第499話 建築部門のお仕事受注 その2
王都の拡張工事と言う事で俺も放置は出来ずに他の工事と違って足繁く通う事にした。
新規の魔法部隊のある程度使える様になった者も含め総勢300人態勢で挑む事となり、城壁工事はオオサワ家の建築部門の一大プロジェクトとなったのであった。
王都でも今回の城壁の拡張工事は有名になって毎日の様に見物客が訪れる様になる程の観光スポットとなったのであった。
何となくこの状況に既視感を感じつつ子供等に現場を任せ、俺は働き易い様に細かい事に気を配って当面は縁の下の力持ちに徹したのであった。
具体的には魔力枯渇した者が順に休める休息小屋を完備したり魔力回復ポーションを手配したりである。
順調に滑り出した王都の工事に気を良くして、俺も一応歴史の1ページに参加するべく城壁の工事に参加して一番重要な城門の辺りを担当するのであった。
気持ちとしては東京タワーやスカイツリーの工事に参加する様な気分である。日本では出来なくてもここ異世界ならその規模の一大工事に参加出来るのだ。
そんな訳で俺も歴史的工事の1ページに子供等に混じって参加したのであった。
徐々に新規の魔法部隊の隊員を増員して行く事で建築部門はより早く効率的に工事を進める。
お陰で当初見込んで居た5年も掛からず4年半で工事を終えたのであった。
予定よりも早い工期で納めた事で国王陛下から大変お褒めの言葉を頂き、その分のボーナスも出たのであった。
その結果もうこの工事のお陰で、全員が早期退職しても一生食うに困らない位の金額は手にしたのだが、誰1人離職する者も無く我がヤに居続けてくれたのであった。
尤も、城壁の拡張工事は終わった物のの拡張エリアに紛れ込んだ魔物達を狩る為に大量の冒険者や騎士や兵士までも投入されて、紛れ込んで居るホーンラビットやゴブリンなどを全て狩り尽くしたのであった。
そして、それが終わった後に拡張エリアの開発が始まる訳である。
もうそれからの毎日は目まぐるしい毎日で毎日拡張エリアの何処彼処で工事が行われて居たのであった。
そして、俺達の城壁工事の終了から、2年が過ぎた頃に漸く王都の再開発が落ち着きを見せたのであった。
そしてこの全拡張工事の終わりを記念して、王都に新しい記念祭が作られて毎年王都民が俺達の労を労ってくれる事になったのであった。
さてこの工事の余波で、実質的に魔法部隊全体で300名を越える私兵を抱える事になったのだが、幸いな事に『建築部門』の印象が強すぎる為、実は国内最強の魔法部隊を王宮魔法師団並みに抱えて居るとは誰も気付いて居無かった。
過ぎたる何とかはトラブルの元ではあるものの、魔法部隊は我がヤの中核でもあるので解体するきも解散させる気も無い。
子供等の安寧の為にも余り悪目立ち為ぬ様に気を付けて運用しなければならないと心に誓う俺だった。
そうして月日は流れてそんな俺の誓いに逆行するかの様な出来事が起こってしまう。
最近トンと家の子らも足が遠のいて居た『深淵の森』からスタンピードが発生してしまったのだった。
通常、『深淵の森』の直接的な管理者はナーガの冒険者ギルドになっており、その監視と維持に年間で結構な金額を出資しているのであったが、どうややらナーガの冒険者ギルドのギルドマスターがピンハネして居たらしく、
実際に監視も間引きも行って居無かった事が後で発覚したのであった。
それに運悪く家の子らも王都の拡張工事に長い期間従事して居た事もあって、間引きが放置されて居た事になる。
ナーガも含め人的被害はほぼなかったものの、大急ぎで、俺も含め魔法部隊を出動させて、コーエン君指揮の下『深淵の森』のスタンピードの制圧に動くのであった。
『深淵の森』と言う比較的難関の場所のスタンピードで在るにも拘わらず、魔法部隊300名による掃討戦は激烈で、オオサワ家の魔法部隊の雄姿が一躍有名になってしまったのだった。
一般市民や冒険者の語り草で王国全域に広まってしまったのはチト宜しくなかったのだった。
尤も独自の力で大規模スタンピードを収めたのだから本来であれば文句を言われる筋合いも無いのだが・・・風評を気にする俺であった。
こうして、スタンピードは収めたものの、冒険者ギルド本部に第クレームを入れてナーガの冒険者ギルドのギルドマスターを更迭しちゃんとした人物に交代して貰う事にしたのであった。
結果として、急ギルドマスターは極刑となった消えて行った。
今回幸い人的被害が出なかったものの、1歩間違っていたら、何人被害が出ていたか判った物じゃない。だから極刑は当然であろう・・・。
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