のところはスタンピードの兆候はないと言う。
彼方も孫がまだ小さいだけに気が気ではない。
万が一の際には真っ先に連絡をよこす様に言って電話を切ったのであった。
ジリジリとした日々が過ぎてスタンピードの第一報は王都では無く地方の子爵領で、王都に戦力を集めようとして居た矢先の出来事にアタフタとしたのであった。
とは言え、子爵領にはゲートは無くて、直接の救援が無理な為、最寄りのゲートまで言って俺が久々に空中からウィングスーツで駆けつけて、ゲートで救援を呼び込む事にしたのであった。
この子爵領は粗末ではあるものの、城壁に囲まれて居り、住民の死傷者は最低限で済んだのだった。
俺が到着するまでの3日間、籠城して、難を逃れ耐えきったのだった。
騎兵隊宜しく俺が駆けつけて空ゲートで魔法部隊400名を送り込んで、このスタンピードは、1週間で完全にカタが付いたのだった。
そしてホッとしたのもつかの間、今度は王都のスタンピードの一報が入る。
俺と魔法部隊はトンボ返りして、王都のスタンピードに着手するのであった。
それを皮切りに各地のダンジョンからスタンピードの報告が入ってくる・・・。
そしてその中に大事なマリアからの一報も混じっていたのであった。
俺は、魔法部隊の半数を取り敢えず、サーベールース侯爵家に派遣して残った半数の魔法部隊とで王都のダンジョンのスタンピードに対応する事にしたのであった。
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