第441話 思いっきり巻き込まれる その3
漸く全ての騒動が落ち着いたのは結局日を跨ぎ、翌朝を迎えた頃であった。
王宮では急遽真偽を見極めるスキルを持つ真偽官を呼び出し、第二王子派の貴族を尋問して騒動の加担者を炙りだして行った。
その結果やはり第二王子の婚約者の実家のクロディア侯爵家が音頭を取って居た事が発覚し、更にはローデシア王国内の傭兵団300名を雇い入れて居た事が判ったのだった。
ただ不幸中の幸いだった事は前国王陛下の死因に関係は無かったと判定された事だろうか?
しかし、それならば何故こんなにも早々に火葬してしまったのかが謎のままだが、腐敗やゾンビ化を考えて早々に火葬したと言う事だろうか? 今一つ納得出来ないままである。
結局、真相も明ける見になって、残りの儀式を継続し、譲位が完全に終わって、和我が国に新しい国王陛下が即位されたのだった。
今回の功績を認められてコージローと加勢でやって来たケネス君は男爵位を、パパンは子爵位を叙爵する事となったのだった。
結果だけ見ると、我が家の関係者だけ得をした結果になったが、これに文句を付ける様な貴族はこの時点で特に居らず、騒乱にの我々の働きと制圧力を見てビビってしまったのか誰からも苦情ややっかみがなかったのは幸いだった。
そうそう、この事件で幾つかの貴族家がお取り潰しとなってしまった。騒動を起こしたクロディア侯爵家も勿論お取り潰しとなり、第二王子の婚約者は破談となって、修道院送りとなったのだった。直接娘に罪が無いとは言え、立場上そのまま婚約者として置く事は出来ないのでしょうがないのかも知れない。
それに今回の事件にローデシア王国自体は無関係でクロディア侯爵家が国王陛下の崩御を機に便乗しただけとの話に落ち着いた。
危うく国を二分する騒乱に繋がるところだったが、必要以上に無駄な血が流れる事無く在るべき姿に丸く収まって何よりであった。
後日俺は王宮に呼ばれて、新国王陛下の下へと参上しすると、
「オオサワ公爵よ、此度の働き感謝するぞ!国を二分しなかったのはあの場で直ぐに其方が動いて抑えてくれたからじゃ。その褒美、如何したものじゃろうかと考えておったのじゃが、領地を貰ってくれんじゃろうか?」陛下から礼を言われたのであった。
貰える事となった領地は問題の旧クロディア侯爵家の領地である南の国境地帯であった。
陛下曰く、場所が国境地帯だけに信頼の置ける貴族にしか任せられないとの事で、断る訳にもいかず、謹んでお請けする事にしたのであった。
まずは現状の把握から開始しないといけないのいで、コーイチローとコージローを連れて、旧クロディア侯爵家の領の領都であるクロディアへと向かったのだった。
大きな城壁に囲まれたクロディア・・・過去に一度、固定式ゲートを設置しに訪れた記憶があったがまさかここを俺が治める事になるとは思いもしなかった。
こうして改めて見ると、国境地帯の領都だけに立派な城壁に囲まれて居る。
ゲートセンターの門番に貴族の紋章をみせて、新しいここの領主であると知らせると、恐縮して最敬礼されるのであった。
直ぐに馬車を呼びますと言う門番の衛兵を止めて、城下町を歩いて視察しながら、3人で歩きで行く事にしたのであった。
ゲートセンターを出て暫くは栄えた繁華街が続き、非常に発展して居る。旧クロディア侯爵家の統治は真っ当だったのだろうかと怪しんで居たが、以外や以外見る限りは綺麗な街並みで、特に怪しい要素やいかがわしい裏路地も見当たらなかった。
もしかしたら、ゲートセンターの反対側に探して居るスラム街にそうとうする馬車があるのかも知れない・・・。
そして、なんの問題も無く、領主の館まで到着した俺達は、王宮から派遣されていた、代官のグルージェンさんから屋敷や書類等の引き継ぎを受けるのであった。
グルージェンさんから効いたところ、ゲートセンターのある北門所からここまでの道程は比較的栄えたメインストリートで、貧民街や庶民の住宅は、主に西門や東門の周辺に固まって居るらしい事が判明したのであった。
尚南門周辺はローデシア王国との交易が行え割れるので、宿屋や大きな商会の店舗や豪商達の住処、それに兵士の宿舎や訓練場などが在り何かあってもそこで抑えられる様に防備が手厚くなっているになっていると言う事であった。
こうして、クロディアの視察を3人で手分けして3日程で済ませ、それぞれ発見した問題点を持ち寄ってどうすべきかを
話し合うのであった。
一番の問題はここのスラム地区で、不衛生で病人や怪我人や孤児等が多く、教会の孤児院もパンク気味で食料も足りて無いと言う事であった。
そこで速やかに、孤児院に食料を配給して、領主からの運営資金の援助を行いつつ、傷んだ孤児院の建物の修復や増設等を命じるのであった。
次にスラムの住民である。
マコちゃんも助っ人に呼び土魔法で、簡易宿舎を建てて、病人や怪我等で働けない者の治療を4人で手分けして行って廻って炊き出しで食事を配給してやり、簡易宿舎へと収容して廻った。
3週間掛かって漸くスラム中の住民がちゃんとした屋根の下で寝られる状態になった後、仕事としてスラムの瓦礫の撤去等を行わせて全員に職と賃金とを与えたのであった。
さて、ここクロディアは南部なだけあって、気温も年中暖かく農業が盛んで特に果物の栽培に於いては王国一であった。
なので、新たな開拓地を作って農民として暮らして行く道も作ってやるのであった。
以前移民村を作った時のスラムバージョンと言う事である。
俺が治める様になって4ヵ月が過ぎた頃には幾つもの開拓村が新設されて陛下の許可を得てから、そのれらの一部を男爵となったコージローに任せる事にしたのであった。
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