第500話 スタンピードの余波と波乱

スタンピードの余波は何万近い魔物の死骸の処理もあって、一応急いで『時空間庫』やマジックバッグに保管して適切に解体してその素材を商会等に流すまでにかなりの時間を要したのであった。


それらの死骸をスッキリ処分出来るまでに軽く4ヵ月は掛かるのであった。


漸く俺達自体は魔物の亡骸を放出して身軽になってスッキリしていたが、巷の噂は俺達を放って置いてはくれなかったのであった。


具体的には、やれ『オオサワ家の魔法部隊』と『王宮魔法師団』のどっちが強いのか?とかシャレにならない話題が多く聞こえて来る内容に俺の方がヒヤヒヤするのであった。


尤も庶民は知らないかも知れないがよくよく考えて見ると、王宮魔法師団も元を正せば俺の魔法のテキストから派生した物となっているので、源流は両方共に同じと言えよう。


なのでそれらの事情を知っている王宮からして見れば、俺の所の魔法部隊が強いのは当たり前と考えてくれていそうだ。と気付くのであった。



しかし、それはさて置き、今回のギルドマスターの不正により起こったスタンピードに端を発っし、我が家の様に危険な魔物が住む森を領地に持つ貴族は我が家のパターンの様に本当に冒険者ギルドが空請求だけしているのではなくて、実際に監視して居るのかを再チェックする様になった。



これによって、少なからず不正が明るみになって改善されたのは良い影響と言えるだろう・・・。



今回の一件で新しくナーガのギルドマスターになったニコルさんはどことなくガラコさんを思い出す人物俺もホッとしたのであった。


気になって居たスタンピードの件に関する王宮からのお咎めであるが、全く何も無くてホッと一安心したのであった。


義父である宰相閣下曰く、ちゃんと最短で自己解決したのが良かったのでノーカウントだったらしい。


兎に角今回の一件もあって、今後は忙しくともローテーションを組んで魔法部隊でもっと間引きを行う様にする事にしたのであった。



ケンイチは一人前の17歳になり、今では俺の領主の仕事を2日に1日は手伝わせて居る。マリアは10歳になってギフトの儀を受けて立派なお姉ちゃんになって学校に通い始めて居る。ケンジは5歳となって、魔法もかなり覚えて我が家の有望蕪の1人となっている。


そうそうマリアは、やはり魔法の覚えが早く、家の魔法部隊と一緒に訓練する内にケンイチ同様に覚えるべき魔法の全てを覚え、剣術も閃光流もマスターし魔法良し、剣良し、器量よしのスーパーガールとなったのだった。


尤も殻付きは10歳の女の子なので男の様な筋肉質な感じでは無いが、何でもアリであれば同年代の男の子には勝負しても負けないののではないのだろうか?



しかし、そんな活発そだったマリアだが、意外にに外ではお淑やかな女の子で通して居る様で男女問わずにファンが多い様である。



父親としては娘が人気なのは嬉しいが、男は要らん!!と思ってしまうのはしょうがない事だろう。


とは言うものの、そんな気持ちもある反面、今世こそは娘が結婚して幸せに暮らす様を見届けたいと言う気になってしまう。


コロッと死ななければきっとそれも叶うだろう。


マリアが王立魔法騎士学校に通う様になって、早数ヶ月。


最近やたら会話の中に『サーベールース侯爵家』の『ケスラー君』なる不穏な名前がチョイチョイ出て来る様になったのだが、まさか家の可愛い前かにその某がちょっかい掛けて来て居るんでは無いかといても立ってもいられない今日この頃である。


その『サーベールース侯爵家』とやらには俺も城壁の発注を受けて魔法部隊と一緒に工事に訪れサーベールース侯爵とも挨拶をした記憶がある。そう言えばあの時同じ10歳位のとトロン居った顔のガキがチョロチョロしてた様な気もしないではない。


あれか!?あれが、『ケスラー君』だったのか。もし家のマリアに要らぬちょっかいを出して来て居るのなら、消し炭ににしてくれよう・・・。と悶々とする俺だった。


とか思っていたら、その『サーベールース侯爵家』とやらから正式な書簡が届いたのであった。



中身を読むと、驚く事に、家の可愛いマリアとその『ケスラー君』との婚約話であった。


手紙の内容によると、『ケスラー君』がマリアに一目惚れした様で切々とその気持ちが綴られて居る物が1枚混じっていた。


これはどうしたものか・・・。

ケリーに手紙を見せると、

「まぁ良い話じゃない。マリアに聞いてみたら?」と軽い感じに肯定して来たのだった。


そして、当の本人のマリアをケリーが呼んで『ケスラー君』の気持ちを綴った文選を見せると、頬を染めながらまんざらでもなさそうに便せんを抱きしめるマリア。


こうして、何故か知らんが女性2人の意見が多数決で通ってしまい、前向きな返事を返す事になったのだった。


何故だーーー!と叫びそうになったが、マリアも憎からず思って居た様で先のラブレターでグッときてしまったらしい。


だがしかし、まだお互い幼さの残る10歳である。


だから、13歳になるまで気持ちが変わらない様であれば婚約と言う形にしたのでった。


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