第464話 スタートダッシュ その4
冒険者ギルドまでアマリスに案内して貰って歩いて行って冒険者ギルドの扉を開けて入ると、中にはむさ苦しい冒険者が沢山居て汗と皮鎧のの匂いに混じって魔物の血の臭いが微かに漂って居た。
「いらっしゃいませ、冒険者ギルドにようこそ!どう言ったご用件でしょうか?」と笑顔の美人の受付嬢に声を掛けられた。
「どうも。今日は『ギフトの儀』も終わったので冒険者の登録をお願いしに来ました。」と言うと、微笑みながら紙を出して、
「問うとくには銅貨3枚掛かりますが宜しいでしょうか? 宜しければこちらの用紙にご記入ください。」と言って来た。
俺は頷きつつ用紙を受け取る。
用紙には名前とギフトを記入する欄があって、名前はマルスとだけ記入して、ギフトは偽装で隠していない『魔法』と『剣術』のみを記入しておいた。
記入済みの用紙を提出すると、
「はい、では此方のカードに血を一滴垂らしてください。」と銅製の板で作られてる冒険者カードを差し出してきた。
針で指先を刺して血を一滴垂らして少しカードが光って収まった。
「はい、これで此方のカードはマルス様のカードとして登録が完了しました。無くさない様にして下さい。再発行には銀貨1枚が掛かります。」と注意をしてくれたのだった。
「最初はGランクなのでGランクか1つ上のFランクまでの依頼しか請けることが出来ませんのでご注意下さい。」と説明してくれた。
Gランクの依頼は主に街の中のお遣いクエストや、街の外で薬草を摘むぐらいの物で討伐系は含まれない。
ごく一般的なセオリー通りの物であった。
この世界の冒険者のランクはGから始まりSランクまで8段階に分かれて居る。先にも説明された通り、自分のランクの1つ上のランクの依頼まで請ける事が可能で、討伐系はFランク以上にならないと請けられない。
但し、Gランクで、試験を受けて合格すると、まどろっこしいGランクのお遣いクエストを請ける事無くFランクに上がる事が可能で在ると言う。なので、早速そのしけんとやらを受ける事にして尾永井してみた。
時間が掛かりそうなのでアマリスには先に屋敷に帰って良いと言ったのだが最後まで一緒に居ると言うので詫びを入れつつ待って貰う事にした。
直ぐに試験官がやって来て、冒険者ギルド裏の訓練場へと案内されて、刃をつぶしてある片手剣を手渡されて、模擬戦が始まったのだった。
俺は魔装と、身体強化を適度に織り交ぜつつ、試験開始と同時にダッシュして試験官の懐に潜り込んで底掌を軽めに打ち込んで、くの字に身体を歪めた所に首筋に右手に持った片手剣を寸止めで宛てたのだった。
結果は文句の付けようの無い完勝で一足跳びで、GランクからFランクに上がってスタートダッシュに成功したのであった。
尚10歳の登録当日にFランクに上がったのはここの冒険者ギルド始まって依頼初だそうで、担当してくれた受付嬢に大層驚かれたのであった。
こうして、無事に冒険者登録も終わった俺は待っててくれたアマリスと共に屋敷に戻るのであった。
さて、濃い1日が終わって翌日からおれの冒険者としての活動が本格始動するのだが、取り敢えず、常設依頼から行う事として、折角ランクアップしたのに、ていばんお薬草摘みや、ホーンラビットの討伐を行うのであった。
薬草摘みをした理由は自分で前世の様に『錬金術』でポーションを作れないかと言う実験をしたかった為である。
裏山で、目的の薬草である。『マギナヒール草』や『モクセン草』を適度に残しながら摘んで行く。 基本裏山は我が家の敷地内みたいな扱いなので、独占出来る狩り場ではあるのだ。
そこで、今となってはレベルアップの経験値の足しにもならないホーンラビットを10匹ぐらい狩って午後になる前に冒険者ギルドに提出しに持って行くのであった。
先日登録でお世話になった受付嬢のマギーさんの所に並んで、麻袋に詰め替えて置いたホーンラビット10匹を提出すると、驚いてくれたのだった。更に斜めに掛けたショルダーバッグから、摘んだ薬草を提出すると、その鮮度と摘み方を褒めてくれたのであった。
全ての買い取り金額は、
ちなみにこの世界のお金の単位はギルとなっており、貨幣と勝ちは下記の通りとなって居る。
アマリスに聞いた限りでは物にもよるが物価的には大体日本円と同等の価値と思って貰えば大丈夫かと思う。
大黒曜貨・・・・百億円(百億ギル)
黒曜貨・・・・一億円(一億ギル)
白金貨・・・一千万円(千万ギル)
大金貨・・・・百万円(百万ギル)
金貨・・・・・十万円(十万ギル)
銀貨・・・・・一万円(一万ギル)
大銅貨・・・・一千円(一千ギル)
銅貨・・・・・・百円(百ギル)
そんな訳で子供の初任給としては破格値の初収入を得た俺は『ルンルン気分』で屋敷に帰宅したのであった。
俺は来る日も来る日も同じ様に常設依頼を熟し続け、10日が経った頃、規定を満たしたとの事でマギーさんより、ランクアップを告げられたのであった。
「マルク君、おめでとう。今日で来て居を満たしたのでEランクに昇格ですよ。」と最近『君呼び』するくらいに気さくになったマギーさんから微笑みかけられた。
これで晴れて本格的に『ダンジョンに入る資格』を得た事になる。 そう、ダンジョンに潜る為にはさいていでもEランクが必要となり、それを密かに目指していたのであった。
そして、ダンジョンに春歳の注意事項をマギーさんから神妙な顔で聞いて浮かれて屋敷に戻ったのであった。
翌日、まっ先にダンジョンには行かずに職人街にの防具屋に寄って、身体のサイズにあった皮鎧を見るも、身体が小さすぎて丁度良いのが見つからず、結局その日は何も防具を身に着けずにダンジョンに初出勤するのであった。
さて、先日のマギーさんからの注意事項では、パーティーを組み防具を用意する事と言われたのだが、何れもスルーして居る事になる。
まあ、俺の場合マルチギフテッドがバレるのも問題なので秘密保持のためにもソロで行く予定であるが、防具は近々に何とかしたい。
一応店の親父にオーダーした場合の値段は聞いたのだが
価格は言いのだが1週間は流石に長いので1度潜ってみて様子をみてから再度どうするか決めようと思ったのだった。
と言うのもケチる訳じゃ無いが、現在成長期の真っ最中なのでアッと言う間に着られなくなりそうな気がして居て、毎回作るよりも、吊るしの皮鎧が着れる位になってからでも良いんじゃね?と思ってしまったのだ。
それに前世では長らく魔装だけで守って来たから今世でも・・・その流れで良いかなと・・・。
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