第437話 我が家の新メンバー その2
コージローがキャリスを連れて来ると恐縮しまくるキャリスを皆で温かく迎え、持てなすのであった。
コージロー曰く行く行くは結婚も考えて居ると言う事だった。
キャリスは子爵家の三女で、ケネス君の紹介で知り合ったらしい。
堅苦しい貴族家へ嫁ぐのを嫌で元々魔法が得意な事もあって自由な冒険者の道を選んだらしい。
なかなかに豪気な女性である。
こうしてキャリスはアッと言う間に我が家に溶け込んでちょくちょくコージローと共に顔を見せる様になったのであった。
そして、ちょくちょくエリザベスの魔法の訓練に参加する様になってメキメキと実力を付けて行くのであった。
妊娠中のエリザベスが訓練出来なくなるまでそれは続き、娘が増えた様で楽しい一時であった。
そして8ヵ月が過ぎてエリザベスが産み月に入るとソワソワし始めるコーイチロー。
エリザベスの陣痛が始まるとそれは更にましてオロオロに変わるのであった。
「こんな時に男に出来る事は何も無い。ドンと構えてナンシー様に無事を祈ってろ。」と俺が言うとその場で跪いてナンシー様に祈り始めるのであった。
初産の為生まれるまでに8時間程掛かってしまったがどうやら無事に出産を終えた頃には、拳を握り締めてした所為で筋肉痛になっていたりでコーイチローまでクタクタのボロボロになっていたのであった。
しかし、漸く面会が可能になったっ時に分娩室に入るコーイチローにエリザベスへの労いの言葉を忘れ無い用にとソッと告げたのであった。
初めて我が子との感動の対面の一時を遮らない様におれもマーガレットも邪魔せずにちょっと落ち着くまで遠慮をして置くのであった。
ちなみに初孫は男の子で公爵家としては跡取りが産まれた事となるので非常に目出度い。
コーイチローは2人似似た可愛い男の子の名前をアルクと名付けたのでアルク君と声を掛けながら、抱かせて貰ったのであった。
我が子が可愛いのは当たり前だが初孫の可愛さよ!!
アルク君はたちまち我が家のアイドルとなり、マコちゃんやマリコちゃんまでデレデレにしてしまったのであった。
さて国王陛下にしてみれば曾孫となる、アルクの元へ国王陛下自らがまさかやって来るとは思っても見なかったのだった。
「マーガレット久しいの。早う曾孫の元に案内せい。」と急かす国王陛下を宥めるのに苦労したのであった。
それでも時間にして30分程、抱いては顔を除き込み、柔らかい頬を触ってはニンマリとして堪能した国王陛下はソッとアルクをエリザベスに返して、礼とお祝いを述べて満足気に帰って行ったのであった。
きっと本当はもっと一緒に居たかったであろう・・・俺に羨望の眼差しを残して返って行ったので、後で、アルク君の写真を撮って送ってやろう。と思うのであった。
アルク君が生まれたからと言うものの、これまで以上にコージローとキャリスの訪問頻度が上がったのは非常に嬉しい事であった。
勿論2人の目的は甥となるアルク君である。
子供を見る事でキャリスもより結婚を意識し始めた様で話がトントン拍子に進むのであった。
なので、俺の方からキャリスの実家のアルバトス子爵家に連絡を入れて、婚姻の話を始めたのであった。
今まで何も知らなかったアルバトス子爵は驚くと共に三女の(公爵家との)結婚話大喜びをしていたのだった。
こちらは正式な婚約を交わして、来年くらいに結婚の儀を執り行う事としたのであった。
こうして我が家は安泰が約束されてホッと一息付くのであった。
コージローの結婚話に感化されて結局ケネス君もパーティーメンバーのパートナーと同じく結婚する事を心に決めた様であった。
結婚祝いがてらにダンジョンの第70階層のボス部屋から始まるそれ以降の階層のドラゴン三昧を討伐させて、十分に稼ぐ事が出来る階層をマーキングさせたのだった。
こうして、俺に続くドラゴンスレイヤーのSランクが2人増える事になったのだった。
この階層で荒稼ぎして置けば、特にこの先金に困る事も無いだろう。と言う俺なりの配慮であった。
尤もそれに見合った実力も必要になるのだがコージローもケネス君も十分にその実力がある筈である。
そして1年がアッと言う間に過ぎて、コージローも感動的な結婚の儀を済ませ一人前の一家の大黒柱となったのであった。
コージローは結婚を機にケネス君と共同でダンワースに大きな屋敷を購入し、同時にスタッフ等も雇って生活基盤を整えたのであった。
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