第449話 日々の精進

ダンジョンと講義の無い日は2人の孫に魔法を希に教えたりしながらノンビリと暮らしている訳だが、講師業も殆ど名著会長的なポジションになって来たので撤退を考えて居る今日この頃である。


今まで既に何百人かの弟子と言ってもおかしく無い教え子を世に送り出して来たのである。


つまり現在『オオサワ流』の魔法で飯を食っている人物の殆どに俺が拘わって育てて来たのだ。


そしてその大半が更に弟子を育てて居るのである。今や我が『オオサワ流』がこの国の魔法の基盤と言っても差し支え無いだろう。


まあその中心に俺が居る訳だが、その立場に恥じない様に勤勉に魔法を発展させねばならないと気を引き締めるのであった。


皆にも言って来た事だが常にダンジョン等で切磋琢磨するようにと教訓として伝えてある。


まあ俺の場合はその来が会っても状況的にダンジョンを休まざるを得ない事が多いのだがな。



さて俺のモーリーダンジョンの攻略はソコソコ順調に進んでおり、現在第83階層を過ぎて魔物の強さはそうでもないものの、広さが広大となってなかなか下層への階段に辿り着けない状況である。


そして俺の魔装を突き破る程の強力な魔物も居らずに間引きをしながら日々進むのであった。


まあモーリー伯爵領は俺の提出するダンジョン素材によって潤って居る様で時々、お礼の電話が掛かって来る。


国内のダンジョンは魔法師団や俺の弟子の何れかが攻にてを付けて居り今のところ誰も未着手と言うダンジョンは無い様である。


と言えば安心な様に思えるが、魔法師団の連中は問題無いのだが、その他の弟子達の家全員が全員ゲートが使える訳では無いのだ。


こればかりは個人のセンスの問題だろうか、幾ら教え手も一定数はゲートを習得出来なかったのである。


つまり、それらの人物は残念ながら空間斬も使えないと言う訳だ。


なので、我が家の子供等と同じフルスペックを使えるのは魔法師団の連中だけと言う事である。


これだけでも王立学園の在学中に詰め込めただけでも素晴らしい事だと俺も自画自賛してしまいそうになるが、師匠である俺が凄かったと言うよりも実際には彼らが頑張った結果である。



そんな訳でゲートが使えない連中の事が少し心配ではあるのだが、何とか10階層毎のポータルによる移動で何とかして欲しい。


ゲートが使え無いと非常に不便と言うだけで無く、安全マージンが取れないので少し心配でなのである。


そうそうゲートが使えない者が全て『時空間庫』も使えないのかと言うと関係なくて、『時空間庫』は使える者も居たりする。


重力制御魔法に関しても然りである。隠密モードは意外に多くの者が使えたが、人によって複数の魔法を併用するのが不得手な者は動きを止めれば良いが移動中には集中力が散漫になって維持出来ないと言う者も居た。


そう、多くの者はこの複数の魔法の併用が上手く出来ないのだ。


恐らく『並列処理』スキルが無いのか、上手く出来ないのだろう。



そう言う意味では本当に魔法師団の連中は全員本当に優秀だったと言わざるを得ない。


その中で一番優秀だった奴を俺が推薦して王宮魔法師団長に抜擢して貰ったと言う事である。


そんな訳で優秀な者達が後続を指導してくれたりして勝手に俺の名声を高めてくれると言う好循環が続いて居る。

同様に王立学園の方もコージローやケネス君らに任せて身を退こうとしていたのだが、マリコちゃんが在学中は虫除けの為に居て欲しいと懇願されて思案中である。

最近では俺に勝てる様な奴以外はマリコちゃんにてを出せないと言う話が広まって居るので大丈夫だと思うのだけどな。

と言うかマリコちゃん自体も強いのだから、「自分より強い奴以外はお断り!」って言ってしまえば良いのになと思う俺だった。


まあ末っ子のマリコちゃんには特に思い入れがあるので早々手放したくは無いのだが、仮に俺を脅かす程の奴であってもそうそう簡単にマリコちゃんを手放す気は無いのだった。



何時まで俺達の下に居てくれるか判らないが嫁ぎ日が来てしまうと号泣する自信がある。

マコちゃんの時も突然その日が訪れたし、アッと言う間で愕然としてしまった程だった。


俺より強い奴・・・そう言う意味ではマリコちゃんを攫っていく奴に泣かされるのだから、負けてると言う判断になるのだろうか?と下らない事を考えて少し鬱な気分になる俺だった。







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