第450話2 長い戦い
かれこれ戦闘を始めて既に6時間以上が過ぎている。
相手は第90階層の巨大なボス部屋の主であるバハムートと言うどうやら特級クラスのドラゴン種である。
このバハムート、回復力が凄くてトドメをさせないで居る状況なのだ。
既に帰宅予定時間は過ぎて居り、一応戦闘しながら、帰宅がおくれる旨の連絡を自宅に入れたが、この調子ではまだまだ掛かりそうである。
いい加減イライラとして来るが、久々の大物相手である。ヤル気が漲っているのだ。
実質奴の攻撃は全く俺に当たらず全て避けて見せて居るので奴自身も相当にイライラしているらしく、合間合間にギャガー!とイライラぶつける様に吠えて居る。
一応のその吠える声に某かの威圧効果が混じって居るのかも知れないが俺には全く精神的な萎縮も怯えも無い。アドレナリン全開である。
何度か首を切断仕掛けたが硬いのと異常なまでの回復速度で、一瞬の後に切断面がくっついて復元してしまった。
それが既に六回程会ったりする。
奴自身はそれ程俊敏ではないので俺からの攻撃は割と当たるのだが、空間斬を使っても前記の通りに瞬間的に回復復元してしまうので、現在もなお我慢比べとなって居る。
奴からのブレス攻撃やかぎ爪や尻尾による攻撃は余程俺が油断しない限り当たる事は無いと思う。
しかし、自体は業を煮やした奴が分身体を作り出したところで流れが変わった。
今まで1匹でさえ持て余して居た俺にいきなり敵の数が2倍になったのである。
増えた1体に攻撃して見たところ、どうやら増えた分体にも実体があるらしい。
あわよくば実体の無い幻では?と期待していた俺は愕然としてしまったのだった。
しかし試しに奴の分体の攻撃を『時空壁』で受けて見た所、分体の方の攻撃力は本隊程の質量が乗って無い事が判ってしまった。
つまり、分体は本隊から、中身を半分分けて薄い密度で出来て居ると言う事だろう。
であれば、ヤルなら分体からである。
俺はターゲットを分体にロックオンして執拗にこうげきを仕掛けたそして空間斬で奴の尻尾をちょん切ってやると、本隊程の瞬間的な回復力は無く、クッ突くことの無いままに尻尾切りに成功したのであった。
そうして今後は分体の胴体へのこうげきを増やして行って30分ぐらいのしとうの末に、胴体に無数の斬り込みを入れて最後に分体の首を刎ねてやったのだった。
そうするとどうだろう!?ギャガーと悲痛な鳴き声を上げる本体。
どうやら、分体が倒された影響で本体側にも影響があるらしい。分体に分けて与えた半分の身体の中身?は戻ってこなくなって今の本体は最初程の迫力さえ無くなって居る。
其処で俺は先程分体に取ったのと同じ戦法で、まずは尻尾を攻撃して行き、何度も斬り込みを入れてやる。
一応回復は掛かるのだが、最初の頃程の瞬間的な修復では無く、まえより時間が掛かっている。
その隙に、何度も空間斬で切り離し手ヤルと、遂には修復が間に合わずに尻尾は刎ねられた状態になってしまった。
こうなったらこっちの物である。
奴は、尻尾で身体の動作のバランスを取って居るので尻尾が無いと、素早い動作も俺からの攻撃を避けることもできないのだ。
こうして、胴体に狙いを付けて奴をジワジワと弱らせて行く俺。
そうして、更に30分の時間だ過ぎた頃漸く奴の回復力がそこを付いた頃合いを見て、空間斬で首を刎ねたのだった。
頭の中で、ピロンとチャイムが2度鳴ってレベルアップを知らせて来た。
そして現在のステータスは、
名前:トージ
称号:(御使い)/(大賢者)
AGE:47
LEVEL:33
HP:829/907
MP:1784/18828
力:910
知能:909
器用:914
俊敏:910
スキル:剣術A/格闘C/投擲C/身体強化/魔装/鑑定EX(アーカイブコンタクト型)/隠密B/(隠匿)/(日本の英知)/魔力感知A/魔力操作A/錬金A(A)/並列処理S
魔法:無S/土S(S)/火S(S)/水A(S)/風S(S)/光S(S)/聖S(S)/時空EX(S)/生活/雷S(S)
※()内は魂に刻まれた才能値を表す一般には見えない
分体も倒したからだろうか?2レベルアップを果たした俺は有頂天になって小躍りするのであった。
俺は直ぐに自宅に電話を入れてカタが付いたので回収次第戻ると連絡したのであった。
巨大なバハムート2体分を回収し、クリーンを入念に掛けてサッパリしてからポータルに登録した後、ゲートで自宅に戻ったのであった・・・。
自宅に戻って食堂で遅くなった夕飯を一人で食べようとして居ると、俺が戻って来たのを聞き付けたマーガレットや子供達も集まって着て、土産話を要求して来た。
そこで、分身を使うバハムートの事を正直にはなして、掻い摘まんで何だかんだで9時間近くなった戦闘の話をしたのであった。
そして最後に2レベル一気に上がった事を告げると少し羨ましそうな眼差しを向けられるのであった。
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