第440話 思いっきり巻き込まれる その2

余りの急展開に頭と心が付いて行かない。


泣くマーガレットを慰めて直ぐに動き始めた俺達だが、どうもきな臭い匂いが漂ってる気がする。



国法陛下の崩御した際の国葬は通常国を上げて行うのでユッタリした日程として、貴族が集まれる様な連絡が事前に入って然るべきらしい。


しかし今回は真夏の腐敗防止を理由に火葬を急いだ通常と違う手順でおこなわれているのである。


王太子殿下と顔を合わせると、悲しみを滲ませた様な表情で酷く辛そうであった。


一方、第二王子殿下の方も暗い表情をして居るものの何処か割り切って居る様な雰囲気さえ感じる。


余り第二王子殿下の為人は存じ上げないが、実の親を害するような人物ではないと思いたい。


マーガレットに効いた話ではこの2人の兄弟、普通に仲の良くそんな俺が懸念する様な画策をしそうな感じは無いと言う事だった。


2人の仲が良いのは非常に良い事である。このまま第二王子殿下が身を退くと公言されれば神輿に担ごうとしている連中の気勢を削ぐ形で事を収めrされるのではないだろうか?



俺は宰相閣下に面会して、早く王太子殿下の譲位の儀を済ませて国内を平定する様にせっつくのであった。



通常であれば前国王陛下が指名してから引退をする物なのだそうだが、既に『王太子』と言う位に就かれて居る事自体が指名したも同じと考えるのが普通なのに、約半数の貴族が第二王子派に廻っていて強行するのも厳しいらしい。



当の本人の第二王子は王太子殿下が継ぐのが相応しいと言って居られるらしいのだが、一体第二王子派は何をしたいのかが全く判らない。


国王陛下が無くなって国内が悲しみに暮れて居ると言うのに、一体国を二分して何をしたいのかが理解出来ない。


第二王子派と話をしようとしても元々俺の事を良く思って無い連中だから、取り付く島もない。


そして、結局第二王子派を無視する形で王太子殿下の譲位の儀を執り行う事になったのだった。

情報収集部門から当日に何か不穏な動きがあるかも知れないとの警告を受けて、


念の為俺の方からもパパンを始め警備の騎士を派遣して王宮を守る様にしたのであった。


我が家派、マリコちゃんとアルク君以外は全員参加し、万が一に備える事とした。



譲位の儀が始まる1時間前になると、貴族達が集まって来始め、謁見の間はガヤガヤとうるさくなって何時もと違う意味での緊張が走るのであった。


そして譲位の儀が始まると、事も在ろうか、第二王子派が王太子が継ぐ事に意を唱え、式の進行を邪魔してきた。


これには第二王子も苦言を呈して諫めようとしたものの止まらずに、第二王子派の貴族の合図と共に謁見の間に剣を持った騎士がドヤドヤと入って来てしまった。


直ぐに近衛騎士と、賊の騎士との戦いとなったが、戦いはここだけでは無く王宮の彼方此方に賊の兵士や騎士が紛れ込んでおり、それはパパン達が迎え撃って暮れて居るようであった。



俺は王太子殿下のってとなるべく魔装を展開して、賊との間に立ちはだかった。


丁度そのタイミングで、ファイヤー・アローが飛んで来て、おれの魔装に着弾して消えて行った。


俺は魔法を放った奴を狙って魔弾で両足を撃ち抜き、コーイチローに取り押さえる様にと目で合図を送る。


更に第二王子派は王都の街中にも兵を送り込んで居り、完全に後手となってしまってこれ以上の増援を見込めない我が方の不利となってしまったのだった。



「このままでは埒が明かないです、殿下。暴徒を呼び込んで居る貴族を殺してヤって良いでしょうか?」と尋ねるも「それは極力抑えて欲しい。」と言われ、明らかに賊に指示ををだしていた貴族数人の手足を魔弾で撃ち抜いて、その場で拘束して、行く。


我が家の家族はコーイチローもコージローも大活躍で賊を倒している。



そして、当初謁見の間に雪崩混んで来た50名程の賊が近衛騎士と家の家族に倒されて騒ぎの終焉を迎えたのであった。


尤も収まったのは謁見の間のみで王宮では今もパパン達が戦って居るし、王都の軍勢はまだ未着手である。



俺もパパン達の援軍に行きたいところであるが、時期国王陛下たる王太子殿下の傍を離れる訳にもいかずに立ち往生している状況である。


其処で、王太子殿下に判断を仰ぎ、許可を得て、王宮内の賊を一掃して平定する為にパパン達に加勢に行くのであった。



王宮内は乱戦状態で、投降を勧めて向かって来る賊をサクサクと倒して行ってパパンに合流を果たしたのであった。



1時間程の戦闘の後、1人残らず倒して王宮内の賊を一掃し終えた俺達は、報告の為に謁見の間に行って王宮内の一掃を報告。


そして近衛騎士は王太子殿下の護衛で動かせないので、居れた達の手勢のみで王都の軍勢に立ち向かう事になったのだった。



戦って、賊達の言葉に南部訛りが激しい事が判ったのだった。第二王子殿下の婚約者の実家は南部の侯爵家の出身で、ちょっと前から王国の南側に接するローデシア王国との貿易が盛んになっていた。もしかするともしかするかも知れない。




流石に王都は広くこの人数で一掃するのは難しいので、コーイチローとコージローを呼び出して此方に合流して貰ったのだった。

更に兵の増員をして、空中から索敵して、各個撃破して廻って10時間掛かってほぼ敵を一掃した時にはドッと疲れが出たのであった。

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