第447話 引っ張りダコ
今回のエレノートンダンジョンのスタンピードによって、間引きの重要性と俺達の冒険者としての力が再認識される事となり、スタンピード沈静化から間も無いと言うのに、ダンジョンを抱える彼方此方の領主からお誘いと言うか攻略のお願いのお声が掛かる事となったのであった。
結局半端に受ける事も出来ない為、現在モーリーダンジョンのアタック中と言う理由でヤンワリと断りを煎れて他を当たる様にお願いしている。
一応先々の為にリスト化はして居るものの、1つ1つが何階層まであるか判らないので、俺の寿命が尽きるのが先か、ダンジョン攻略完了が先か予想も付かない。
そもそも今世は女神試験用の専用チートボディーじゃないので普通の人と同じ寿命程度だろうし、そう考えるとこのモーリーダンジョンが最後のダンジョンになりそうだな・・・と切なくなるのであった。
今回のスタンピードの対応の件で俺達全員は先日王宮に呼ばれて多くの貴族が見守る中、謁見の間で勲章を授与さると言う栄誉を賜ったのであった。
流石に今回の勲章の授与に関しての反対意見ややっかむ声は無くスムーズに式が終わったのであった。
そしてその授与式後、国王陛下に別室に呼ばれ、王立学園で教える魔法と我が家の魔法の大きな違いについての質問があり、門外不出でも何でも無いので素直に教育開始時期の違いや内容の違いを教えたのであった。
要は、王立学園の教育内容を我が家の魔法教育に切り替えたいと言う事であった。
こうして考えた末に王立学園にコージローとケネス君を送り込んで伝授する方向で話を付けたのであった。
俺の方では、急ピッチで魔法のテキストを作成印刷製本し、それを基にコージロー達が教え込む感じとなる。
既に俺が前世で作ったテキストの原案はあるのだが、文字が違うので全てを編集し直してからの作業となるが、1ヵ月間で再編集を済ませて版を起こして印刷し始め、工房をフル稼働で製本して新しい魔法のテキストを作るのであった。
必要部数のテキストが完成するまでで約2ヵ月掛かったがその後、コージローとケネス君は領地運営はを代官に任せて王都の俺の自宅を拠点として、王立学園に講師として赴くのであった。
コージローもケネス君も既に結婚して居り家庭を持っているので、単身赴任では厳しいのである。かと言って、妻と子のみを領地に残してとなると心配が大きいので無駄に広い覆うとの我が家を拠点として貰ったのだ。
尤も2人ともげーとが使えるので毎日通勤可能なのだけど、やはり傍に家族が居るのと遠く離れて居るのとでは気持ちが違うだろうと言う話である。
さて新しい『オオサワ流』の魔法教育は大好評で、今までと違って実戦的だと評判になり、テキストだけでも欲しいと言う要望が増えたのでテキストを製産し続けて工房も忙しくして居るのであった。
藁半紙をベースとしたyテキストはソコソコの値段で販売して居る為それなりに稼いでいる冒険者なら帰るので、冒険者の中に魔法を使える物が増え始めて徐々に死亡率が減って行くのだが、それはまた別の話である。
ただ、『オオサワ流』の魔法教育が好評なのは良いのだが、好評とは裏腹に従来のヒョウイクで利権を得て居た旧派閥が面白く無いと陰で文句を言って居るのが回り回って耳に入ってくるのであった。
尤もそれでも彼ら自身も『オオサワ流』の魔法教育の内容自体は納得して居り、単に面白く無いと言う事である。
さてテキスト作りも落ち着いたので、子供等だけに任せずに俺も4日に1度は教育現場に立つ日を設け子供等に混じって教える事にしたのであった。
と言うのも、俺だけ好きな事をやって居ては示しが付かないと思ったからである。
こうして、1年が過ぎ、4日に1度のモーリーのダンジョンアタックも進み、現在は57階層を攻略中である。
ここまで攻略すれば、もしスタンピードが起こったとしてもそれ程酷い事にはならないだろう・・・。
授業の度にダンジョンでの実体験を踏まえて子供等に魔法を伝授して行くのは意外に楽しい。
こうして3年の月日がなだらかに過ぎて行くのであった。
漸く第一期の生徒達も卒業し、その中の優秀な何人かが魔法の講師として王立学園に残ってくれたので徐々に俺の出番は少なく減らしても問題無くなった。
モーリーダンジョンは既に70階層を超えて居り、徐々に強いとされて居る魔物が群で出て来る様になって来た。
尤も俺に取っては大した物では無く、順調に倒していける物ばかりである。
そしていよいよ!!そして久々のレベルアップのチャイムの音が鳴り響いたのであった。
そして現在のステータスは、
名前:トージ
称号:(御使い)/(大賢者)
AGE:44
LEVEL:31
HP:829/829
MP:1883/18750
力:832
知能:831
器用:836
俊敏:832
スキル:剣術A/格闘C/投擲C/身体強化/魔装/鑑定EX(アーカイブコンタクト型)/隠密B/(隠匿)/(日本の英知)/魔力感知A/魔力操作A/錬金A(A)/並列処理S
魔法:無S/土S(S)/火S(S)/水A(S)/風S(S)/光S(S)/聖S(S)/時空EX(S)/生活/雷S(S)
※()内は魂に刻まれた才能値を表す一般には見えない
どうだろうか? 開花の儀の直後と比べるとこの素晴らしいステータス値は! って、既に昔過ぎて当時のステータス値なんて覚えては居ないんだけどね。
でも、最近はヤバイと思う程の手強い魔物と戦う場面が無いので上がって無かったが、やはりレベルアップってすばらしい。これだけでやって来た事が報われた気がするからね。
こうして久々のレベルアップに気を良くする俺であった。
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