第493話 その後の日々
気が付けばケンイチも9歳となって、マリアは5歳となっていた。
何か一番可愛い頃にバタバタしいて大事なシーンを多く見過ごしてしまって居る事に内心腹がたつが、幸いな事に2人共非常に素直で良い子に育っている。
2人共に魔法の才能に恵まれていて、ケンイチはもう何時でもダンジョンデビュー出来る程の魔法使いになっていて、今やナーガの横の『深淵の森』で狩りを行って居る程である。片やマリアは小さいながらも毎日努力しており、魔力量も相当上がってきた様である。
ケンイチに関しては既に教えるべき魔法も剣術もほぼ教えたので免許皆伝と言って良い状態である。残るは広域攻撃魔法の一部位だろうか。
これかえらの2人の成長が楽しみでならない・・・。
そうそう、愛妻のケリーであるが、現在第三子を妊娠中で日々穏やかに過ごして居る。
さてオオサワ魔法部隊だが、今のところ、子供等の中から特に才能のある子を抜粋してその適正に応じた運用になる様にと配置し指導を続けて居る。
当初オールラウンドな魔法部隊を考えて居たが、性格的に人を傷付ける事が出来ない者に無理にその役目をさせるのは忍びないので、適材適所を考慮した形である。
そんなオオサワ魔法部隊も徐々にではあるが、その人数や練度も上がって行くのであった。
もう少し早いタイミングであれば是非ともあの斯く都市の城壁修復を手伝って欲しかったと思う俺であった。
さて、マンチェスター帝国側から貰う物もタンマリと頂いたので当面無駄に動く必要も無い程であるが、働く父の背中を子供に見せる為にも程良く働いて居る必要がある。
そうそう、先の2回の大戦で爵位は上がらなかったが、アインツブルク王国で最高の勲章を叙勲した。
まあ所謂、箔付けってことである。
それはそうと、大戦のドサクサもあって破壊工作でマンチェスター帝国側から頂いた食料を含む多大な物資を借りパク状態で忘れ去られて居るのだがこれはイザと言う時の為に暫くこのまま俺が預かって置く事で良いのだろうか?
先日の砦で多少食料を出したものの、あの消費量は全体の誤差でしか無い。
元々一国の備蓄をかなりの量俺がかっぱらった訳で、それがそのまま俺の『時空間庫』に眠って居る訳だ。
まあ、機会が在れば有効に使わせて頂こう。
しかし、国家レベルの飢饉や不作等が無い限り出番は無いかも知れないな。
こうして、日々ノンビリと子供等の指導や領主の仕事等を熟して過ごして行く。
多少日々の動きに余裕が出来たので、久々にダンジョンアタックの再開する事にして王都ダンジョンに潜るのであった。
軽く台40階層台で肩慣らしをして、から、第58階層の続きを行う事にする俺。
やはり、錆っていた年月が長い為に勘の戻りが遅く、5日間程ウォームアップをしてから最深部を目指し始めるのであった。
58階層は兎に角魔物密度が凄くて、簡単には撃破出来ずに苦戦を強いられてしまう。
しかし、徐々にではあるが、以前のキレが戻って来て、並み居る魔物を黄金丸で斬り倒しつつ魔法を駆使して58階層を制覇するのであった。
3ヵ月掛かりで、台60階層のボス部屋に到達し、オーガの上位種のオーガキングとその配下のレッド・オーガを倒してだ61階層に到達した俺は、
その功績が冒険者ギルドに認められて、Sランク冒険者へとランクアップしたのであった。
61階層からは階層のこれまでのオープスペース的なフィールドとはイメージが変わって、鍾乳洞の洞窟の様なフィールドになって、死角が多く何時不意打ちを受ける判り難い。
この階層で出て来た最初の魔物はバジリスクで、いきなり石化のデバフ攻撃を受けて、
どうもこのデバフ攻撃は非常に厄介で、奴の視界に入る前に決着を付ける必要がある。
とは言っても、視界に入らなければ、デバフ対象に入らない様で、俺は隠密モードで地震を透明化して、奴のデバフの網から逃れる事に成功したのであった。
相手に見えなければ怖く無いと言う訳である。
これによって、ワラワラと寄って来るバジリスクを軒並みサクサクと薙ぎ倒し、先へと進むのであった。
因みに、このバジリスク、冒険者ギルドの方で良い値で買い取ってくれたので懐もホクホクであった。
冒険者で稼がなくとも件の城壁の修復や魔法の教科書の方で唸る様なお金を稼いで居るので幾らでも関係無いと思われるかも知れないが、冒険者として身一つで稼ぐ事に意味があるのである。
こうして、2ヵ月程で61階層をクリアして、台62階層へと突き進むのであった。
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