第498話 建築部門のお仕事受注 その1
ケンイチは連日ダンジョンに潜るので二日に1回の俺はドンドンと差を埋められて来て居る。
父親の尊厳の為にもこれは看過出来ない。
そこで俺は一時的にペースを上げようかと思ったのだが現実がそれを許してくれなかった。
領主の仕事も子供等の指導も余り替えが効かないのだ。
魔法部隊の士気にも影響しそうなので余り顔を出さないのは良く無い。そこで、魔法部隊のエリート組のトップのコーエン君に部隊長を任せる事にして、少しだけ俺の手から外す事にしたのだった。
これで、子供等の指導と領主の志度と諸々を一日に圧縮して、ダンジョンアタックを1.5日に増やしたのであった。
あ、0.5日はケンジやマリアとの時間だから削れない。
こうして以前よりもペースが上がって、詰められていた差は徐々に元通りに開いたのであった。
と言うのも、ケンイチも徐々に厳しい階層に突入して来たのと王立魔法騎士学校が始まった事で、早々易々とクリアできないのである。
ケンイチとシルのペアには功を焦って無茶だけはしないように口を酸っぱくして言って在るので大丈夫だろう。
そんなケンイチ達を余所に俺はは何とか65階層まで進んで、ほくそ笑んでいたのだった。
ケンイチが学校に拘束されてる間が引き離すチャンスである。
そう思っているところに、またもや邪魔な・・・いや王宮経由で他の貴族から城壁拡張の依頼が入ってしまったのだった。
即座に断ろうかと思ったのだが魔法部隊の部隊長のコーエン君が張り切っており、請けないとは言い難い雰囲気で、結局流される様に請ける事になったのだった。
そうなると、俺もちょくちょく現場に顔を出して、先方の伯爵に挨拶せねばならずに暫くダンジョンアタックはお預けになのであった。
先方の伯爵は侯爵の俺が来ると、大喜びして、招いてくれるのは良いのだがなかなか工事に従事させて貰えず、それからは隠密モードで工事を行う様にしたのであった。
魔法部隊も既に幾つもの砦の城壁を修復しているので平気の筈であるが、都市の城壁は初めての仕事なので万が一に備えて、四六時中ではないものの俺がチョイチョイ監視をしていたのであった。
人数が多い事もあって工事の調子は非常に良い感じに進み、なかなか順調である。
この調子なら、俺が現場をそれ程監視する必要はないのかも知れない。
こうして、丸っと1年掛かりで大幅な都市の拡張に伴う城壁建築の工事が無事に完了したのであった。
長丁場の工事を無事に遣り切った子供等は既に子供と言うより成人した一人前の職人の顔をしていたのであった。
この工事を通して、大幅な魔力量アップとレベルアップを繰り返し、魔法部隊としても非情に頼もしい戦力になったのであった。
おれもチョイチョイ手伝っていたのだが残念ながらレベルアップはせず仕舞いであった。
こうして、建築部門としての初仕事を無事に済ませて皆がホッとしていると、その噂を聞いた貴族からの問い合わせが各地から山の様に届いてしまい、大変な事態になってしまったのだった。
ちょっと、金額設定を安くし過ぎたかも知れない・・・。
しょうがないので、理由を付けて徐々に金額をつり上げてそれでも是非と言う所だけ工事をすることにしたのであった。
尤も、後で知ったのだが、完全人力で建築するとなると、城壁の拡張はそうとうに大変で何年も掛かる・・・いや、下手をすると、何世代もかかる事業となるので、値上げした家の建築部門の金額のほうが激安だったらしい。
とは言え、期間はそれなりに掛かるので俺としては結構吹っ掛けたつもりだったのだけどな・・・。
何事も常識というものを知らないと加減が難しい物である。
こうして、我がヤの魔法部隊より改め建築部隊は魔法の修練も予て保美城壁の拡張工事に取り組んでいるのだった。
最初の伯爵の工事こそ監督しにいったものの、それ以降は最初の挨拶時の1日だけで、工事無い様の確認と無事の開始を見届けると、工事完了時の確認だけしか顔をみせなくても済む様になった。
とは言え、たまには労を労いに刺し入れを持って行ったりしているが、全く問題は出ていない。
そして漸く全ての工事予約分が終わった頃に、王都の拡張工事の話が義父経由で王宮から舞い込んで来たのであった。
これは所謂断れない奴である・・・。
しかも王都はこれまでの地方都市の城壁と違い現状でも相当に広い。つまり、それを拡張する訳だから相当数の期間が拘束されてしまう事になるのだ。
なので最悪子供等の意思次第では事wるつもりで腹を括って居たのだが、子供等はめを輝かせて王都の拡張工事をヤル気になっていたのだった。
こうして一世一代?の超大型拡張工事が始まったのであった。
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