第461話 スタートダッシュ その1

前世の記憶が戻ってから早1週間が過ぎた。


毎日魔力を枯渇させ続けているお陰で魔力も少しずつ増えて来て居る。


今のステータスは下記の通りである。

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名前:マルク・フォン・ドルビー

レベル:1

HP:5/5

MP:12/12


ギフト:異常耐性 物理耐性 魔法耐性 頑強 魔法 鑑定 魔力感知 魔力操作


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毎日魔力感知と魔力操作を使って居たら、ギフトが増えたのだ。これが所謂後発的に増えると言うパターンの奴だろう。


そうと判ればボヤボヤして居る場合ではない。まだ5才とは言え剣術ヤなんか出来る事を増やすのが得策だろう。


そして、兄マークの暴力に対抗する力を手に入れなければならない。


ここまでされていて、父親は何をしているんだ?って思うけれど、どうやら、俺の生みの母親が産後に無くなった事で俺への興味が失せてしまった様で俺の境遇に全く気付いてないらしいと言う事がこれまでの記憶から読み取れた。



控え目に言っても最低な父親である。


しかし救いなのは13歳になったマークは王都の貴族の子弟が集まる王立魔法騎士学校へともう直ぐ旅立つのでこれから3年間は平和になる筈なので在る。




まあ3年後に帰って来るのでそれまでに地力を付けておかないと、こっちの命が危うい。


そして早速俺は俺付きのメイドのアマリスに言って俺の身体のサイズに合った木剣を用意して貰うのであった。



翌日から素振りを始め閃光流の型の稽古を行って汗を掻く俺。


そんな俺へちょっかいを出して来るマークを避けて裏庭で密かに、訓練を続けるのであった。


漸く魔力操作で魔力を巡らせながら剣術の型の動きが様になって来た頃になると、少しだけ身体強化の効果が出せる様になって来たのか、振る木剣からビュンと言う風切り音がする様になったのであった。



尤も、その効果が出せるのはほんの一瞬だけで、直ぐに魔力枯渇になってしまうので、体内を巡らせる魔力量を自然とセーブする癖が付いたのであった。


これのお陰で魔力燃費が良くなるのだがそれに気付くのはもう少し先の事である。


さて、俺のこの家での立ち位置や扱いは大体ご理解頂けたであろうか?


正妻の子では無い事で非常に肩身の狭い思いをしており、父親からは無関心を、正妻と兄マークからは悪意を向けられて居るのである。


それに伴って屋敷のメイドや従業員からの扱われ方もおざなりで、母の生前からの流れで俺付きとなったアマリス以外は空気の様に扱われて居るのである。


それでも流石に着る物や食事にかんしてはそれぞれ頂いて居るのでなんとかなって居るのである。


「・・・にしても、なんともハードな環境だな。(中身がオッサンの)俺出なければ挫けるところだろ!」と心の中で毒突きながら、自分の部屋で1人アマリスの運んで来た冷めた料理を黙々と食べる俺。



そう、おれだけはいつの間にか自室で1人で食べる様になっていてそれが慣例となってしまっているのである。



最後に父親の顔を見たのは数ヶ月以上前である。 よって今の俺にその顔を思い出せと言われても、父の顔も正妻の顔も思い出せない。


俺が生まれて間も無く母が亡くなったので母の顔は判らないのだが、ジェニーやアマリスの話では俺に似た顔付きの美人だったらしい。


混戦の俺は黒目黒髪で、父親と全く似ていない。この母親譲りの黒目黒髪の所為で余計に正妻やマークからの当たりが厳しいのもある様である。


兎に角ある程度の歳になったら早めにこの家を出て独り立ちしておさらばするとしよう。


我が家には伯爵家だけあって図書室があって相当の蔵書がしまわれて居る。


俺はその中からこの国の地理や周辺国家に関する書物やまほう関連の書物をピックアップして部屋に持ち込み来るべき時に備えて空いた時間で自習しているのである。


この国の名はアインツブルク王国と言って、500年以上の歴史を誇って居る。


初代国王陛下は、一説では竜の血を引くとも言われている魔法と武力に秀でた人物で、周辺各国からの侵略を撥ね除けてこの国を建国したと言う。


まあよくある建国神話の1つである。


それもあってか、この国の国旗には竜の紋章が入って居るのである。



まあここまで呼んでクスッと笑ってしまう俺であった。


前世で散々竜を殺し廻ったドラゴンスレイヤーの俺にとっては実に下らない話である。


こうして、日々訓練と学習に明け暮れるのであった・・・。



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