第495話 我が家の新しいメンバーその2

ワフゥ~♪と朝からケンイチとマリアを起こしに来るシルの甘えた鳴き声で朝が始まる。

まあ何故か俺の所には来てくれないのだが良い大人なので拗ねたりなんてしない。



朝食の後午前中は子供等やマリアの魔法の訓練を見てやり指導をしてから、ダンジョンの日はダンジョンに行く。

仕事が溜まって居る時はそれから領主のお仕事である。


そして今日はダンジョンはお休みの日なので午後からも子供等の面倒を見たり、もう直ぐ出産の時期であるケリーの傍にいたのであった。


一応出産が終わるまでは何時出産が始まっても良い様に男女はお休みする予定にして居る。

何が出来る訳では無いが命を救える可能性が在るとすれば俺であるから、出来るだけ外出は控える様にして居るのである。


オオサワ魔法部隊もエリート達は15名程居り、彼等はかなりの使い手となって居る。それに続く準エリート部隊が30名位だろうか、まだまだ年齢の若い子ばかりなので期待が出来る。


今度ケンイチに森の魔物討伐に同行させようかと考えてるところであったりする。


勿論俺も補助で付いて行くつもりだが、それもこれもケリーの出産が終わってからである。



半月も立たずして、ケリーの陣痛が始まって、固唾を呑んで廊下で待機していると、マリアの時より早いタイミングで産声が聞こえて来た。


どうやら無事に生まれたらしい。ホッと息を付いて今度は男の子か女の子かを楽しみに待って居ると、スタッフが分娩室に俺を通してくれたのだった。


「おめでとうございます。元気な男の子ですよ。」と言うスタッフにお礼を言って根ゲラ医つつ、ケリーにも労を労って幼い我が子を抱かせて貰ったのだった。


「男の子かケンイチの次だから、賢二ケンジだな。」と俺にしか判らない様な事を呟きつつもケンジと命名したのであった。


「ケンジちゃん、お父様が素敵な名前を付けてくれたわよ。」と言うケリーに少し後ろめたい気持ちになりながらもケリーとケンジにクリーンとヒールを掛けて念の為に体調を完璧にするのであった。


子供が産まれたと聞き付けたマリアを抱っこして、ケンジに会わせてやったら、産まれたばかりの弟を覗き込んでお姉ちゃんになった事を素直に喜ぶマリア。


「ケンジ、ケンジちゃんね。おねぇちゃんのマリアよ。早く大きくなって一緒に遊ぼうね!」と語り掛けるマリア。


結局その後ケンジは初乳を飲んで寝て仕舞ったので俺達2人は部屋の外に退散したのであった。


興奮醒めやらぬマリアと共に魔法の訓練に付き合ってやり魔力枯渇をしたので部屋に送り届けてベッドに寝かしつけたのであった。


この日の夕方近くにケンイチが帰って来てケンジの誕生を知って慌ててクリーンを掛けて母のケリーの元を訪れるも、2人共に授乳も終わって寝て居る最中で起こす訳にもいかずにその日は会うのをだんねんしたのであった。



翌日ケンジに会ったケンイチも大喜びをして、3人兄妹の長男としてのキリリとした顔付きをしていたのであった。



漸く出産も終わって一息付いたので、子供等・・・特にオオサワ魔法部隊のエリート組を連れて『深淵の森』では無く普通の森に行く事にした。


これには俺も同伴して、安全に子供等に経験を積ませる為である。



普通の森で約1ヵ月慣れさせて、次に準エリート組も混ぜて混成部隊で普通の森での魔物狩りを更に1ヵ月。


全員がなれたのを確認してから、普通の森から『深淵の森』に場所をグレードアップしたのであった。


最初は少し緊張で斯くなっていた子供等だったが、危なげ無い戦いっぷりで、文句の付けようが無かった。


尤も、ゲートも『時空間庫』も覚えてないのでまだまだ覚える事は沢山あるのだが、取り敢えず、自分の身を守る以上の事は問題無い事が確認出来たのであった。



これを3ヵ月位続けレベルがソコソコに上がった後、イヨイヨ、隠密モードやゲートも『時空間庫』等の高等な特殊魔法や閃光流の剣術も本格的に教える事にしたのであった。


ここからケンイチと同等の魔法を教え込むのにエリート組で約5ヵ月。準エリート組も含めると更に約半年を要したのであった。


お陰で個々では向き不向きはあれどオオサワ魔法部部隊はかなり優秀な魔法部隊となったのであった。

王宮魔法師団も優秀ではあるのだが俺固有の魔法は覚えていないので、有る意味王国一優秀なのは家の子らかも知れない。


今では後から入って来た子供等の育成も任せて居り日々優秀な後続が育っているのである。


この調子で頑張って貰って是非とも俺の出番が無い様にして欲しい物で在る。





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