第492話
結局属国連合の要望を叶える形で譲歩し、反乱の大戦でマンチェスター帝国はこれまでの属国の利権の殆どを手放す事となり、一見円満解決に見えた結末もマンチェスター帝国内では不満を残す火種となったのだった。
とは言え、そもそもが他国のせいとうな権利を武力で奪ったのが過去のマンチェスター帝国である。しかも、その反乱を抑えたのが俺1人による物となれば大きな顔して文句も言えずに結局押し黙るしかないのであった。
固定式ゲートの設置で+2点したところに今回の戦争の後始末の利権の放棄で減点5と言った所だろうか。トータルすると、-3点と赤字なのだが、庶民にして見れば戦争が無くなりゲートで聞きが良くなる事の方が重要で、不満は貴族共に限られて居る様ではあった。
今回の件もあって、俺はもっと実戦に向けた教育方法に切り替える様に王立魔法騎士学校の魔法教育の改善を王宮に提言するのであった。
俺の作った魔法の教科書のこの世界の言語翻訳版を王宮魔術師団にも渡して検討して貰い現実としてその遣り方で2つの大戦を勝利に導いた俺の提言は王宮でも無視は出来ずに前向きに検討されるのであった。
つまりここで初めて変な2つ名が役に立ったと言う事だろう。
俺は改訂版の魔法の教科書を増産して王立魔法騎士学校に売りつけたのであった。
こうして、王国の魔法の技量が大幅に上がり、史上最強の王宮魔法師団と言われる様になるのはもう十数年先の別の話である。
俺はこの2回の大戦での人人材不足の教訓を基に自分の背後を任せられる人材の育成本格的に取りか掛かった。これまで以上に配下の子供達の魔法教育にも一層力を入れて、戦って良し建設して良しのオールラウンドなオオサワ魔法部隊を作ろうとするのであった。
尤もこればかりは各人の魔力量や才能の問題もあるのでそう思った様には簡単に行かないのだった。
そして数ヶ月も経たない内に大戦の余波の残る帝都からまたもや総督のヘルプコールが俺宛に王宮経由で入ったのであった。
反乱はなんとかしたのに今更何?っってお思っていたら、城壁の件で泣きが入ったらしく、皇城と帝都の城壁だけでもなんとかして欲しいとの要請であった。
そりゃあ、俺のした事だし、俺が修復するのが最も早いのは理解出来るが、総督曰く、玄関を開けっぱなしと同じ状態で治安が悪化するので何とか早急にして欲しいと言う事の様である。
結局この所為でダンジョンアタックにも行けず、良いお金にもなる事もあって子供らに魔法を教える以外の日々で修復を引き受けたのであった。
まあここら辺でマンチェスター帝国の人間にも城壁が誰の仕業かバレてしまった様なので前世よりもパワーアップした土木作業力で向上の城壁から修復を始めるのであった。
皇城の城壁を僅か数週間で修復し、残帝都の長い長い城壁をこれまた僅か半年で修復し終えたのであった。
土木工事でも経験値が入った様で大望のレベルアップを果たし、現在の俺のステータスは下記の通りである。
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名前:マルク・フォン・オオサワ
レベル:23
HP:395/395
MP:8156/8156
ギフト:異常耐性 物理耐性 魔法耐性 頑強 魔法 鑑定EX 魔力感知 魔力操作 剣術 投擲 魔力超回復 偽装 錬金 料理
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先の2回の大戦での大量虐殺のレベルアップと違って今回のレベルアップは普通に嬉しい誤算だった。
しかも気付けばレベル20台の良い所まで来て居る。
これでレベルアップ出来るのであればお金の実入りと言い申し分無い。
ここでこれなら他の都市の城壁の修復を請け負うのも吝かでは無い。
と思ってほくそ笑む俺であった。
こうして、修復工事完了後ヤンワリと総督にその旨を伝えると明るい顔になって、政治的な交渉の切り札とさせて貰うと良い笑顔で言われたのであった。
しかし、その切り札は思いの外早く切られた様で落ち着く間も無く帝都の復活を聞き付けた貴族共に切られたらしい。
まあ良い値になるので文句は言わないが実にマッチポンプな絵図に悪徳リフォームをやっている気分になる俺であった。
結局、俺の破壊工作が行われた各都市全てを修復して廻って気付けば1年がアッと言う間に過ぎていたのであった。
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