第472話 入学式とクラスメート
入試も終わって合格発表も終えて当然の様に首席で合格を果たす俺。
その一報はアマリスによって、ドルビー領の父親の元へと報告された。
これは血日尾やによって、合否の結果や順番を報告する様に指示されていたらしいので一応沮止する事も出来たのだが、今後の事も考えて敢えて報告を許可した為である。
詰まるところ、どうせ隠蔽したり裏切らせるならもっと有意義なところでと言う算段である。
こうして入学式の当日を迎え、真新しい制服に身を包んで王立魔法騎士学校の校門を潜ったのだった。
クラス分けが表示された紙を確認すると当然の様にSクラスの一番最初に名前が書かれていた。
講堂に導かれて席に着いて15分くらいすると漸く入学式画始まり、初っ端からクソ長い校長のスピーチで地獄の様な時を過ごし、漸く俺の首席のスピーチの順番となったのだった。
そこで俺は壇上に上がって、「下手な者ほどスピーチが長いと言うので簡潔に済ませます。これから3年共に精進し高め合おう! 以上、マルク・フォン・ドルビー。」と纏めたのであった。
俺の意図が分かったのか、学生達からは拍手喝采を浴びて揚々と壇上から自分の席に戻ったのであった。
網2回目の学園生活とあっては新鮮さもなくて、当主でもないのでそれ程真面目にやる気もない、『高め合おう』などと言ったが、当の本人はそれ程熱く無いのであった。
Sクラスの教室に行くと、10名のクラスメイトが待ち構えて居た。
俺と同じ伯爵家のコーネリアスと言う女の子、
王族の1人であるアルテーラ王女、
侯爵家のゼットンという男の子、
公爵家のエリーと言う女の子、
子爵家のワイスという男の子、
男爵家のキャリーと言う女の子、
子爵家のハンメルと言う男の子、
その他、庶民のケラー、ロック、ジェイドと言う男の子であった。
「さっきも壇上で言ったと思うが、マルク・フォン・ドルビー。ドルビー伯爵家のはみ出し次男坊だ。ざっくばらんによろしく頼む。」と挨拶をすると、ワイワイと寄って来て話始める。
一応、学校内は身分による差別はないので、庶民組のケラー、ロック、ジェイドも怖ず怖ずと近寄って来て挨拶の言葉を発する。
「学校内は身分による差別はないから気にせずに話そうぜ。な!」と俺が言うと少し庶民組3人の表情が明るくなるのであった。
そしてアルテーラ王女の持ち物がチラリと目に入ると、何とさっそく、俺の発売したマジックバッグをお持ちの様で。
俺は型違いのマジックバッグを使っているのでバレて無いけど、王女殿下のそれはちと厳つい。
次回のロット作成時には女性向けの小洒落たデザインのラインナップを増やしたいと思う俺であった。
何か知らないが入試の時の俺の事がスッカリ有名になって居るらしく、ヤケにみんなが俺に寄って来ると言うか話掛けて来る。
「なあマルク、お前入試の時無詠唱で5個の的を同時にぶっ壊したって聞いたけど本当か?」と聞いて来るゼットン。
「ああ、確かに、5発同時に展開して破壊したな。」と狩る良く答えると、「やっぱりか、すっげーな!」と賞賛して来る。
「それに剣術試験の時は試験官に負けなかったと聞いて居りますわ。」と言って少し頬を染めるコーネリアス。
「それよりも、魔法量の水晶玉の輝きが太陽の様であったと聞きましたわ。凄すぎます。」と言うアルテーラ王女。
どうやら、少し悪目立ちし過ぎてしまったらしい。
王立魔法騎士学校は毎日教室で全員一緒に授業を受ける事になるのだが、前世の王立学園の時の様に単位取得によるスキップ制度はないのである。
これはかなり痛い誤算であった。
こうして、毎日午前中の大事な時間を王立魔法騎士学校に裂かれる事となったので計画が大きく遅れる事となったのであった。
一応、1週間はサボらずに毎日学校に赴いて『受ける必要の無い』授業を受けて時間を浪費する俺。
2主観目からの俺は流石にキツイ物があったので、学校側とスキップ制度を交渉してみるのであった。
「と言う事で試験で必要な知識が有る事を実証すれば授業は免除して頂きたい。時間は有限なので無駄にしたくないのですよ。」と校長に掛け合う俺。
無駄と言う言葉にカチンときたのか校長は1回こっきりのテストで全教科ごうかくしたら、1学年の授業免除を呑んだのであった。
恐らく合格はしないと思っているのであろう。舐めて貰っては困る。こちとらは、幼少の頃より全ての知識を意欲的に取り込んで来たし、戦闘においても然りである。
テスト問題を作るまで5日を空けて5日後に俺の願いを賭けたスキップ試験を行う事になったのだった。
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